あの頃に戻りたい、せつに。

文字数 614文字

あの頃の私は美しかった。理想の私と言っても過言ではない。
自分で言うのもなんだが、調った容姿をしていた。

しかし、生きて行くためには、色んな状況に耐えなければならないし、自分を変えていくのも大事だとは思ってる。
それは解ってる。
でもね、自分で自分を変えるって簡単な事ではない。
だから人は、ダイエットだとジムに通ったり、お稽古事に通ったり、コーチやトレーナーや師匠に頼ったりするわけでしょう。
私もそれに習った。

そして、出会いって運だと思ったね。
良いコーチやトレーナーや師匠に出会えれば、良い結果に結びつきやすい。
もちろんその逆もある。

私が出会った師匠、うん、雰囲気的にマスターと言った方があってるかな。
でも、はぁ~、考えただけで溜息しかでない。
どちらかと言うと、私のマスターは基本ダメな方。
それにはかなり失望したね。

結果的に私は変われた。でも、理想とは言えなかった。
そう言う事じゃない!と気づいたの。

あの頃の様に戻りたい!
マスターに嘆願したわ。
でもマスターは基本ダメな方。

元に戻るのに、3年も要したの!

あのガキ!
私を失くすは!
テレビゲームに夢中になるわ!
お風呂の中に落としそうになるわ!
モールのフードコートに忘れるわ!

失礼。

我がマスターは、3年かけてやっと私を元に戻してくれました。
調った美しき私に。

そう私は、
美しく調ったルービックキューブ。


おしまい
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み