歌舞伎町と銀さん

文字数 1,050文字

「夜が深くなるまでに帰ってきなさいよ」
銀さんのお母さんは言いました
「うん」
そういうと銀さんはいろいろな美しいお姉さんや
かわいい女の子の看板を見ながら町を歩き遊びました
「お兄さん、ここに遊びに行かない?」
そう一人の男が銀さんに声をかけてきました
銀さんはその看板に印刷された美しい女性を見ると
とてもきれいだったので「行ってみたい」と言うと
お店へ案内されました
夜がだんだんと深くなっていきましたが
「どんな女性だろう?一目見てから家に帰ろう」
そう言いました

お店に入って飲み物を一杯いただいても
さきほどの女性はいませんでした
銀さんはつまらなくなって帰ろうとすると
高額な料金を請求されました
そのお店はぼったくり店でした
「しまった!」
銀さんは慌ててお店を出ようとすると
大きな大きながたいの男に通せんぼされました
お金が足りなかった銀さんは
お店の裏の部屋へ連れていかれると
高級そうな身なりをした子どもがふたりいました
「わぁ、お兄さん、かっこいいね」女の子が言いました
「ほんとだ、今度のは頑丈そうだ。
今度のお兄さんでチェスゲームや戦いごっこに使おうかな」
そう男の子がいいました
すると女の子は「このまえの人は泣きながらとても苦しんでいたでしょ?
むやみに人をおもちゃにしてはいけないわ」といいました
「かわいそうだから、やめましょうよ」
「やだ、僕のおもちゃにするんだ」

銀さんは自分より10以上も下であろう子どもの話に
びっくりしてしまいました
銀さんは逃げようとしましたがガムテープでぐるぐる巻きにされていたので
逃げられませんでした

すると女の子は言いました
「お父さんからもらった空気銃あげるから、逃がしてあげましょうよ」
「本当に?空気銃くれるの?このまえ射的上でお父さんに怒られてから
買ってくれなくなっちゃったから欲しかったんだ」
「じゃあ、話は決まりね」
「じゃあ、逃がしてやるよ」

そういうとさっきの男たちが現れて銀さんのにはりつけられたガムテープを
荒く破いてポケットから財布ごと奪うと
銀さんを蹴ってドアから出しました

銀さんは急いでお母さんの待つ家に帰りました
今日あったことをお母さんに話すとお母さんは
すごい剣幕で銀さんを怒りましたが無事に帰ってきたことにも感謝しました
そして女の子の幸せをいつまでも祈りました
銀さんも女の子に感謝して幸せを祈りました
「あの心優しい女の子がいつまでもしあわせになりますように」
そして町の人たちは、その話を聞くとええとこの娘さんじゃないかという
話になりました。今日も歌舞伎町に栄えた活気がやってきます。
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