プロット

文字数 1,000文字

「奇跡のガチャ 〜世界に1つだけのハッピーソード〜」プロット

起)世界中の若者のあいだで大ブームを巻き起こしているスマホアプリ『デスティニーワールド』。
剣と魔法を使ってモンスターを倒していく王道のRPG。
母子家庭で母思いの中学生・宝井守(たからいまもる)もこのゲームに熱中している一人だった。
しかし、決して裕福な家庭ではない守は無課金でプレイしており、有料ガチャも引いた事がない。
母が休む間もなく働き詰めである事を知っていたので守は母に何も言わなかった。

承)ある日、デスティニーワールドの運営が緊急告知として一日限りの年末イベントを行うと発表。
その内容は《12月31日0:00〜23:59のどこかの時間帯で有料ガチャの中に世界に1つだけの超激レアアイテム『ハッピーソード』を加え入れる》というもの。
この発表に世界中がざわつく。
無課金でコツコツとプレイし続けてきた守も、ハッピーソードの魅力に惹かれて心が揺さぶられた。

転)守の母が仕事の疲労で体調を崩す。
母は守に心配をかけさせないようにと表には出さなかったが、実はかなり無理をして働いていた。
母子家庭で守には頼れる人が周りにいない為、守が母の看病をする。
母の様態はなかなか良くならず、気付けば一週間以上が経っていた。
そして数日が過ぎ、12月31日。
全世界でデスティニーワールドの熱狂的なプレイヤーがハッピーソードを求めて一斉に今までにない程の課金をし、有料ガチャを引き始める。
何百万、何千万円もの大金をつぎ込む者も少なくなかった。
守の学校でもクラスメイトみんなが課金をして有料ガチャを引いては盛り上がっている。
でも、守は母の体調の事で頭がいっぱいだった。

結)その夜。
守の一生懸命な看病が実り、母の体調が少し良くなっていた。
元気を取り戻しつつある母の様子を見て守は嬉しくなる。
デスティニーワールドの年末イベント終了までもう残り5分。
ネットで調べた所、ハッピーソードを手に入れたという情報はまだない。
時計を眺めながら守は「ハッピーソード……欲しかったな……」と呟いた。
すると母が「ゲームの事はよく分からないけど、看病してくれたご褒美に一回だけなら課金してもいいよっ」と言う。
守は「やったぁ!」と満面の笑みで喜んだ。
23時59分。
守は(お願いしますッ……!)と、震える指先でスマホをタップして200円の有料ガチャを引く。
画面には【☆超激レアアイテムGET☆『ハッピーソード』】。
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