【喜びの告知】
文字数 267文字
娘が宿るちょうど一年前のある日、私は産婦人科にいた。
「おめでとうございます。ご懐妊です。」
ドクターの言葉に喜びが込み上げてくる。
自動ドアから出ると、仕事中だよね…そう思いながらも早く伝えたい気持ちが溢れ携帯電話を手にした。
数回のベルの後、電話口に夫の声がする。
「もしもし。」
「仕事中ごめんね。」
「大丈夫だよ。どうした?」
「うん、あのね…赤ちゃん…。」
「そうか!!今日は早く帰る。何もしなくて良いから家でゆっくりしててね。」
電話の向こうにいる夫の笑顔が伝わってくる。
今夜は何を作ろうかな?私は夕飯のメニューを考えながら車のキーを回した。