第1話
文字数 688文字
「しっ!だめだよ、もうお化けが出る時間だから」
僕は弟に告げた。僕達兄弟は8時になると二階に連れて行かれ、無理矢理にも寝かされていた。これ以上起きていると一階にはお化けが出る、そう脅かされ、僕は、僕達は必死になって目を瞑り、朝を待った。
「あんた達、絶対降りてきちゃだめよ」
母は強く、僕たちに言いつけた。しかし一つ問題があった。トイレは一階にしかないのだ。どうしても我慢ができないとき、お化けに見付からないよう、僕は、僕達は、そっと、恐怖に震えながら用を済ませた。両親が見張りをしているからだろう、僕が、僕達が、お化けに遭遇することはなかった。
やがてはそれが常態化した。両親が近くにいるという安心感で僕は、僕達は堂々とトイレに行くようになった。しかし、それもすぐ、二階に上がると部屋の外側から鍵が掛けられるようになった。母が僕達が安易に一階に降りないようにしたのだ。トイレに行くには内側からノックして叫ぶ必要があった。
「お母さん、おしっこ!!」
お化けと闘っていたのか、怒気を含んだ母が鍵を開ける。しばらくの間そうして、僕は、僕達は、尿意を叫ぶことでトイレに行き続けたが、やがて、あろうことか、バケツの中に布を敷き詰めた手作りトイレが二階に置かれるようになった。僕は、僕達は、完全に二階に閉じ込められたのだ。愕然としたが、でもそれは両親が僕達をお化けから守るためだった。僕は、僕達は布団の中で身を寄せ合い、孤独な夜に耐えた。しかし、そんな僕達にも朗報があった。弟が一人増えたのだ。
「しっ!お化けがでるから!早く寝ないと!」
両親がお化けと闘う中、僕は、僕達は3人で闇夜に立ち向かった。
僕は弟に告げた。僕達兄弟は8時になると二階に連れて行かれ、無理矢理にも寝かされていた。これ以上起きていると一階にはお化けが出る、そう脅かされ、僕は、僕達は必死になって目を瞑り、朝を待った。
「あんた達、絶対降りてきちゃだめよ」
母は強く、僕たちに言いつけた。しかし一つ問題があった。トイレは一階にしかないのだ。どうしても我慢ができないとき、お化けに見付からないよう、僕は、僕達は、そっと、恐怖に震えながら用を済ませた。両親が見張りをしているからだろう、僕が、僕達が、お化けに遭遇することはなかった。
やがてはそれが常態化した。両親が近くにいるという安心感で僕は、僕達は堂々とトイレに行くようになった。しかし、それもすぐ、二階に上がると部屋の外側から鍵が掛けられるようになった。母が僕達が安易に一階に降りないようにしたのだ。トイレに行くには内側からノックして叫ぶ必要があった。
「お母さん、おしっこ!!」
お化けと闘っていたのか、怒気を含んだ母が鍵を開ける。しばらくの間そうして、僕は、僕達は、尿意を叫ぶことでトイレに行き続けたが、やがて、あろうことか、バケツの中に布を敷き詰めた手作りトイレが二階に置かれるようになった。僕は、僕達は、完全に二階に閉じ込められたのだ。愕然としたが、でもそれは両親が僕達をお化けから守るためだった。僕は、僕達は布団の中で身を寄せ合い、孤独な夜に耐えた。しかし、そんな僕達にも朗報があった。弟が一人増えたのだ。
「しっ!お化けがでるから!早く寝ないと!」
両親がお化けと闘う中、僕は、僕達は3人で闇夜に立ち向かった。