第2話

文字数 661文字

〈いる⭐〉

いる。
いるのよ。
目には見えないなにかが――。
わたしを見守っている誰かが――。
可愛がってくれた亡き祖父母なら、ふとしたときに浮かぶからわかるの。
そうではない、なにかもいる。
わたしには想像もつかないあの手この手を使って、慰めたり、笑わせたり、喜ばせたりしてくれるなにかが――。
そうやって、本当の自分を思い出すように導いてくれるの。

そうじゃないと、泣きながら車を運転しているときに、わたしの心情を理解して、慰める曲なんか即座に流せるわけないでしょ?

不安でしかたがないとき、助けを求めると、4がいくつもつらなったゾロ目を何回も何回も見せられることないでしよ?

夢に向かって行動してるとき、わたしが知らない方がいいマイナスの出来事は、わたしだけ知らないままでいられて、一区切りついたころに、あとから知り、あー、知らないでよかったと胸をなでおろす都合のよいことが、絶妙なタイミングで起こることなんてないでしょ?

わたしの人生のなかで、やるべきことをやりきり、子どもの卒業式に行くとき、車のエンジンをかけると、『栄光の架け橋』が最初のイントロから流れて、式に出る前から、感動で泣くなんてことないでしょ?

まだまだあるの。こんな不思議でおもしろいことが――。
誰か知らないけれど、いつもわたしと一緒なの。
わたしのこと何でも知ってるの。
質問すると、教えてくれる。

そうやって、本当の自分を思い出すように導いてくれているの。

これからも、そのメッセージを楽しんでいきたいと思う。
会話をしていきたいと思う。
いつもありがとう。
一緒にいてくれて――。
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