プロット

文字数 1,806文字

・起
戦隊ヒーローに憧れる女の子陽彩《ひいろ》は、10歳の誕生日に父からプレゼントは「指揮官」だと言われる。父によると、地球はいま宇宙人から攻撃を受けていて、世界中にいるヒーローたちが人知れず戦っているらしい。
父に連れられるまま小学校前の商店に行くと、その地下はヒーローの事務所になっていた。そこには短気な高校生烈《れつ》、同い年の活発な少年糸《いと》、引きこもりで人前に出るときは仮面をかぶっている青年清《せい》の3人のヒーローと清が作ったAIノアがいた。
陽彩の歓迎会の最中、アラームが鳴り3人は出動する。父の指揮官ぶりを見て、陽彩は自分もやってみようと決意する。
陽彩はノアと父から、指揮官のエネルギーをもとにヒーローたちの身体が強化されたり特殊能力が使えるようになると説明を受ける。その証拠に烈は火を操り、糸は雷をまとい、清は水を使いこなして戦っていた。
その日の夜、陽彩はオンライン学習塾スタディヒーローの人気講師で担任の水谷に、頑張りたいことができたと報告する。授業の最後に最近あったことを話すのは恒例だった。「本日の授業はここまで。頑張りましたね。よい夢を」

一方敵陣では王佐兼占い師ウララが、怠惰な王子に地球侵略を進めるようけしかけていた。国が疲弊しており、なんとしてでも地球の資源を奪いたいのだ。怠け者の王子に嫌気がさしたウララは、封印されている王を復活させようと怪盗として国を騒がせたトトルを呼び出し「封印の鍵」の入手を命じた。

・承
父は2泊3日の出張に行ってしまった。
その初日に、陽彩は空から大量のバルーンが降ってくるところに遭遇する。バルーンを手に取ると「明後日の夜、封印の鍵をいただきます トトル・トー」と予告状がついていた。次の瞬間、バルーンが弾け、モンスターの姿になり人々を襲い始めた。バルーンを操るトトルも空中から楽しそうにその様子を見ていた。
助けに来た烈により窮地を脱した陽彩だったが、指揮官=陽彩であることがバルーンの主トトルにばれてしまう。
危険な目にあった陽彩は、辞めてしまいたくなるが、水谷に激励されもう少し頑張ることにする。同時に、明日明後日の授業は中止にすることを告げられる。水谷がトトルの姿を知っていることに違和感を覚えた陽彩だったが、翌日テストがあることを思い出して勉強に戻る。
父から封印の鍵はトトルたち宇宙人の王を封印している鍵で、小学校にあることを知らされた陽彩は、ノアの提案により学校の探索を始める。しかし学校には、トトルがすでに潜入しており先生として調査を始めていた。トトルは陽彩の命を狙い、攻撃をしかけてくるが、陽彩は糸に守られる。糸はヒーローの時とは違い臆病な様子だったが、軽々とトトルを退ける。
封印の鍵の場所は、陽彩と糸の集めたデータを解析したノアにより学校の地下にあることがわかった。
予告上の日の夜、陽彩たちは図書室に拠点を置いてトトルを迎え撃つことにする。

・転
封印の鍵を奪われる前にトトルを封印することにした陽彩は、烈、糸、清に封印の陣を作るための行動を支持する。
夜、トトルは大勢の部下とともにやってきた。3人が迎撃に向かうが、数が多くて間に合わない。必死で戦う三人の声を聞いて、陽彩はいてもたってもいられず、ノアの制止を無視して武器を手に取り駆け出す。その先にはトトルがいた。
トトルの幻術に圧倒される陽彩だったが、清が駆けつけ守ってくれる。「もう大丈夫。頑張りましたね」という清の言葉に聞き覚えがあった陽彩だったが、次の攻撃がやってきて話せない。
そのうちにトトルを封印する準備が整い、陽彩の号令で封印が行われる。

・結
トトルは封印の直前に幻術を用いて逃げ出していた。「覚えてろよ!」とメモが校舎中のいたるところに貼られていて、翌朝は学校中が大騒ぎだった。しかし封印の鍵は無事で、学校から事務所に安置されることになった。
帰ってきた父に結果を報告すると、父は泣いて陽彩に謝った。引退宣言を取り消そうとする父を止めて、陽彩はこれからも続けたいと伝える。
そのとき陽彩の連絡袋からテスト用紙を見つけた母が父を呼ぶ。テストの結果を見た父は黙って陽彩を事務所へ連れて行き、相変わらず仮面をつけた清に頭を下げた。清は笑って事務所のさらに奥の扉を開けた。
「学習塾スタディヒーロー対面講座へようこそ。勉強もヒーローも頑張りましょうね」
そこには机に向かって問題を解く糸と烈がいた。
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