プロット

文字数 1,145文字

-起-
星崎 小夜子は中学一年生の女の子。転校してきたばかりの彼女はクラスに馴染めず、いつもひとりぼっちだった。
母親が心配するので家では友達ができたようにふるまっているが、外では居場所がなく、引っ越してきたばかりの街をふらふらとあてもなく散歩をしていると、ある日古びた洋館を見つけた。
ひと気はなく、小夜子が興味本位で家に立ち入ってみると、どうやらそこは空き家らしいということがわかる。小夜子はやっと自分の居場所を見つけたと、小夜子はこの洋館に入り浸るようになった。

-承-
ある日の放課後、小夜子が洋館のソファに座って刺繍をしていると、突然うしろから声をかけられた。驚いて振り向くとそこには小夜子と同い年くらいの女の子が立っている。さらに驚いたことに、その女の子は半透明に透けているのだった。
女の子は「アニタ」と名乗り、この洋館に暮らしていたお嬢様の幽霊だと説明する。
はじめのうちは怖がっていた小夜子だったが、人懐こいアニタにだんだん心を開いていく。

-転-
アニタと過ごす毎日は楽しくて、暗かった小夜子も次第に明るくなっていき、クラスメイトともうまく接することができるようになっていった。
そんななか、クラスメイトから「星崎さんが幽霊屋敷として有名な洋館に出入りしている、危ないからやめたほうがいい」と助言される。
しかし小夜子は洋館通いをやめることはなかった。クラスメイトよりもアニタの方が大切だったのだ。
小夜子を心配したクラスメイトの希和が、ついに洋館に入ろうとする小夜子を強引に引き止めようとする。小夜子はアニタのことを説明するが、この洋館にお嬢様なんて住んでいなかったと告げられる。
小夜子は希和を振り切って洋館の中に入っていく。

-結-
アニタは笑顔で出迎えてくれるが、小夜子は先ほど希和に言われたことがずっと頭に残っていた。
思い切ってアニタに問うと、アニタはためらいながら真実を話してくれる。
アニタはお嬢様でもなんでもない、ただの平凡な女の子だった。母親に虐待されていたアニタは母の下から逃げ出して、むかし祖父が住んでいたこの洋館にやって来た。
しかし朽ちた洋館で暮らしていけるわけもなく、衰弱し食料を探して家の中をさまよっていたアニタは地下室へ行く階段から足を滑らせて命を落としてしまう。
魂だけになったアニタは同じ年頃の小夜子に出会えたことを喜び、本当の自分を隠してお嬢様を装っていたのだった。
小夜子が地下室に行くと、白骨化したアニタの遺体が転がっていた。アニタは「生きたお友達を作って、幸せに生きて」と小夜子に願いを託して成仏していく。
幽霊の友達を失った小夜子はアニタの願いを叶えようと、クラスメイトたちに話しかける。小夜子をずっと心配してくれていた希和はそんな小夜子を笑顔で受け入れてくれる。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み