第1話 慕情 しかし男はすべてを‥‥

文字数 2,000文字

女は男と夢の中でいつも逢って交流していた。


しかし、男はそのことをまったく覚えてはおらず、女はそんな男にヤキモキしていた。

たばこ、やめられない
君が話付き合ってくれたら、やめられそうだけど‥‥
(以下、すべて、女の心の中の声)


あら、この人、あんなに夢の中で話し合ったことをまったく覚えていない。


ほんとにもう‥‥あんなに熱く━━

癒し求めてるんなら、マッサージとか得意だけど ! ! 
強い君もいいけど、弱い君も好きだよ !
頭撫でてあげるから ! ! !
よくやってるよ、君は
ほんとこの極楽とんぼ !


わたしが頭撫でられるのとても弱いの知っててほんと━━


頭だけで終わらないでいつも‥‥

君は一見、凛として強そうに見えるけど、どこか儚げでとても可愛い女の子だよ、You Co !


ありがとう‥‥
女は上を向いて、暫く、男のことを想い浮かべていた。

こんなバカ正直でよく生きてこれたものね。


よほど守られて来たのね。


わたしもこの人のことを守っていこう。

あのね
たばこ吸うのはストレスとかフラストレーションを軽減するためなの ! !


君がそれらをなくしてくれるんなら、すぐやめられるだけどねえ
あっちへふらふら、こっちへウィンクしながら、よろしくやっていこうと考えてるから、ただねえ、体がねえ‥‥
ほんと、この口先男


あっちの美人へふらふら、こっちのかわい子ちゃんへウィンクなんか


でも、この人、なんで、誰にでも、あんなに気軽に声かけられるのかしら


とても不思議な人


おい、せっかち男女、少しはあだりほどりば見渡すてみろ ! ! リードすてんだば、やらへでやる。んでもよ、わが、じぇんぶ、ぶっごわすて歩ってやるがらよ !
おめえ、エネルギー体で飛んで来い ! ! そしてビッグバンさせろ、いうか、一緒にしよう、ちゅうか、やらんとほんと手遅れになっちまう
まず、お前の頭撫でて、それから、なにすりゃいい ! ? 


いきなり、ナニするか ?

純粋な気持ちで飢えてるんだよ、おめえに
わかったよ
付いていくからよ
連れてってくれよ
後ろから、突いてやるからよ
はい、一緒にね
あのなあ
物質的な欲捨てろ、って
捨てれねえから、困ってるんだろうが‥‥
どうしたら、突き合えるんだよ ?
結婚でもなんでもご随意に
おめえ、なんか、変な操作してるだろ ! !
人の言ってることだけ聴いて、自分のことはまったく教えようとしねえから、むっつり助平と言ったんだよ ! !
わかったよ
何処でも行くから
でも、パスポートないし、飛行機はたばこ吸えねえから、ヤダ ! !
命は暗闇の中の瞬く光だ !
ナウシカの言葉だ
おめえ、光ってんのか ?
このボンクラが ! 
煩いわね


やあね、突き合う、突き合う、って何回も‥‥


わたしだってただの女よ


普通に━━


そうかと想うと、急にナウシカの言葉を突っ込んできたり


ほんと、変な男




おめえ、「ミンタカ」の記憶はあるか ?
おらあ、記憶はないが、それに関する知識はある
澄んだ水の惑星だという
まさに「水の星座」のおらあたちの星だ
「あと1つピースが嵌ると完成する」と言われてるから、それがおめえだといいなあ、と感じたから ! こうして性懲りもなく語りかけてる
大丈夫だ ! ! 今まで以上、これ以上ないほど、おめえを傷つけてやるから ! ! ! だって、傷つかねえとおめえは休めねえだろ ? ? じっくり、のんびり、ヒーリングさせて、経験したことのない癒し・安らぎを味あわせてやるから
君がおらあに「心を開いてくれた」と感じたのはただのおらあの期待感からの想い込みだったのかなあ‥‥


初めて「自分の心の深いところまで入って来ても安心な存在」に出逢えたと感じてたんだけどなあ

人生は毎日が「本番」だ ! 股や胸ばっか掻いてねえで「絵」は描いてんのか ? 準備が出来てるのに進まねえのは高校を卒業したのに大学とか行かねえでまた高校に通うのと一緒なんだと ! ! おめえ、テストとかの点数で区別=差別するのは反対らしいが、絵や版画で最高の私立の木天蓼美大に入ったんだろ ? それはなあ、美術的点数が高かったんだろ ! 落ちたやつからすれば、おめえの才能いうか点数が欲しかったんだよ ! ! ! いいか、ある意味、競争に勝てたから、今のおめえがあるんだよ。おめえがとても過去の経験から傷ついてきたのはわかる。んじゃ、このまま、そのまんまYou Coで生きていくのか ? ? 
女はこの男からのメッセージを読んで、衝動的にブロックをしてしまった


自分がなにを考え、自身がなにを感じているかも、わからなかった、知りたくなかった、わかってしまったら、自分の中のほとんどが崩壊しそうに感じた

女は男の真っ直ぐで純粋な想いに応えたい、答えなければ自分が誠実であるとこれから胸を張って生きていけない気がした


「今まで本当の愛なんて経験してこなかった」と以前、男に吐露した自身の言葉を反芻していた


上を見上げつつ━━

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