第1話
文字数 465文字
「シバさん、こちらの生活には慣れましたか」
介護ヘルパーのミトが声をかけてきた。
「魔法が段々弱くなって、つまらんよ」
ここは魔法技術免許証を返納した老人達が、穏やかな日々を送る為の老人ホームだ。
「魔法の無い生活も良いものですよ」
ミトは笑って他の入居者に声をかけに行った。
「つまらんよ、ロビン」
目の前の男女が宙に浮き上がりくるくるとワルツを踊り出す。
「下手なダンスだな」
誰かの手が肩に触れた。
「起きてください」
「う、ううん」
「どんな夢を?」
ミトは呪文を唱えると、踊る男女は元のうさぎとクマのぬいぐるみに姿を変えた。
「孫に魔法を教える約束だったんだ」
「お孫さんはこちらには?」
シバは首を振ってうさぎとクマのぬいぐるみを撫でた。
「喧嘩はダメですよ!」
鋭いミトの声にはっとする。二人の入居者が呪文を言い合い、火花を散らしている。元々は誇り高い魔法使い同士、譲れないものがあるらしい。
「危ない!」
思わず投げたうさぎとクマが二人の間に割って入り、巨大な壁になった。
「おじーちゃん、すごい!」
孫のロビンが目を輝かせて駆けてくる。
介護ヘルパーのミトが声をかけてきた。
「魔法が段々弱くなって、つまらんよ」
ここは魔法技術免許証を返納した老人達が、穏やかな日々を送る為の老人ホームだ。
「魔法の無い生活も良いものですよ」
ミトは笑って他の入居者に声をかけに行った。
「つまらんよ、ロビン」
目の前の男女が宙に浮き上がりくるくるとワルツを踊り出す。
「下手なダンスだな」
誰かの手が肩に触れた。
「起きてください」
「う、ううん」
「どんな夢を?」
ミトは呪文を唱えると、踊る男女は元のうさぎとクマのぬいぐるみに姿を変えた。
「孫に魔法を教える約束だったんだ」
「お孫さんはこちらには?」
シバは首を振ってうさぎとクマのぬいぐるみを撫でた。
「喧嘩はダメですよ!」
鋭いミトの声にはっとする。二人の入居者が呪文を言い合い、火花を散らしている。元々は誇り高い魔法使い同士、譲れないものがあるらしい。
「危ない!」
思わず投げたうさぎとクマが二人の間に割って入り、巨大な壁になった。
「おじーちゃん、すごい!」
孫のロビンが目を輝かせて駆けてくる。