第1話

文字数 1,578文字

 あんなは、きょうりゅうがだいすきなおんなのこです。おきにいりのきょうりゅうはトリケラトプス。あたまにつのが3ぼんはえていて、とりみたいなくちばしがついています。

 トリケラトプスは、おおむかしにぜつめつしたので、いまはもう「かせき」しかのこっていません。かせきは、いきもののほねがながいじかんをかけていしになったものです。みつかったかせきをくみたてると、おおむかしにどんないきものがいたかわかります。

 あんなは、トリケラトプスのかせきをみつけて、じぶんでくみたてるゆめがあります。まいにち、こうえんやようちえんのすなばで、かせきをみつけるれんしゅうをしています。

 「おかあさん。これ、トリケラトプスのつのかもしれない!」

 あるひ、あんなは、ながくてとがったいしをみつけました。とてもちいさないしですが、いままでみたどのいしよりもとがっています。

 「ほんとうだ、おなじかたちだね。でも、トリケラトプスのつのは、もっとおおきいんじゃないかな?」

 あんなは、うなずきます。
 「もしかしたら、あかちゃんのトリケラトプスかも」

 すると、おかあさんもうなずきます。
 「あかちゃんのつのなら、これくらいちいさくてもおかしくないね。おとうさんにもみせてみようか?」

 「そうする!」
 あんなは、いきおいよくへんじをすると、おふろそうじをしていたおとうさんに、みつけたいしをもっていきます。

 「おとうさん。これ、トリケラトプスのあかちゃんのつのかも!」
 「なんだって? あらってよくみてみよう」
  おとうさんは、あんなからうけとったいしを、こわれないようにそっとみずでながします。

 「ほんとうにちいさいな……でも、こんなにとがったいし、はじめてみたぞ」
 おふろからもどると、あんなはわくわくしながら、きょうりゅうずかんをもってきました。
 「これとおんなじかなぁ?」

 そこには、トリケラトプスのあたまのかせきが、しゃしんでうつっています。
 「よし、2つをくらべてみよう」

 おとうさんはむしめがねをもってきて、かせきのしゃしんととがったいしを、ふたりでのぞきこみます。かせきのしゃしんは、よくみるとひょうめんがざらざらしています。でも、あんなのみつけたいしは、ひょうめんがつるつるでまっしろです。

 「う〜ん。トリケラトプスのつのとはちがうみたいだ」
 「あかちゃんのつのだから、おとなのつのとちがうのかも」
 あんながいうと、おとうさんはくびをひねりながら、ずかんのほうをゆびさします。

 「いや、あかちゃんのトリケラトプスは、つのもそんなにとがってないらしい」
 あんなはがっかりしました。つのだとおもっていたものは、ただのいしだったみたいです。すると、うしろからおかあさんがいいました。

 「もしかしたら、ほかのいきもののつのかもしれないよ?」
 おとうさんも、あんなにたずねます。
 「そうだな。あんなは、このつのをどこでみつけたんだい?」

 あんなは、ようちえんのすなばでみつけたことをおしえました。すると、おとうさんがゆびをパチンとならしました。

 「たしか、あのようちえんのすなばは、うみからもってきたすなをつかっていたはずだ。もしかしたら、このつのは、うみのいきものかもしれない」

 そこで、こんどはうみのずかんをみてみました。「さくいん」というページで「つの」がでてくるところをさがして、じゅんばんにみていきます。

 「あっ、これだ!」
 あんなは、おとうさんがひらいたところをゆびさしました。そこには「ツノガイ」という、ほそながいカイのしゃしんがのっていました。あのいしは、カイのなかまだったのです。

 「すごい! じぶんでみつけたものがなにか、じぶんでつきとめられたね」
 「きょうりゅうはかせのだいいっぽだ!」
 おかあさんも、おとうさんもにっこりしています。あんなもニッとわらいました。
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