文字数 7,381文字

瞼に刺さる日差し、柔らかな音色の潮騒。
そして、何かが私の頬をくすぐっている。
ゆっくり目を開けると、そこには大きな犬
が嬉しそうにしっぽを振っていた。

 き……きゃああああっ           な、なんだいっ! 急に大きな声出して。

 私は驚きのあまり、思わず叫んでしまっ
た。慌てて口を抑えるも遅く、周囲に私の
存在を知らせてしまった。……やだ、隠れ
ていたのに……。

 ポロ、誰かいるのかい?

ポロと呼ばれた犬はくるりと踵を返し、
声のする方へと駆けていった。私はべちゃ  見つかっちまったみたいだね。リティス。
べちゃになった顔を袖で拭くと、扉が乾い  そいつを殺すんだ。
た音をたてて開いた。顔を拭くことに気を
取られていた私は隠れることをすっかり忘
れていた。

 君かな。ポロが舐めていたという人は。

 色白な私とは対照的に、健康的に焼けた
肌、薄い青色の瞳、所々に見える傷痕。そ
してなにより印象的だったのは、柔らかく
落ち着きのある声色だった。

 やぁ、お目覚めかな。かくれんぼしてい
たお姫様……といったところかな。

 私はゆっくりと立ち上がり、小さく頷い
た。男性は爽やかに笑いながら付いてくる
よう言った。私は少し用心しながら彼の後
をついていった。
外に出ると、昨日の様子からは想像もで
きないくらい眩しい世界が広がっていた。   なんだいなんだい。この平和ボケしちま
透き通るように青い海、心地よい日差し、   ったところは……。
楽器のような音色で鳴く鳥たち。その下で
陽気な人たちがコップを交わしながら談笑
をしているのを見ると、私がいたところと
は随分違っているなと思った。コップを傾
けていた人のうち一人が私に気が付き、に
こっと笑いかける。私はどうしたらいいか
わからなくて顔を赤くしながら俯いてしま
った。

 あんまり困らせるなよ。         ふん。飲んだくれが。日の高いうちに酒
                    とはいい身分なこった。
あえ。お前の彼女さんか?

 違うよ。さっきそこで困っていたから案
内をしようと思ってね。

 ああ。そういうことか。程ほどにな。

 彼は手をひらひらさせながら応えると、
とある家の前で足を止めた。ゆっくりと扉
を開け、私を中に入るよう手を動かした。


 ポロ。ハウス。

 ポロはすぐに自分の寝床へと向かい、は
っはと息を吐きながら私をじっと見つめて
いる。……なんだろう。すごく……可愛い。

 自己紹介がまだだったね。俺はガラル。
んで、こっちがポロ。甘えん坊だけどよろ
しく。

 わうっ!

まるで言葉を理解しているかのようなタ   ……なんだい。そんなに見つめて。いざ
イミングでポロが吠えた。少し遅れて私も  となったら呪い殺してやる……。
名乗った。ガラルさんは気にしない様子で
私をじっと見ていた。いや、正確にはこの
首飾りを見ている。

 リティスか、よろしく。ここにはしばら
くいられるのかな?

 私はどう答えようか迷った。ここに辿り
着いたのは偶然だし、そもそも無計画だし。

 ……わからない……です。

 するとガラルさんの表情は更にぱっと明る
くなった。

 そうか。なら、しばらくここにいるとい
い。ここは静かだし、きっと気に入って貰
えると思うよ。

 待ちきれなかったのか、ポロは私に駆け
寄り、顔をペロペロと舐めてきた。
                   
く、くすぐったいよ。ポロったら

 それを見ていたガラルさんはお腹を抱え
て笑っていた。もうと少しむくれていると、
ガラルさんがぽつりとつぶやいた。

 やっと笑ったね。リティス。

 あ……。しばらくの沈黙の後、瞳から滝
のように涙が押し寄せてきた。緊張してい
た糸が音を立てずに切れて視界をぼやけさ
せる。

 ど、どうしたんだい。泣かなくていいの
に……。ちょ、ちょっと待っててくれな。

 ガラルさんはハンカチを私に差し出した。
とてもきれいな刺繍がされている白いハン
カチだった。私はそれで涙を押しつぶすよ
うにおさえた。それでも涙は容赦なくハン
カチを濡らしていく。
 しばらくして気持ちが落ち着いた私は、
ハンカチをガラルさんに返していた。汚し
てしまってすみませんと謝罪をするも、ガ
ラルさんは何のことだいと全く気にしてい
なかった。少し罪悪感とともに感謝の気持
ちが湧いてきた。ガラルさんは何か飲み物
を取ってくるといってキッチンの方へと歩
いて行った。
                    ちょっとリティス。聞こえてるんだろ。リティスっ
  今、話しかけないで。        たら。おい!

 魔女がふいに話しかけてきたことに体が
びくりと動く。慌てて魔女に話しかけない
ようお願いするも、魔女はお構いなしだっ
た。どうしようか困っていると、ガラルさ
んがどうしたのと声が聞こえた。あたふた
しながらなんでもないと返し、その場を凌
いだ。でも、いずれわかっちゃうんだよね。

 はい。お待たせ。ミルクやお砂糖は好き
に使っていいよ。

 持ってきてくれたのは温かいコーヒーだ
った。香ばしくてどこか甘い誘惑に私はそ
のまま口を付けた。鼻を抜ける香りと口
の中いっぱいに広がる深い味わいが私の喉
と心を満たしていく。

……おいしい。

 私はミルクの入った器を手に取り、カッ
プに注いだ。真っ暗な闇が少しずつ晴れて
いくような色に染まっていく。軽くかき混
ぜてから口に含むと、また違った風味に心
が弾んだ。

 リティスってブラックでも飲めるんだ。

 ガラルさんは嬉しそうに微笑んだ。あま
り飲んだことはないけれど、まずはそのま
まを口にしてみたいと返すとまた嬉しそう
に微笑む。笑顔がこれでもかと張り付いた
ガラルさん……なんだか温かいな。

 ねぇ。リティス。落ち着いてからでいい
んだけど……。話してくれるかい。さっき、
君が涙を流した理由を……。

 カップを持っている手に緊張が走った。次   さぁ、思い出してみな。お前が母親を殺したあ
 にあの光景が頭の中いっぱいに広がり、   の夜を……。あの時、母親からなん言われたん
 恐怖から手が足が震えだした。       だっけか?思い出してごらぁん。あの時に抱い
                      た負の感情を……。さぁ、戦え。戦うんだ。リ
 怖い……怖い……いやぁ……        ティス。タタカエ!
                      
 すぐにカップを置いて自身を抱きしめる。
もうすぐそこまで恐怖は迫っていると思っ
た。また私は誰かと戦わないといけないの
かと思うの更に恐怖は色濃く表れる。そこ
に何か頭の上にのった感覚が思考を止めた。
確認をすると、ガラルさんの手があった。

そして傍にはいつの間にかポロがくっつい
ていた。何も言わないポロは私の目をじっ
と見つめて大丈夫だと言わんばかり。

 ……わかりました。話します。     お前っ。絶対に言うんじゃないよ。言っ
                    たら承知しないよ。
魔女の制止を振り切り、私はここへくる
までの間に体験したことを全て話した。そ
れに対してガラルさんは何も発さず小さく
頷きながら聞いてくれた。時々、怖くて言
葉が詰まるとポロが私の膝に顎をのせてく
んくんと泣いている。心配してくれるポロ
の頭を撫で気持ちを落ち着かせながら話し
切った。

 ……そんなことが。辛かったんだね。

 ガラルさんの一言。その一言で心がこん
なにも落ち着きを取り戻すなんて……。私
はすみませんと小さく呟いた。話し終わっ
たとわかったポロは今まで以上に私の顔を
舐めまわした。

 ポロ……ポロったら……あはははっ

 さっきまで私自身重たい表情をしていた
のに、今はポロのおかげで笑顔になれてい
る。私ってこんなに笑えるんだって思った。

 それと、その首飾りのことなんだけど。
実は、こう見えて魔術の研究をやっていて
ね。リティスを見たとき、その首飾りのこ
とも気になってね。

 え。この首飾りのこと、ご存じなのです
か?

私は身を乗り出してしまった。この首飾
りのこと、どうせ誰も知らないものだとば
っかり思っていた。だけど、今私の目の前
にいる人物が知っているとなると、色々と
聞いてみたくなる。

 まあ慌てないで。わかっている範囲で話
していくね。その首飾りは、君も知ってい
るとおり、魔女の儀式を執り行った者がつ
けるものだ。そして、それは代々受け継い
でいくものなんだ。君のお母さんも小さい
ときにその儀式を受けていたと思われるん
だ。

 ……お母さんも……この儀式を?

 俺の仮設が正しければ……だね。だけど、
その可能性は高いんだ。なぜなら、君のお
母さんはその首飾りの声が聞こえてるから
だ。

 ……そういえば、小さい時私とお母さん
しかいないのに、部屋から誰かと話してい
る声が聞こえた気がする。もしかして、そ
れなのかな……。

 たぶんね。そして、それはその家系に受
け継がれていく。君が大人になって子供を
授かったとき、その使命の引継ぎをしない
といけないんだ。

 ……そんな。こんな悲しい思いをさせる
なんて……私にはできない……。

 俺も色々調べてみたんだけど、それを解
呪する方法が見当たらなくて……ごめん。
 そっか……。これは、受け入れるしかな
いんですね。

 私は小さく息を吐いた。もしかしたらと
いう期待もあったけど、やっぱり難しかっ
た。これの解呪が上手くいったら……私は
もう少し違っていたのかな。そんなことを
考えていると、ポロが心配そうな声で鳴い
た。気付いた時にはすでに私の膝の上に顎
を載せながら尻尾を振っていた。

 あんまり重く感じないでくれな。……無
責任なことで申し訳ないけど……。

 いえ。お気遣いありがとうございます。

 するとガラルさんは手を大きく叩き、一
緒に散歩をしようと提案してくれた。こん
なに気持ちの良い日は外でのんびりしよう
と声を弾ませながら身支度を始めた。ポロ
も嬉しそうにガラルさんの後についていった。
私は……本当に一緒に行ってもいいのかなあ。
無意識に首飾りを握ると、魔女の声が頭を
刺した。

 ……っ。いや……私は……。

 なんとか振り切り、魔女を意識の外へと
追いやることができた。そうこうしている
うちに、準備のできたガラルさんが私の手
を引いて外へと引っ張っていく。ちょっぴ
り強引だったけど、優しい手の温もりがそ
れをも打ち消してしまった。

 外は眩しいくらい日差しがたっぷり、頬
を撫でる風も心地よかった。私は背伸びを
すると、爽やかな風が体の隅々に行き渡る
ような気がした。なんだろう。とても心地
いい。

 リティス。こっちに景色が綺麗な所があ
るんだ。おいで。

 私が来た道とは反対側。そこは日差しを
遮ってくれる木々で覆われていた。所々葉
っぱをかき分けながら進むと、見えてきた
のは誰もいない穏やかな海が広がっていた。
来た時みたいに人で賑わっているのも素敵
だけど、誰もいない海もまた違った趣があ
って素敵だと思った。

 どうだいリティス。綺麗だろ。

 ガラルさんが指さした先を見ると、小島
が点在していて、そこにちょこんとある木
がなんとも心を和ませてくれる。こんな光
景、見たことないよ。

 ザッパーン

 何かが水に入る音が聞こえた。音のする
方へ視線をやると、そこにはポロが気持ち
よさそうに泳いでいた。それに続いてガラ
ルさんも海へと飛び込んだ。水しぶきが私
の手や足首にかかり、ちょっとだけ冷たか
った。けど、今日みたいな日には丁度いい
のかな……。

 あ、リティス。バッグの中に入ってる
ボールを投げてくれるかい?

 私はガラルさんのカバンを探しているとカ
ラフルなボールを見つけ、それをガラル
さんに向かって投げた。投げたボールはポ
ロとガラルさんの間に着水して、場所を予
見していたポロが泳いでボールを咥えた。
それを泳いで私の所まで持ってきてくれた。

 ありがとう。ポロ。

 ポロがボールを離すと、尻尾を振って
その場で待っていた。……投げればいいの
かな?私はさっきよりも力を込めてボール
を投げた。ボールが着水するよりも早く、
ポロは海に飛び込み、追いかけた。投げて
数秒後、ポロはボールを咥えて今度はガラ
ルさんの所へと運んで行った。ポロからボ
ールを受け取ったガラルさんは、沖の方へ
とボールを投げた。綺麗な放物線を描いた
ボールは太陽に照らされて一瞬見えなくな
るも、着水音のあとに目視ができるように
なるとポロは楽しそうにボールを追いかけ
た。
 何回かそのやり取りをしていると、先に
ガラルさんがこちらに向かって泳ぎだした。
ポロもその後に続いて泳ぐ。私はカバンか
ら大き目のタオルを取り出し、ガラルさん
に手渡すと自分よりポロを拭き始めた。あ
る程度拭き終えると、今度こそ自分の頭や
体を拭いた。拭き終えたポロの顔はもう少
し遊びたいなという色で溢れていたが、ガ
ラルさんはごめんなと言いながら頭を撫で
た。
 しばらく木陰で休んでいると、今までに
起きたことが嘘のように思えてきた。あん
なに嫌なこと、苦しいことがあったばかり
だというのに、今はその出来事を塗りつぶ
してくれるような陽気、そして……。

わうっ!

 ポロが私の洋服をくんくん、そして顔を
舐めまわす。くすぐったいけど、今はとて
も嬉しい。

 ポロったら……くすぐったいよ……

 嫌がっている素振りをしているけど、本
当は嬉しい気持ちで溢れている自分が少し
だけおかしかった。それに、こんなに笑っ
たのってどのくらいぶりだろう……。いく
ら思い出そうとしても、こんなに笑ったと
いう記憶は思い当たらなかった。

 さて、そろそろ帰ろうか。気分転換はで
きたかい?

 はい。とても素敵な場所を案内してくだ
さってありがとうございます。

 荷物を手早くまとめて、ガラルさんが立
ち上がるとポロのそれに倣ってすっくと立
ち上がる。本当に息がぴったりでいつ見て
も驚いちゃう。私も立ち上がり、ガラルさ
んの後に続く。と、その時だった。背後か (ほう……リティスはここにいるのか)
ら誰かの視線を感じた私は、すぐに振り返
る。でも、そこは穏やかに揺れる波の音し
かなかった。

……誰なの。私を狙っているの……。  (もう少し情報が欲しい)

リティス。どうしたんだい?      (もうしばらく泳がせようか)

 確かに視線を感じたのに……一体誰なの
だろう。私はガラルさんに何でもないと言
い、再び足を動かした。何も起こらないと
いいけど……私は小さく呟いた。

 その日の夜。私は寝苦しさを覚えて目
が覚めた。丁度私のお腹に顎をのせて気持
ちよさそうに寝ているポロを起こさないよ
うに動くと、外の空気を吸うため扉を開け
る。外はきらきらしていた昼間とは真逆で、
月明かりがないと見渡せないくらい闇が深  いつまでぼーっとしてんだい。こっちは
かった。ぼんやりと月を眺めていると、ふ  腹が減ってイライラしてんだよ。いい加減
いに、魔女の声が響いた。         にしないと、あの人間どもを食っちまうよ。
                     
 っ……なんで……
       
魔女は不機嫌な声色で続けた。       そりゃそうだろ。いつまでも力を使わな
                     いんじゃ、強制的に使うしかないだろ。さ
……そんなこと……しないで……お願い   ぞ、いい悲鳴を聞かせてくれるに違いないね。
                     
私が言ったことを拒絶するかのような嘲
笑に加え、時期にわかるとだけ言って私の   はっ。そんな甘っちょろいことばっかり言って意識の中から消えていった。         ると先にあんたの魂から食ってやるから。それ
                      もいきなりね……あはははは。
 ……どうしよう。どうしたら……

 私はすっかり魔女の言葉に怯えてしまっ
た。私はまたあの力を使わないといけない
の?……いや……そんなのいや……。

 リティス……? どうしたんだい。

 いつもの優しい声ではあったけど、私の
耳に入ってきた声は、それに加えて悲しさ
も含まれているように聞こえた。

 ガラル……さん?

 ガラルさんは外に出た私を心配して、様
子を見に来てくれたみたい。そうしたら、
私が魔女と会話をしているの見て……とい
う流れみたい。

 私……もしかしたら……ガラルさんたち
を……

 まぁ、今は落ち着きな。ほら、見て
ごらん。まんまるで綺麗じゃないか。

 ガラルさんが指さした月を見つめる。さ
っきも見たはずなのに、今はゆっくり眺め
ることができた。
 私が月を見つめている間、ガラルさんは
飲み物を持ってきて私に差し出した。程よ
く温かいミルクだった。抱え込むようにカ
ップを持ち、さっき魔女に言われたことを
ガラルさんに伝えた。本当は言うのも怖い
はずなのに、温かいミルクのおかげか違う
理由なのかはわからない。けど、言わない
ときっとガラルさんにたくさん心配をかけ
てしまてしまうから。言い終わり、ミルク
を口に含むと、じんわりと伝わる温かさに
気持ちはだいぶ落ち着いてきた。ガラルさ
んは私の話に突っ込むことなく、全部を聞
いてくれた。するとガラルさんはそっかぁ
と言い、私の頭に手を置いた。

 なに。俺がそんなことさせない。そうな
る前に俺が解呪できる方法を探すから。そ
の間、リティスには苦しい思いをさせてし
まうかもしれないけど……待っててくれる
かな。

 ガラルさんの一言一言が心に沁み込んで
いく。会ってまだ間もないのに、そこまで
心配をしてくれるなんて……私は小さく頷
いて応えた。私もそれまでは魔女の力を抑
え込まないと……できるかわあらないけど、
ガラルさん、ポロそしてこの街にいる人た
ちを巻き込みたくない。その為にも私も頑
張らなくはいけない。

 気分が落ち着いたら戻っておいで。俺は
先に戻ってるから。それじゃまた明日。

 ガラルさんは家に戻り、静かに扉を閉め
た。私はもう少しこの綺麗な月を見てから
戻ろう。こんなに真っすぐ月を見上げるこ
ともないだろうし。
 気持ちに一区切りついたところで、私は
家の中に戻った。そこにはなんだか嬉しそ
うな夢を見ていそうなガラルさんとポロの
寝顔があった。
                     (今に見てろ……リティスめ……)


                     (あんたに絶望をくれてやるからな……)


                     (それまで、精々生きるんだな)
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