プロット

文字数 2,051文字

起)主人公の蜜月(ミツキ)と柚月(ユヅキ)は双子の少女。しっかり者のミツキと好奇心旺盛なユヅキはいつも一緒。小学生最後の夏に、高校生の兄風月(霊感持ち)と下北沢の夏祭りに来ていた。
電車の中で双子は、風月から「あやかし夜市」という都市伝説について聞かされる。異界のお祭りに迷い込んだら神隠しにあってしまうという。「噂でしょ?」「だといいね」と意味深に笑う風月。
毎年行われる夏祭りに、今年は人気バンド「セクステット」がパフォーマンスをするという。下北沢についた三人は、狐っぽい店主の露店で狐の根付けを買ったり、着物姿の女性の店で手作りのお面を買ったりと祭りを堪能する。ライブの時間になり、三兄妹はパフォーマンスを楽しむ。子供だけの客は珍しいのか、ボーカルのセレナーデにファンサービスをしてもらい大喜びする。

承)夕方になり、そろそろ帰ることに。商店街から駅に向かう途中、双子は風月とはぐれてしまう。
彷徨っていると、なんだか不思議な雰囲気のお祭り会場に迷い込んでしまった。和風な街並みに違和感を覚える双子の前に、顔のない女性が現れる。怯える双子にのっぺらぼうは持ってるお面をつけたら、人間であることはばれないこと、この世界の食べ物は「ヨモツヘグイ」になるから食べてはいけないことを教える。二人が入ってきた門は閉じてしまったから、迎えが来るまでお祭りを見て回るといいとも。「なんで優しくしてくれるの?」「そのお面、私の妹が作ったモノなの。これも何かの縁でしょう?」と言い残し、のっぺらぼうは迎えを呼びに行く。
のっぺらぼうの助言どおり、お面をつけて夜市を見て回る二人。夜市を回っていると、鬼にぶつかってしまいお面が取れてしまう。人間で、双子であるとバレてしまい妖に追われてしまう。妖達の話では「人間の双子を食うと霊力が上がり神に近づける」らしく、血眼になって追いかけられる。

転)袋小路に追い詰められ、絶体絶命の双子。後ろの壁がうち開き戸で、中から伸びてきた手に引っ張られる。驚く双子の耳に、妖達の声が遠ざかっていくのが聞こえた。助けてくれたのは柔和な男性だった。男性はヒサメと名乗り、双子を屋敷の中に案内する。「双子を食べたら霊力が上がるなんて迷信に過ぎないのに」とヒサメがぼやくのが聞こえ、違うのかと思うミツキ。
「追われ続けて疲れたでしょう?」とヒサメはお菓子をふるまうが、のっぺらぼうの言葉を思い出し双子は口をつけない。
この食べ物は現世のものしか使っていないから、ヨモツヘグイにならないとヒサメがいうが、いまいち信用できないミツキ。(でも、食べないと帰してくれなさそうだし……)と意を決してミツキがヒサメの目を盗んでユヅキの分までお菓子を食べる。
「ゆっくりしていって」と言い残したヒサメは部屋を出ていく。
「ここから逃げ出そう、なんだかあの人は信用できないよ」「わかる……笑ってるけど笑ってないよね」と話し合い双子は屋敷を出ようと廊下にでる。隠れながら出口を目指す双子。玄関が見えてきたが、そこにはヒサメが立ちふさがっていた。まずいと思う前に、ヒサメが片手を上げた瞬間、ミツキの意識は途切れた。

結)目を覚ましたミツキ。ミツキは座敷に転がされていて、目の前ではユヅキがヒサメに捕まっている。ヒサメは「人間の双子」に関する噂の真相を教えられる。「双子の片方を食べ、もう一人と契りを結ぶことで力を得て神に近づける」というのが真相。ミツキを食べ、ユヅキと契りを交わそうとするヒサメは、刀を手にしている。振り下ろされる刃に、絶体絶命のミツキのポケットから白い狐が飛び出てきてヒサメに噛みつく。「この魔除け狐、まさか……!!」と心当たりがある様子のヒサメ。そこに登場する狐のような店主とセレナーデ。店主はニノマエと名乗り、セレナーデとコンビを組んでモノノ怪狩りをやっているという。のっぺらぼうから双子が迷い込んだと聞き助けに来たとのこと。白い狐は双子に売った狐の根付に忍ばせていた魔除けのおまじない。
鉄扇を使った体術を使ってヒサメと戦うニノマエ。セレナーデは声(言霊)を使ってニノマエのサポートをする。圧倒される双子だが、ヒサメがニノマエとセレナーデの隙をついて何かをしていることに気付く。ヒサメが反撃する直前、双子が残ったもうもう一つの根付を投げつけた。ヒサメが準備していた術は解除される。分が悪くなったヒサメは煙幕を使って逃げ出した。「ありがとうございます、お二人のお陰で助かりました」「もう大丈夫だからね。だから、ゆっくりお休み」セレナーデの声を聴いた双子は眠くなってしまう(言霊の効果)。
双子は泣きそうな風月に起こされた。あのお祭りから三日たっていて、その間双子は行方不明になっていた。風月は半透明な狐に案内されて二人を見つけた。「あやかし夜市に行ってきたんだよ」「モノノ怪狩りさんたちが助けてくれたんだ!」そう言って笑うミツキの目には、ヨモツヘグイの影響で今まで見えていなかった霊的なものが見えるようになっていた。
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