君へ。
文字数 379文字
陽炎に揺られる彼女を美しいと思った。
永遠にこの時が続くようにと願った。
君と過ごした時間はとても大切なものだ。
短い時間だったかもしれないけど、僕の記憶にしっかりと残っている。
真夏の夜に電話で喧嘩したことも、
家を抜け出して深夜に公園で駄弁ったことも、
君の誕生日にプロポーズしたのも、
美しい君の横顔も。
全てが、本当にただの君が好きだったんだ。
君との初めてのキスも、アレも。
全てが愛おしかった。
君がこの世から去ってしまった。
長い闘病生活からやっと解放されたんだ。
正直、もうちょっと君といたかった。
ちょっとって言うかずっと。
一生、一緒にいたかった。
やっぱり君は美しかった。
最後に「ありがとう、愛してる」だなんてずるいじゃないか。
まだ僕は君といっぱいしたいことがあったのに。
君がいない世界なんて考えられない。
君がすべてだった。
ゆっくり眠っておくれ。
ありがとう、愛してる。