第1話

文字数 460文字

週末、多少の疲れはあるものの、頭はとっても冴えていて
私は洗い物をしながら、鼻歌を歌う
なんたって明日は、一週間ぶりに君と会えるんだから
ソファーに深く沈み、何時に何処で何をしようかって
君と私の見えない心の距離の中を、沢山の文字が飛び交い、その隙間を埋めていく
さて、明日も早いからそろそろ休もうか?と問うと
「もう少しだけ話したい」なんて帰ってくる
仕方ないな、なんて言いながらニヤけた顔は、私だけの秘密

ふと、台所から電子音がした
しまった。明日はお弁当は要らないんだった。ついつい平日通りに、お米を炊いてしまった
炊飯器に表示された時間は24時50分
いつもはこのあと、お弁当箱にご飯を詰めて冷やすんだけど…
そうね…。これは明日、君と一緒に食べようかな
小さなおにぎりを二つ作って、卵焼きも添えて
「明日、楽しみにしていてね。おやすみなさい」
それだけ告げて、私は二人のお弁当作りをしてから寝るんだ
絶対、喜んでもらえる。自信がある。たまたまだけど、君に何か出来るきっかけが出来て嬉しい
ああ、明日が楽しみ。君からの「美味しい」を、早く聞きたい

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