第1話
文字数 219文字
愛が可視化されないのがどうしても不安で。だからといって、性行為や贈り物で表現される愛は苦手で、どうしても飲み込めなかった。
もし、あなたからの愛が形として可視化されるのなら、
手にとってその質感や温度を堪能したあと、
包丁で微塵切りにして、
すこしずつ頬張って、
何回も何回も咀嚼して、
ごくりと飲み込むその瞬間まで甘美さをわすれずに、
わたしの体内で融かしこむのに、と思う。
そのような微かに病のような妄執に、私は囚われてしまっている。
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