第1話

文字数 1,014文字


起)
 鶯中学に進学した岡千尋は、あこがれのソフトボール部へ入部する。しかし、古豪であるはずの鶯中学ソフトボール部は部員数の減少から廃部の危機に晒されていた。千尋の働きかけで、廃部の危機は免れたが、入部してくれた彼女たちの目的は、鶯中学の「必ず何かの部活に所属すること」という校則から逃れるためだけであり、まるで練習しようとしない。彼女たちは小学生クラブチーム時代に最大のライバルチームに屈辱的な敗北を喫しており、元エースの山尾未久をはじめ、彼女たちはみなソフトボールに対して反抗的な態度をとっていたのだ。

承)
 一人黙々と練習を続ける千尋の前に、国語の友利雄大先生が現れる。友利はやる気のない部員たちに友利はある提案をする。それは、一打席対決で千尋が未久からホームランを打てば必ず練習に参加する、というものだった。その日から、千尋は友利の元で猛練習を重ねる。
 対決当日、千尋は苦戦を強いられるも、見事、未久からホームランを打つ。そこで、未久たちは涙ながらにソフトボールへの熱い思いを打ち明ける。友利は未久たちのライバルクラブチームのメンバーが多数入部した岡地中学の打倒を掲げる。そして、千尋と未久たちの猛練習が始まった。

転)
 猛練習の甲斐あり、新人戦を順調に勝ち上がる鶯中学ソフトボール部。そして、ついに準決勝で岡地中学と対決する。千尋たちは必死で食らいつくも、千尋のミスもあり、結果は惨敗。未久たちはクラブチーム時代の苦い経験を思い出し、仲間割れを起こしてしまう。
 再び振り出しに戻ってしまったソフトボール部。千尋も未久たちに再結集を呼び掛けるも、応じてくれず、練習もうまくいかない。そんな中、友利は千尋たちに自らの過去を語る。友利は男子ソフトボールの元日本代表だったが、怪我で引退を余儀なくされていた。仲間たちとソフトボールができる喜びを改めて思い知った千尋たちは、再び奮起。夏の大会でのリベンジを誓う。

結)
 夏の大会。鶯中学ソフトボールは圧倒的な強さで決勝まで勝ち上がる。そこで待ち受けるのはやはり岡地中学。準決勝で負った怪我の痛みに耐える未久であったが、岡地中の猛攻をしのぐことができない。千尋も相手エースの速球に全く手が出ない。あきらめムードが漂うも、必死に戦う未久の姿を見た部員たちは奮起。千尋の逆転サヨナラホームランで見事、岡地中学を撃破する。全国大会への切符を手にした千尋たちは、友利の元再び練習に励むのであった。
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