第1話 その認識と存在

文字数 841文字

人間の認識は、生命の存続の為には絶対不可欠なものであり、仮に周囲への認知が出来ない生物として人間が生きているとすれば人と人は只の物体として扱われたであろうか。

そこにものがあると認識出来れば当該生物は障害物として認識するか、外敵として排除されたであろう。

「おはよう・・・では、又。」
此れは相手を認知した上での挨拶だが、認識力が全くない人間にとってはそれすら現実では無いのだ。
誰か、何かを差し示すことさえできない。

人、動物。虫。空、海、陸、太陽etc目で追う物が何もない。
認知の出来ない生物には知識が存在せず、能力も存在しないかもしれない。

火、道具、電気、ガス、水道、家、車。この世を無くす為に必要なものは一個人の認識であると思えないだろうか?

全ての認識を消してしまえば世界は存在の体を無くし、現実さえも存在しえない。



其れを死という言葉に置き換えてみると死とは何か。

命が無くなる事、生命活動が止まること。あるいは滅ぶ事。命を無くした状態、生命活動が止まった状態、滅んだ状態。其れは認識が無くなった状態ではないだろうか?
また無くす認識が、生まれた時からなければ、既に人類は死の状態にあると言えないだろうか?

滅んだ状態であると言えないであろうか?

人が人としての役割を持たず、生きている価値に気付かない世界。

無知であるとともに感情も生まない。
其処に人間という物が存在していない世界は既にこの社会が崩壊している状態と同じではないだろうか?

全てのものがそこにある事を誰も気付かない地球は生命の宿る星では無くなるのではないだろうか?

1つの命に認識が手段を講じる事でこの世界は作られているのだ。
其れが無いと言う事こそ全ての人間の死というものではないかと私は考えるのだ。

詰まり、人間が死という創造物を作る事で認識が無くとも人間がそこに存在し得る証明をした事にならないだろうか、終えない生命力を其処に残したのは人間の認識でありその生命力は命をも踏破したと思えるのだ。

次の話では、もう少し深堀したいと思う…
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