第1話 バズらせ屋

文字数 971文字

 私はバズらせ屋。‬
‪ どうしてもバズりたい人をバズらせる勝利の女神。‬
‪ 実は公的な存在なのでは、という噂もあるけども、そのへんは秘密。‬
‪ 私は終わらせることを生業にしているけど、バズりたい人にとっては始まり。‬
‪ 二重丸というよりも、3つの丸を持った女神なの。‬
‪ はいはい、どんなクソネタでもバズらせるから。‬

息クサくない日に限って休日。‬

‪ はい、これもバズるから。‬
‪ 私の力を使えば、余裕でバズる。‬
‪ この調子でどんどんいくから。‬

‪今年のクラス目標が‬
‪『自分たちが犬ということに甘えない』になった。‬

‪しゃがんだ人間がオナラするとは限らない、と、‬
‪夫から真顔で言われた。‬

‪姪が「ギロ買ってほしい」と言うんだけども、‬
‪何故か棒は既に持っている。‬

‪ はい、こんな嘘松も必ずバズらせます。‬
‪ どんどんどんどんバズらせていく。‬

‪子供が「トマト祭りあったら、ご飯持って出動する!」と言ってたら、‬
‪夫が子供に近づき、バカなこと言うなって叱ると思ったら、‬
‪「ご飯よりパンのほうが合う」と言った。‬

‪友達氏‬
‪「昇龍拳するとオナラしちゃうヤツがいたら、‬
‪ それがもうパブロフの犬になって、‬
‪ ただオナラするだけでも出始め無敵になるようになるよな」

妻が唐突に
「ビールかけって、何時からしていいの?」と言った。

ヤバイ。
紙芝居のおじさんが最近セグウェイで来る。

桜の曲が流れてくる季節になると思い出す、
妻が言った名言。
「春だからなんやねん」

隣の友人は今、
釣りをしているのか寝ているのか分からない。

 はい、ここまで全部、私に掛かれば必ずバズります。
 私を使えば、どんなくだらないことでもバズります。
 でもここまで言って、一切バズらなかった私、っつって。‬





Ⓝ Ⓝ Ⓚ
制作・著作
─────
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み