プロット

文字数 3,885文字

あらすじ
 愛奈は小学六年生。占いであと1年しか生きられないと言われる。寿命を延ばすために不思議な水晶を占い師から渡される。これを使うと寿命のポイントが増えて長生きできる。ポイントは水晶計で見ることができるので、どの程度延びたのか分かる仕組みだ。生きるために水晶を使って「いいこと」をするように言われる。

 水晶に書いてある曜日が擬人化して漢字となる。7人のイケメン男子は愛奈の良きアドバイザーになる。(日月火水木金土)がそれぞれ合体または部首となってひとつの漢字となる。透明な何も書いていない水晶に漢字の一部を書き、曜日と合体させてもいい。4つの水晶(曜日の2つと透明の水晶2つ)を使って熟語を作ってもいい。何も書いていない水晶に自分で文字を書いて漢字や言葉を作ってもいい。

 困っている人を救うために、漢字の水晶を渡すと、その人が幸せになる。結果、愛奈の寿命が延びる。

(漢字の組合せ例)
※相手の足りないものを漢字で補う。
 
日と月で明。(暗い気持ちになっている人に明るくなってもらう)。
月に干で肝。(肝が据わっていない自信がない人や就職試験の面接に行く人に渡す)。
口と木で呆。(どうしようもない交際相手に呆れてしまう。なかなか縁を切れない人に使う)。
森林。(木の水晶を使うが、足りない場合は、何も書いていない水晶に書き足す)

※キャラクター(全員イケメン)
それぞれの髪の毛の色(洋服も基本イメージカラーを基調としている)がイメージカラー。性格や容姿の説明。
日(赤色)強く元気でヤンチャな赤髪サラサラ男子。
月(黄色)少し影のある落ち着いた男子。
火(オレンジ色)熱血で情に厚い。髪は短髪で逆立つ。炎のようなイメージ。
水(水色)クールで冷静で頭脳明晰。少し長めの髪。
木(緑色)癒し系。マイナスイオンを纏う。
金(金色)金色のオーラに包まれた派手な男子。
土(茶色)地味な見た目だがしっかりもので堅実。




起) 愛奈はあと1年しか生きられないと占い師に言われる。気楽な気持ちで占いをしたのに、そんな事実をつきつけられて唖然とする。しかし、不思議な占い師が渡したのは水晶がたくさん入っている袋だった。手のひらに握ることができる野球ボールのような透明水晶。

 7つだけ色のついた半透明の水晶が入っていた。そこには日月火水木金土と書いてある。日は赤色。月は黄色、火はオレンジ色、水は水色、木は緑色。金は金色、土は茶色だ。水晶はビー玉の大きい感じのイメージ。

「この水晶に書かれた7つの曜日が擬人化します。彼らはあなたを守ってくれます」
 占い師は言う。
「曜日が擬人化?」
「たとえば、日と月が合体すれば明になります。それを渡すと相手は明るい気持ちになります。そうすればあなたにはいいことポイントが増えます。いいことをすればするほどポイントが増えて寿命が延びるのです」
「具体的にはどれくらい延びるのですか?」
「水晶計が入っています。水銀の温度計のようなものなのだけれど、そのポイントが増えると自分の命が延びるという設定になっています」
「減ることはあるのですか?」
「基本的にはあまりありませんが、あなたが水晶を悪用したり、相手を不幸にしてしまうとポイントが下がるかもしれません」
「1日何回使えるのですか?」
「1日何回でも使えますよ。あと、何も書いていない透明な水晶は、あなたがマジックペンで漢字を書くのです。そして、曜日の水晶と合体してください。そうすると一つの漢字になるのです。2つ使って熟語を作ることも可能です。困っている人を見つけたら、足りないものを補う漢字を考えて与えるのです。もちろん、何も書いていない水晶に言葉や漢字を書いても有効です」

 愛奈は自分の部屋に帰る。半信半疑の愛奈。しかし、水晶の袋からは、同じくらいの年齢のイケメン男子が7人も出てくる。言葉が出ない。

「君の寿命はあと1年。事故か何かで死んでしまう。それならば俺たちが手伝おう」
 赤い髪の日が言う。正義感の強いヒーローのような感じがする。

承)「まずは俺を使ってみない?」
 髪色も服も緑色の木が優しく囁く。

「どういうこと?」
「俺は木だ。つまり、栄という漢字に変わることができる。君は透明な水晶に栄の上の部分を書いてよ」

「愛奈がよく行く書店が赤字経営で閉店しようかという話があるんだろ。俺は情報通だからな」
水がクールな顔で全てを知っているかのように見つめてくる。
少しばかりどきりとする。

「噂だけどね」
 その噂は知っていた。いずれ店を閉めるだろうという話だ。今の時代、電子書籍とかネット通販がたくさんあって、老舗の昔ながらの小規模な書店は繁盛していない。幼い頃から通っていた書店には残っていてほしい。名残惜しい気持ちになる。多分、近々本当になくなるだろう。

「書店の店主に渡してこい」
 金のオーラの金が命令口調で囁く。

「でも、渡しちゃったら木はいなくなっちゃうの?」

「大丈夫。透明な水晶に魂を入れているだけだから。俺らはいつもおまえの傍にいるよ」
 アイドルのようなかっこいい男子に言われる甘い言葉。急なことで戸惑う。こんな幸せでドキドキすることが起きるなんて、人生わからないものだ。

 書店の店主のおばあちゃんに透明な水晶を渡す。そこには愛奈が書いた字と木が合体した栄が記されていた。

すると――その瞬間水晶が光を放ち弾けた。おばあちゃんは驚き不思議な顔をする。老眼鏡で手元を確認するが、水晶はなくなってしまった。

「何の手品かい?」
「これは、おまじないです。このお店にたくさんお客さんが来るようにって」

 早速、買いたいと思っていた小説を購入する。狭い店内だが、児童書の品ぞろえは割といい。近所の子供たちは月刊誌や週刊誌を購入することもあり、割と漫画雑誌の種類も多い。

「今はコンビニやネットの時代だからね」
 店主はためいきをつく。

 すると――予期せぬことに、お客さんが次々やってきた。
「ここにあった!! この人気漫画なかなか手に入らないんだよね。ネットの書き込みで全巻置いてあるって書いてあったから、来た甲斐あったよ」
 大人買いというやつだ。全巻購入の20代くらいの男性。

 次にやはり同じ人気漫画全巻を購入したいという女子大学生が来た。「小さな書店は穴場だな」と言ってすぐに購入。

さらに、探していた絵本がなかなかなくて諦めていたけれど、ここにあると書き込みで見つけたという母子。

 次から次にやってくる。初めて見る顔ばかりだ。

「情報社会には拡散だよね」
 擬人化している木が優し気に囁く。

「ほら、寿命のポイント上がったな」
 日が笑顔で見せてくれた。50ポイントはあがったようだ。

「やった!!」
 店主のおばあちゃんの笑顔は久々だ。人のためになにかをやるって気持ちがいい。

転)
日(赤色)強く元気でヤンチャな赤髪サラサラ男子と月(黄色)少し影のある落ち着いた男子が現れる。
「暗い顔してる君に明るい光をあげるよ」
「なによ?」
「デートしよう」
「とはいっても、あなたたち人間じゃないし、合体してようやく一人前じゃない」
「俺じゃだめか?」
 現れたのは、赤と黄色が混ざったオレンジ色の髪の毛をなびかせた美しい男子だった。
「俺は、人を元気にする力を神様から授かっている。行くぞ」
 手を引っ張られる。デートは楽しい。あと少しの時間だなんて一瞬でも忘れられる。

「さて、君のいいことポイントをあげるために俺たちが協力するってことだよ。二人が合わさって明になるから、あきら、と呼んでくれ」
 たしかに、私はどんくさいし、気が利くようなことを思いつかないタイプだ。いいことポイントをあげないと私、生きられないんだよね。

「あれ、まいちゃんじゃない?」
 街を歩いていると読者モデルをしている友達に出会う。スカウトされて、有名な人気雑誌に掲載されていると聞いた。まいちゃんは自信がないようだった。

「声をかけてもらったけれど、私なんかが読者モデルやってていいのかな。自信がなくって。お母さんも喜んでくれたんだけどさ」

 明が耳打ちする。
「金の水晶に右側が鏡になるように、もう一つの水晶に書いてみてよ」
「つまり、鏡という水晶をつくれってこと?」
「そうだよ。この水晶には特別な力がある。自信がない人が鏡をのぞくと、自信がみなぎるんだ」
 さっそく、水晶に文字を書き、鏡が現れる。鏡を渡す。
「何これ?」
 渡した瞬間、鏡をみたまいちゃんはあっという間に笑顔に変わった。
 「私、できそうな気がする。今日はなぜかやる気と自信が沸いてくるよ」
 幸せそうにモデルの仕事に行ったまいちゃんを見て、水晶計の数値も上がってることに気づく。魔法の鏡はいつのまにか消えていて、水晶玉に戻っていた。

結)明と帰宅している時に、怪しいおじさんに追いかけられていた少年を見かける。この辺では有名な変わったおじさんだ。明はすかさず「火の水晶に右側は爆という字になるように暴と書いてくれ」
 水晶玉は黄金の光を放ち、おじさんは目をつむる。水晶玉をおじさんの方に投げるように言われた私が投げると、花火のように爆発してしまった。その瞬間に少年は逃げることができたようだった。また水晶計のポイントが上がっている。

「私、確実に長生きできる?」
「現状はな。でも、今後、まずい使い方をしたら水晶計の値は下がることもある。水晶の間違えた使い方は許されないからな。あと、自分で考える力を身につけろ。いつまでたっても自立できないだろ」
 いつも明るい明だが、この時ばかりは視線は鋭い。

 このまま謎のイケメンたちと私はいいことをやって生きていけるのだろうか。
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