第1話

文字数 1,534文字

 こころちゃんは、あるひ、てちょうをみつけました。
 おおきなスーパーの、おかしうりば。
 そこに、てちょうはおちていました。
 シールがたくさんはられた、てちょうです。
 こころちゃんも、いえに、じぶんのシールてちょうを、もっています。
 なかをみてみると、こころちゃんが、みたことのない、シールが、たくさん。
 かわいいどうぶつのシールや、おひめさまのきれいなシール。
 どのシールも、きらきら、ひかっています。
 シールてちょうの、おもてと、うらの、えも、すてきでした。
 おんなのこが、シールてちょうをもって、わらっている、えがかいてありました。
 うらがわには、おんなのこが、どうぶつとあそんでいる、えが、かいてあります。
 こころちゃんは、どうしてもそのてちょうを、じぶんのものに、したくなりました。
 でもおかあさんは、くびをふって、いいます。
「だめよ。これは、だれかの、もちものなんだから」
 そのとおりでした。このふしぎなシールてちょうは、こころちゃんのものではありません。
 だれかが、ここにおとしてしまった、ものなのです。
 きっとこのてちょうのもちぬしは、てちょうをなくしたことにきづいて、ないています。
 こころちゃんは、きめました。
「あたし、このてちょうのもちぬしを、さがしてみるっ」
 こころちゃんは、てちょうをてに、サービスカウンターに、いきました。
 おみせのふくをきた、おねえさんたちがおはなしを、しています。
 こころちゃんは、てちょうをてに、たちどまりました。
 おねえさんたちに、どう、はなしかければいいのか、わからないのです。
 はずかしくなって、こころちゃんは、てちょうを、ぎゅっとにぎりました。
 すると、てちょうから、ひらひらと、なにか、でてきました。
 それは、シールのかたちをした、ちょうちょでした。
 ちょうちょは、おねえさんたちのところへ、とんでいきました。
「あら、いらっしゃいませ」
 ちょうちょのおかげで、おねえさんたちは、こころちゃんにきづきました。
 おねえさんのひとりが、こころちゃんのところへやってきます。
 そして、こころちゃんとおなじめのたかさに、なってくれました。
「どうしたのかな。まいごになっちゃったかな」
 こころちゃんは、ぶんぶん、くびを、よこにふりました。
 はずかしくって、ことばがでてこないのです。
 こころちゃんは、おねえさんに、シールてちょうを、みせました。
 おねえさんはさいしょ、びっくりしたかおを、しました。
 ですが、すぐに、わらっていいました。
「もしかして、このてちょうを、とどけてくれたのかな」
 こんどは、こころちゃんは、くびをたてにふりました。
 おねえさんは、こころちゃんにいいました。
「おとしもの、とどけてくれて、ありがとう。えらいね」
 そういわれて、こころちゃんは、あったかいきもちになりました。
 からだが、ぽかぽかします。
「それじゃ、おとしたひとを、さがしてみましょうね」
 おねえさんは、おみせのマイクで、ほうそうしてくれました。
 すぐに、ないているおんなのこと、そのおかあさんがやってきました。
「あなたが、ひろってくれたの? ありがとう」
 おんなのこの、おかあさんがいいました。
 こころちゃんは、また、あたたかいきもちになりました。
 おんなのこは、こころちゃんから、シールてちょうを、うけとりました。
 ないていた、おんなのこの、かおが、えがおになりました。
「ひろってくれて、ありがとう。これ、あげる」
 おんなのこは、こころちゃんに、シールてちょうのなかの、シールをくれました。
 こころちゃんは、シールてちょうのもちぬしを、さがしてよかった、とおもいました。
 こころちゃんに、ともだちが、ひとり、ふえました。
 
 おわり
 
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