第3話 社員食堂

文字数 613文字

亜紀と崎田美鈴は向かい合って昼食を食べている。
あぁ~くっそ〜。負けてたまるかぁ
まぁまぁ、落ち着きなさい

アンタが今度のプレゼンで戦う敵は、矢島さんじゃないっつ~の

そうだけど……はぁ〜
そんなため息つかないの!
…なんで私にだけあんなに厳しいのかな?
期待されてるって事でしょ?
私…この5年間、1度も褒められたことないし…

ねぇ、信じられる? 5年だよ、5年。この際、斉藤くんが言うようにパワハラで訴えちゃおうかな~

はいはい、どうせそんなこと出来ないクセに
もう~。

私だって少しぐらい褒められたいよ。

私が「褒めたら伸びる子」って、気付いて無いのかな~
「褒めたら調子にのる子」って、気付いてるんじゃないかな…
ちょっと、美鈴…
ごめん、ごめん。

まぁそんな贅沢な事言わないの。

あの矢島さんがアンタを褒めちぎった日には、この会社の全女子社員から刺されるわよ

なんでよ〜。

ボロクソ言われ続けて、はや5年。

その辺の女子社員ならとっくの昔に辞めてるよ

確かにね~。

会社イチのイケメン矢島は別名「仕事の鬼」って有名だしね。

亜紀はよく頑張ってるよ。

あと一週間、辛いだろうけどがんばれ!

ありがとう美鈴〜。

終わったら絶対飲みに行こうね

もちろんよ、駅前の新しく出来た『バル』でどう? 頑張ったご褒美として、私おごっちゃう~
ホントに?よぉし、やる気出てきた~。まずは今日の昼をなんとか乗り切るぞ〜。オ~!!

亜紀は両手を上げて声をあげる。

そんな亜紀を優しい笑顔で見守る美鈴。

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登場人物紹介

水谷亜紀(27)

広告代理店『文永社』 営業部員

矢島秀人(31)

亜紀の上司


崎田美鈴(27)

亜紀の同僚

遠藤部長(48)

営業部 部長

斉藤智明(25)亜紀の後輩

鈴木孝治(38)矢島の先輩

アキラ

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