第1話
文字数 481文字
「お前さ、自分の名前ネットで調べたことある?」
バイトの休憩時間にダラリと体を机に投げ出しリラックスした状態のバイト仲間に話しかけられた。
「俺はないな」
「俺はこないだ調べたら同姓同名の舞台俳優しか出てこなかったわ」
「なんだよそれ」
「せっかくだからお前の名前調べてやるよ」
「いや、いいよ。俺の名前調べても何も出てこないと思うぞ?」
「わかんねえぞ、なんかすごい事実が出てくるかもしれないから調べてやるよ」
バイト仲間は机に体を預けたままスマホで調べ出した。
「なんだよ、お前昔捕まったことあるのかよ?」
「は?」
身に覚えのない逮捕歴を上げられて慌ててバイト仲間のスマホを覗きに行く。
「お前下着泥棒で捕まってるぞw」
ケラケラと笑って見せてきた画面には俺と同姓同名で年齢が20歳ほど上のおじさんの名前があった。
「いや、全然違うじゃねえか、年齢よく見ろよ」
「あ、ほんとだ。お前じゃなかったわ」
俺は安堵した。
まだバレてないんだから俺の名前が載るはずなんてないんだよ。
危うくさらに罪を重ねるところだったじゃないか。
慌ててポケットに入れた手は、先端の赤いナイフに触れたままになっていた。
バイトの休憩時間にダラリと体を机に投げ出しリラックスした状態のバイト仲間に話しかけられた。
「俺はないな」
「俺はこないだ調べたら同姓同名の舞台俳優しか出てこなかったわ」
「なんだよそれ」
「せっかくだからお前の名前調べてやるよ」
「いや、いいよ。俺の名前調べても何も出てこないと思うぞ?」
「わかんねえぞ、なんかすごい事実が出てくるかもしれないから調べてやるよ」
バイト仲間は机に体を預けたままスマホで調べ出した。
「なんだよ、お前昔捕まったことあるのかよ?」
「は?」
身に覚えのない逮捕歴を上げられて慌ててバイト仲間のスマホを覗きに行く。
「お前下着泥棒で捕まってるぞw」
ケラケラと笑って見せてきた画面には俺と同姓同名で年齢が20歳ほど上のおじさんの名前があった。
「いや、全然違うじゃねえか、年齢よく見ろよ」
「あ、ほんとだ。お前じゃなかったわ」
俺は安堵した。
まだバレてないんだから俺の名前が載るはずなんてないんだよ。
危うくさらに罪を重ねるところだったじゃないか。
慌ててポケットに入れた手は、先端の赤いナイフに触れたままになっていた。