僕は集会中にお腹の鳴った君のことが好き

文字数 838文字


 「ぐぅ〜…、」

 大きな音が鳴った。
 恐らく誰かのお腹の音…。

 右前だから…。
 瑠衣か…。

 今は集会中。しかも校長の話中。
 めっちゃタイミング悪すぎでしょ…。

 瑠衣というのは俺の大好きな女の子だ。

 本当に彼女にしたい。

 てかさっきのお腹の音…。周りあんま気づいてないよな…。

 ははーん…。いいこと考えた…。

 *放課後*

「大輔くん。何話って。」
「まあまあ。わかってるんじゃないの?自分で…。」
「わかんないわよ…。」

 まあ最初は演技するよねぇ…。
 でも俺をあんま甘くみんなよぉ…?

「わかんないかぁ…。じゃあヒント。集会中のことだよ…。」
「私なんもしてないよ…。」

 あらあら。言い訳するのね…。
 俺をあんま甘くみんなよぉ…?

「お腹鳴ったよね…。集会中。しかも校長先生のお話中ねぇ。」
「それはさ…。」
「恥ずかしいよね。集会中。みんな集まっているのにさ。お腹なっちゃってさ。優等生キャラだからそういうの隠したいだろうしね。うんうん。わかるよ〜。でもさ…。俺にはバレちゃってるんだよねぇ。だからさ、黙っててあげるからさ、俺とさ…。」
「付き合ってくれって…?」
「そうそう。話が早いね。だからさ…。」
「あのさ、小説の読みすぎだって。」

 え…。なんか言った?
 完璧な作戦だったけどなんかそんな乗り気じゃない感じ?

 なんかおかしいなあ。

「別に私優等生キャラじゃないし、集会のやつはみんなにめっちゃバレてるし…。」

 えぇっぇぇぇっぇぇぇ…?
 みんな知ってんのぉ?
 俺だけが知っている秘密だったと思ったのになぁ…。

 てかこれ俺の計画大失敗して…みんなの笑いものになるやつ…?
 嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。

「私と付き合いたいなら正面から言ってくれればいいのに…。私も好きなんだから…。」

 え、?なんか言った?
 小さい声でなんか言ったなあ今。
 なあなんつったんだよおおおお。

「でもね、大輔くんのそんなところも大好きなんだ。」

 そういうと瑠衣は抱きついてくる。

 そして小さな声でこう言った。

「好き…。
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