ルベルのゼオ君リポート【2】

文字数 2,177文字

お待たせしました!

ルベルのゼオ君リポート、つづきのお届けです

と言っても、今回はほとんどがマスターとゼオ君の会話ですが……ルベルのいない隙に、ふたりはどんな話をするのでしょうね?


では、続きをどぞー

で、お嬢。結局調査はどうなったんだ?
だってゼオくんの答えって、ぜんぶ一行で済んじゃうんだもん……調査にならないですっ
調査なら一文一単語でいいじゃねーか(笑)
レポートが書けないです……(潤目で見上げ)
……オレの生態なんてレポート書いてもつまんねえから(半眼)
むぅぅ、ちょっと模範解答のプリント持ってくるから待っててくださいっ(ダッシュ)
模範解答って……見て変わるもンでもないだろ調査なんて
何やら、記入例のようなものを受け取っているらしいルベル。怪しいですね……(目を逸らしつつ)
いわゆる"未来視(フューチャー・アナウンス)"ってモノかね
は?
きみの未来を予知した人物が面白がってきみの事を知ろうとしてるって、天の声が聴こえたよ(笑)
ふぅん。……やっぱりマスターか
違うよ(笑)

第一、俺にそんな大層な魔法が使えるわけないだろ?

…………(半眼)
信用してないなぁ
古代魔法語を読み解く魔術師がンなこと言っても、信憑性ゼンゼンだろ?
はは、読めるのと繰れるのはベツモノだよ
別に、だれが興味持って調べてようと構わねーけど。まァ、干渉されればウゼえけどな
ゼオはそういうのが不快とかイラつくとかはないのかい?
オレは精霊だし、直に関わる相手なら、ニオイで合う合わねエは判るさ。でもヒトはそういう感覚無ェし、嗅ぎ回って調べても判るのは所詮表面だけだろ
そうだね、人は心を読めないからなぁ
ヒトは、見せたくないモノが有るから必死で隠すんだろうしな。そういう部分は結局、深く付き合わねエと見えねーから。……だから逆に手回しして調べたがるのも解んなくはないが
ふぅむ(笑)
……押し込めて隠そうとしてるもンは、掘り出してやらねェのが親切だぜマスター
…………(無言で笑み)
何かを埋めて隠したいのは、他人に見られたくねェ場合と自分が見たくねェ場合だ。どっちのパターンでも、てめーで掘り出すまでそっとしといてやるンが、親切だろ?
ロッシェのことを言ってるのかい、ゼオ
…………
作者補足。ロッシェはルベルの父親で、この時間軸では失踪中です。

長編「少女と賢者の旅物語」は、ルベルが失踪した父に会うため、監獄島と呼ばれる地域へ旅をする冒険物語なのですよ

ルウィーニは、ロッシェを連れ戻したい。ゼオは、そっとしておいてあげたい。……そんな、ビミョーな対立がこのふたりの間にあったりします
土に埋めても、地に還るものと還らないものがあるからね。

決して土にならないモノを、いつか誰かが掘り出すんじゃないかって神経を尖らせているより、ちゃんと掘り出して在るべき場所に納める方がずっといいと思うよ、俺は

マスターは歳食ってるからな
……失礼な
オレァ精霊だから、親子の感覚とかは解ってやれねーよ。でも、子にとって親は必須なのか?

マスターの息子だって、10年放ってても立派に育ったんだろ?

まぁね
……違ェトコ反応してンなマスター。立派だって褒めてるわけじゃねエぜ?
解ってるよ(笑)

確かにきみの言うとおりだ、ゼオ。親を失った子供なんて世界にはざらだし、それでも立派に育つ子らも多いよ。……でもだからといって、親がいなくても構わないってことにはならないだろう?

マスターが、宜しく頼まれたんだろ? マスターが親代わりでいいじゃねェか
よくないって。俺はルベルの父じゃないし、ルベルだって全くそんなことは考えもしないさ(笑)

俺自身が思うことはあるし、こうして欲しいとの望みもあるが、これは最終的にはロッシェとルベル二人の問題だからね

……ならマスターは、お嬢が危険地域に行くのを止めねーのか
ルベルが決めたなら、止めないね
っオィ、マスター、本気であの島お嬢一人で何とかなるなんて思ってンのか!?


(※あの島=監獄島)

いや? きみは助けてくれるだろう?
……へ?
ゼオ。きみは、ルベルとロッシェを助けてくれるだろう?
ナニ?
きみは、ルベルによく懐かれてるし、ロッシェの事も知っている。だから、あの子がロッシェに会いに行くと決めた時は、きみに一緒に行って欲しいと思ってるさ、俺は
ぁア!? 寝言は寝てるときに言えよな!?
起きてるよ?
起きてンなら寝ぼけたこと抜かすな
本気だよ。イヤなのかい?(笑)
イヤとかど-とかじゃなく、マスターてめーで行けよ
俺は行けないんだよ、ゼオ。フェトゥース国王を助けるって約束したのに、ライヴァンを離れるわけにいかないだろう?

その点、きみは良識もあるし力もある。きみが伴にいてくれれば、俺はルベルの動向を把握する事も出来るからね

ぁー……(頭ガリガリ) マスター、断っとくが
うん?
オレァ、事と次第によっちゃマスターの思惑を妨害するかも知れねエぜ?
そうなら仕方ないさ。きみが俺の意思に沿う義務は無いし、ちゃんとルベルのことを考えてくれてるのだって知ってるよ。きみはきみの判断の通り、自由に動いてくれて構わないさ
……(ゴォと炎を一吹き) ったぁく、ヒトってのはメンドーだぜ
でも、きみは好きなんだろう?(意味深に笑み)
…………(炎混じりの溜息)
今日はここまでです。ルベルまだ戻ってきませんが、何をやっているのでしょうね……?

最終回となる続きは、近日中に!

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