一話完結

文字数 743文字

「おぉ、久しぶりの長野だ」

彼女の名前は冨山ヨウコ、看護師で働く三年目だ。
ヨウコは久しぶりの長野であった。そうここは母親の家、18から出て東京に行ってため、懐かしいと感じていた。

「てか、農園広いなぁ、」

長野は自然が町にも浸食しているのように見えた。東京なんて高層マンションだらけで田舎生まれの私としては本当に首が痛くなるほど高い。

「おぉ、来たのかい、」
「ちょっと休みをもらったからね」

お父さんだった、見ていなかったので最初は誰かと思ったがお父さんで安心した。

「農園は全然やってないね、母さんがいつもやっているんだけど」

お母さんこと冨山タカコは若年性アルツハイマー型認知症である。お父さんの話によるとあまり介護も難しいのでいつも介護の方が来ているらしい。
すると、タカコが現れた。

「ミツヨちゃんかい」
「母さん、あなたの娘よ」
「母さん、大丈夫?」

母さんは椅子に座った。

「じゃあ、ちょっと買い物行ってくる」

と言ってお父さんは出ていった。

「あれどこかで覚えが」
「そう、母さん、生活はどう?」

と聞くと、

「あぁ、そうね、お父さんがいつもやってくれるけども一人が支えているけどお父さんのほうがいいわね」
「なんで?」

そしてタカコは語った。

「昔、お父さんが若い頃大学に行ってるころ、私は田舎から出てきたから誰も見向きもしなかった。」
「でも、お父さんだけ話しかけてきたのよ」
「そして仲良くなり、プロポーズまでされちゃった、」

すると、最後にこう言った。

「思い出のある方に支えてもらうって昔のことだって語れるし、何より話しやすい。結婚してよかったよ、でもお父さんは気づいていないんだよね、まぁいいんだけどさ、聞いて下さりありはとうミツヨさん」

と言った。
そして三日間の帰省だったがこの言葉が今でも響いている。

終わり。

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