プロット

文字数 1,545文字

起)猫田月美(ねこたつきみ)はある日、祖母から譲り受けた猫柄のお守りに導かれ、突然見知らぬ土地に転送される。彼女がやってきたのは、人ならざる者、アヤカシたちが通う夜間学校だった。月美は持っていたお守りの効果か、化け猫の子だと周りに認識され、転校生として迎えられる。ルームメイトとして紹介されたのは、狐塚雪風(こづかゆきかぜ)。彼は、安倍晴明の父と結婚した狐の血族の末裔だった。周りには化け猫と思わせることに成功したが、同室の雪風には人間であることがばれてしまう。面倒ごとを嫌う彼は自分に迷惑をかけないことを条件に、月美が人間であることを黙っておいてくれることを約束する。彼は、他のアヤカシよりも人間を毛嫌いしていた。

承)アヤカシが好む暗闇が減ってしまった現代。人間にいい感情を抱いていないアヤカシたちは、自分たちの住処を守るため、人間のマイナスの感情にとりつくようになった。人間の感情にとりついたアヤカシ、悪鬼は、やがて人間の体を乗っ取って好きなように動けるようになる。その前に、とりついた悪鬼を祓うのが、アヤカシナイトスクールに通う学生たちの仕事。化け猫と思っているアヤカシたちは、妖術が使えず、弱い月美を何かといじめてくる。そんな中、体力強化訓練の一環として、山中マラソンを行っている最中、力の強い鬼、九鬼晴洋(くきはるひろ)をひょんなことから助ける月美。すると、九鬼はその恩に報いて彼女のことを守ると約束してくれた。同室の雪風とは、言葉少なめな雪風と最初はうまくコミュニケーションがとれていなかったものの、月美が諦めず話しかけ続けておかげで、少しずつ打ち解け始めた。また、ナイトスクールに通い始めてから、人間世界の学校生活も、月美の中で改善され始めた。新しくできた友達、佐々木百合(ささきゆり)と共に、楽しい学校生活を送れるようになり始めていた。

転)学校の課題により、人間世界で悪鬼を倒してくることを命じられる二人。人間嫌いの雪風をどうやって人間界に連れていくかを悩む月美。百合の様子が少しおかしいことに気づいていながらも、月美はアヤカシ世界でのことを優先してしまう。そんな中、月美が人間であるということがナイトスクール全体に知れ渡ってしまう。月美は、雪風がバラしたのだと思い、口論になる。バディ解消となってしまうかと思われた。ナイトスクールでの居場所を失った月美は人間界に戻るが、そこでは悪鬼に乗っ取られた百合が、クラスメートを巻き込んでマイナスの感情をまき散らしていた。彼女は、自分が描いたマンガをクラスメートたちに見られ、陰口をたたかれたことに文句を言えず、心の内にその闇を抱え込んでいた。SNSを使い、クラスメートたちの悪口を次々と書き込む百合の体を乗っ取った悪鬼。そこへ九鬼が現れ、月美が人間であることをバラしたのは、雪風ではなく別の人物であることを伝える。

結)九鬼と共になんとか、百合にとりつく悪鬼を祓おうとする月美。そこへ、雪風が助太刀にくる。雪風に疑ったことを謝る月美。三人でなんとか、百合にとりつく悪鬼を祓い、SNS上に広がった闇も打ち消す。ナイトスクールは、月美が人間だと分かったものの、彼女を学校の在籍を許可する。彼女の持つお守りは、彼女の祖母が飼っていた猫の毛が入っていて、その猫こそが化け猫だった。バディを継続できることが分かった雪風は、自分が安倍晴明の父親と結婚した狐の血族の末裔であると話す。彼は、自分たちの血族が人間と結ばれたために、一族全体が他の狐一族からよく思われず、人間からもよく思われていなかったことを気にかけていた。けれど月美と行動を共にすることで、人間にもいい人間悪い人間がいることを知った。二人はバディとして、悪鬼を祓うことを心に決める。
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