第１話

麗華は夢を見た。花が咲いている。見たことのない花だ。この世の物とは思えない花。しかもまだ蕾の状態だ。蕾が開き始める。そうすると同時に夢から目が覚める。彼女は植物学者になった目的を思い出す。幼少期から見ていて、今でも見る夢。これの正体を突き止めたい。この意思だけが彼女を突き動かす。だが全く進展はない。いつものように花の研究をしていると、見知らぬ少女が訪ねてくる。歳は16～18程度に見えるが、妖しい雰囲気に満ちている。全てを理解し、相手を見透かすような目、普通の茶髪だがどこか異質さを感じる髪と、同じく異質さを感じさせる出で立ち。彼女を見ていると、夢に出てくる蕾を見ている感覚に襲われた。麗華が彼女に魅了されていると、彼女は自己紹介をした。「私の名前は麗華。よろしくね。」彼女との奇妙な出会いが、麗華の人生を大きく加速させていく。