第4話

文字数 7,431文字


メビウス
アンディ

 私は、祈り続ける。

  この血を終わらせるために。





































  第四性【アンディ】



























 俺はいきずりの愛の産物。

 両親も、じーさんもばーさんも、みんな物心ついたことには死んでいた。

 だから、親の残した写真でしか見たことはない。

 「アンディ、本当に出て行くのかい?」

 「お世話になりました」

 両親が死んでから、俺は親戚の家に引き取られた。

 その親戚に聞いた話では、じーさんの母親は、旅先で出会った男と愛し合った。

 じーさんの父親はリーダスと言って、母親はアンナと言った。

 どちらも黒髪だったからか、じーさんも俺も黒髪だ。

 アンナは旅をしていて、とある酒場でリーダスと出会った。

 その酒場には、常連客の青髪の男や、店主の銀髪の女、他にも、酒を飲むと暴れ出す厄介な男がいたようだ。







 黒髪は男にしては長いが、切るのは面倒で、俺は後ろで一つに縛っていた。

 縛れば長さが肩くらいまでになる。

 それに緑の目をしているが、これはどうやらリーダスから受け継いだらしい。

 「あれ?あんなとこに家?」

 魔女が住むと言われている樹海の森の奥へと足を進めると、そこには一軒の家があった。

 しばらく見ていると、水汲みから帰ってきた女性がいた。

 銀色の短い髪はカールがかかっており、目は青だろうか。

 そしてもう一人、女性よりも年上の女性も現れ、俺に気付いた。

 「こんにちは」

 「・・・こんなところでどうしたんだい。道にでも迷ったかい」

 事情を説明すると、しばらく家に泊めてくれることになった。

 ありがたいことだ。

 「私はサンディ。この子はサンヴォ―ン」

 同じ髪の色に同じ目の色の二人だが、なんとなく親子ではないようだ。

 「俺はアンディです」

 サンディの髪は俺よりも長く、同じように後ろで一つに縛っているが、腰あたりまである。

 しばらく一緒に暮らしていると、サンヴォ―ンには夫がいたが、すでに亡くなっていることを知った。

 それでも、二人の子もいたので、なんとか支えられていたのだとか。

 だが、うち一人の息子が忽然と消えてしまったようだ。

 それはもう何年も前の話のようだが。

 「妹のメルテルには言っていません。兄がいることも、教えていません」

 兄の名は何とか教えてもらえたが、詳しいことはそれ以上何も聞けなかった。

 「でも覚えているんじゃ?」

 「たまに言われるんですけど、いないって、嘘ついてます」

 サンヴォ―ンの夫の名はトワロフ。

 赤い髪が特徴の、勇敢な男性だったようだ。

 「サンディとサンヴォ―ンは、どういう関係で?」

 サンディはサンヴォ―ンにメルテルの子守に行くように伝える。

 メルテルという子はとても可愛らしく、銀の髪は腰よりも長い。

 子守されるほどの歳ではないだろう。

 見た目だけで言えば、十は超えているのは確かだ。

 「私があの子をこの森で拾ったのは、もうどれくらい前だろうね」

 聞けば、トワロフを失くして、サンヴォ―ンは憔悴しきった状態で二人の子を連れ、森をさまよっていたらしい。

 「あの子は、私の兄の子なんだよ」

 「お兄さんがいらっしゃるんですか?」

 「ああ。もうどこで何をしているのか」

 サンディは飲み物を用意し、俺の前に出した。

 「私の兄はストゥーボといってね。見た目は私と瓜二つだ。セシウスという、これまた何の因果か、銀色の髪に青い目をした女性と出会って、二人は子を産んだ。それはサンヴォ―ンだ」

 ストゥーボとセシウスの間にサンヴォ―ンが生まれてすぐ、サンディは行方不明になったようだ。

 サンディ曰く、自分の見ている世界から抜けだしたかったからだそうで。

 森にあった古びた家に住みつき、そののちサンヴォ―ンと出会ったそうだ。

 メルテルの他の子の名はソミルと言って、銀色の短髪は、まるで獅子のようだった。

 サンヴォ―ンは結婚してすぐ家を出たため、両親が今どうしているかは分からないそうだ。

 「サンディの親はどんな人だったんですか?」

 俺は、話題を変えようとした。

 「私達の両親はね、母親がピルド―、父親はスノンといった。ピルド―は青い髪で真っ黒い目をしていた。その綺麗な髪の色が羨ましかったね。何せ、私もストゥーボも、父親の髪と目の色を持っていたから」

 スノンも首の後ろでちょこん、と髪を縛っていた。

 とても活発な人で、ピルド―はいつも明るく笑うスノンが好きになったようだ。

 スノンはスノンで、ピルド―の純粋なところに好かれた。その上、一目ぼれ。

 スノンの親は酒場で出会ったようで、母親は店主をしていたようだ。

 常連客で性格もよく知っていた男と結ばれ、子にも恵まれた。

 それがスノン。

 そしてストゥーボと結ばれたのはセシウスという女性なのだが、セシウスの両親も仲が良かったらしい。

 「幸せそうだったねぇ」

 セシウスの父親はアレン、母親はセナという。

 アレンは一八〇以上あったというから、俺よりも背が高い。

 金色の髪に青い目をしていたアレンは、あまり細かいことを気にする性格ではなく、とにかく明るかったという。

 ニコニコと笑っている表情が印象的だったとか。

 仕事も一所懸命し、周りの人からも好かれる人だった。

 母親のセナはサンディと同じ髪と目をしていた。

 お尻あたりまである長い髪は、アレンのお気に入りでもあったようだ。

 金と銀の夫婦は、セシウスという子宝にも恵まれた。

 いつも優しく明るく逞しいアレンが、セナにとっても宝物だった。

 セナの父親はコロシアムの剣闘士で、とても強かったようだ。

 セナの髪も目も、父親譲りだ。

 母親のことはあまりよく思っていないのか、セナは母親のことになると顔をしかめていた。

 「どうしてです?」

 「それはね、セナの母親は売女だったからさ」

 「売女・・・」

 そんな人と、コロシアムの剣闘士がどうやって出会ったのだろうか。

 だが、セシウスはアレンと幸せな家庭を築いていた。







 「メルテル、元気がないね」

 「・・・アンディ」

 翌日、サンディは薬を作る為の薬草を摘みにいき、サンヴォ―ンが街に食料を買いに行っていた。

 自分よりも一回り以上歳の差があるメルテルだが、もうすっかり大人の雰囲気を出している。

 何処かの異国の御伽噺に出てくるように、真っ白な肌はまるで雪を吸ったかのよう。

 木漏れ日によって輝きを増す髪は、自分のそれとは全く違う次元を放つ。

 「ここでの生活はどう?」

 「・・・つまらない」

 「つまらないか。街へ出ようとは思わないの?」

 「・・・ダメって言われる。大人は危ないし、子供はいじわるだって。それに、お金も無いから何も買えないの」

 メルテルは唇を尖らせる。

 そんな可愛らしい行動さえも、艶やかさに変えてしまう。

 だが、ある日サンヴォ―ンが街から帰ってくると、突然倒れてしまった。

 「何か病気にかかったのかもしれないね」

 サンディはサンヴォーンの病状を見るが、わからないようだ。

 もしかしたら、流行り病にかかってしまったのだろうか。

 メルテルもなんとか手助けをしようとするが、苦しむサンヴォ―ンの手を握るくらいしか出来なかった。

 それから数日と経たないうちに、サンヴォ―ンは亡くなってしまった。

 森の奥に墓を立て、供養した。

 だが、メルテルは一気に落ち込んでしまった。

 「メルテル、少しは何か食べないと、今度はお前が倒れてしまうよ」

 サンディがご飯を持っていっても、メルテルは首を横に振るだけ。

 背中を摩って慰めようにも、困難だった。

 「・・・ッ!!!」

 何度かメルテルは吐き気に襲われ、気分悪そうにしているのを見た。

 母親を亡くした喪失感からきているのかと思っていた。最初は。

 だが、サンディとメルテルが話しているのを聞いてしまった。

 「メルテル、きっとお前のお腹には子がいるんだ。子のためにも、きちんとお食べ」

 なんというか、衝撃を受けた。

 俺がここに来てから大分経つと思うが、そんな素振りみせたことがない。

 別の男がここに来たことも聞いたことなど無かった。

 だとしたら、メルテルのお腹の子は、誰の子だというのだろうか。

 メルテルが身篭っていることを、少し経ってから俺も直接聞いた。

 まさか、聞いていたなんていえないまま。

 そして、無事に生まれたのは、メルテルに似て可愛らしい女の子だった。

 銀色の髪はまさしくメルテルの子だ。

 だが、瞳は青ではなく、焔のように燃える、赤い赤いものだった。

 この家にいつまで留まろうかとも思っていた俺だが、子が生まれたのなら余計に男手が必要だろうと思った。

 だから、サンディとメルテルにも伝えた。

 二人は嫌な顔もせずに承諾してくれた。

 木こりとして、まあまあ生活の足しにはなっていただろうが、これからは街にでも仕事を探しに行った方が良いだろうかとか。

 俺の子でもないのに、考えた。

 「名前は決めたのかい?」

 「ええ。サブワロールよ。きっと貴方は幸せになれるわ」

 「そうだね」

 サブワロールと名付けられた子のおでこにキスをするメルテルは、母親の顔をしていた。

 サンディもとても可愛がっていた。

 俺は、気付いていなかったんだ。

 自分の中に潜んでいた、どす黒いものに。







 サブワロールが一歳になり、いつものようにメルテルはサブワロールを抱っこして外に散歩しに出かけていた。

 サンディも薬草を摘みに出かけていた。

 俺だって、仕事をするために街に出かけたんだ。

 けど、メルテルが作ってくれたお守りを忘れてしまって、一旦家に戻った。

 忘れ物なんてしなければ、この感情が蒸し返すことも無かったんだ。

 家に帰ってお守りを手にし、ドアを閉めて少し歩いた。

 そこで、サブワロールが歩いているのを見つけた。

 だから、声をかけようとしたんだ。

 「!!!」

 いかにも女という表情で、メルテルは男と会っていた。

 背も俺よりあるだろうか。

 しかも、歳だって俺よりもメルテルと近いと思う。

 まるでメルテルとお揃いの髪と目をしていて、メルテルにキスをした。

 そして、メルテルの腕に抱かれている赤子を抱きあげる。

 俺は瞬時に理解出来た。

 サブワロールの父親は、あいつだと。

 覗き見なんてしようと思っていなかったのだが、動くことも出来ず、そのまま見ていることになってしまった。

 三人はなんとも幸せそうに微笑んだ。

 メルテルは、俺になんて見せたことの無い女の顔を浮かべ、頬を染めている。

 急に泣いたサブワロールに、男が多少うろたえていると、すぐにメルテルが手を差し伸べる。

 あやしてすぐ泣き止む我が子に、男は困ったように笑いながらも、サブワロールの白い肌に指先で触れた。

 メルテルの腕の中で眠ってしまったサブワロールを確認すると、男は急に真剣な表情に変わった。

 何の話か詳しい内容は分からないが。

 男はメルテルに何かを話していた。

 徐々に曇っていくメルテルの顔から、きっと良い内容ではないのだろう。

 そしてついには泣き出してしまった。

 頬を伝っていくソレを拭う様に、男はメルテルの顔に触れる。

 メルテルのおでこに別れのキスをすると、男は何処かへと去っていった。

 正直、その話の内容がどうこうなんて、俺には関係なかった。

 家の影に隠れ、メルテルが家に帰ってくるのを待っていた。

 男の背中が見えなくなるまでそこに立っていたメルテルは、ようやく足を動かした。

 鼻を啜りながら家に入ると、サブワロールを赤ちゃん用の小さなベッドに寝かせる。

 「ぐすっ・・・」

 ゆっくり、ゆっくり、メルテルに近づいていった。

 ギィ・・・

 古びた建物だったからか、足音は簡単に自分の存在をさらけ出してしまった。

 「!?誰?」

 「俺だよ」

 「あ、アンディ?どうしたの?街に行ったんじゃ?」

 「ああ、お守りを忘れてね。取りに来たんだ」

 「そうなの」

 俺に背を向けて、泣き腫れた目を触っているメルテル。

 「どうしたんだ、メルテル」

 「!!!!!!」

 俺は、後ろからメルテルを抱きしめた。

 驚いたのか、メルテルは俺の抱擁から逃れようと身体を必死に捻じらせた。

 だが、所詮は男と女。

 力の差など歴然としていたのだ。

 「アンディ!何をするの!?放して!」

 「メルテル、さっきの男は誰だ?サブワロールの父親なんだろう?」

 「!!見ていたの?」

 「たまたま見てしまっただけさ」

 ああ、メルテルが俺を拒絶し始めている。

 こんなに歳の離れた男にこんなことされたら、誰だってそうなるだろう。

 俺はメルテルの綺麗な銀の髪に自分の顔を埋めて、匂いを嗅いだ。

 「アンディには関係ないじゃない!いい加減、放してよ!」

 「名前くらい、教えてくれたっていいだろう?」

 「放して!教えるのはそれからよ!!!」

 「・・・・・・・」

 仕方なく、俺はメルテルを解放した。

 一気に俺から離れたメルテルは、まるで危険物を見ているような目を向けてくる。

 俺を睨みつけているようだが、全く怖くない。

 「それで?」

 俺はベッドに腰掛け、にこりと笑った。

 メルテルは俺を警戒していたから、「もう何もしないよ」と言って、横に座らせた。

 メルテルは距離を開けて横に座る。

 「彼がどこに住んでいるのかも、どこの出身かも知らないわ。ただ、前にこの森を歩いてたら出会ったの」

 嘘ではないようだ。

 それよりも、まったく、メルテルに手を出して子供まで産ませておいて、どこかへまた行ってしまうなんて、どんな奴だ。

 だが、メルテルもそれは仕方ないと思っているようだ。

 「彼は旅をしてて、今はこの辺りを拠点にしてるんだけど・・・。もう戻って来ないかもって。遠いところに行くって言ってたわ。生きてたらまた会えるって言われたけど」

 愛おしそうに、サブワロールを見つめるメルテル。

 その横顔さえ、俺は心惹かれているのだ。

 「彼の名は、ソミルよ」

 「ソミル?」

 繋がった。というべきなのだろうか。

 まさか、以前聞いた名がここで出てくるとは思っていなかった。

 「確かに、ソミルというのか」

 「ええ、そうよ」

 これは、俺にとって好都合と言うべきなのだろうか。

 俺の様子に、メルテルは首を傾げる。

 「アンディ?彼を知ってるの?」

 「・・・ああ」

 「本当!?彼、どこに住んでるのか知ってる?」

 「いや、それはわからないが」

 どんな言葉から告げれば、メルテルを絶望に落とせるのだろう。

 その絶望から救い出すのが俺だと言ったら、メルテルは俺のものになるのか。

 「以前、メルテルには本当は兄がいると聞いたことがある」

 「え?」

 ああ、こんないたいけな少女を苦しめたいなんて、俺はおかしいのだろうか。

 その、空よりも透き通った美しい瞳に、俺だけを映してくれるのなら。

 こんなにも迷いなく、毒を零せる。

 「その兄の名が、ソミルだと」

 「・・・え?」

 嘘だ嘘だと、メルテルは俺の言う事なんて最初は信じようとしなかった。

 しかし、自分自身でも兄弟がいた記憶があることを考えると、一方的に俺の言っていることが嘘だとも思えないようだ。

 くるくると変わるメルテルの表情が、また愛おしい。

 「君たちは、兄と妹で身体を交じわせてしまったんだね」

 「その兄妹から生まれた子は、果たして幸せなのかな」

 「なあメルテル、君を救ってあげようか」

 この世に、神も仏もいない。

 ただただ目の前の現実を受け入れることに必死で、その現実さえ覆せるのなら、地獄にでも堕ちよう。

 俺は、無理矢理メルテルを抱いた。

 最初はただ茫然としていたメルテルだが、服を引き裂いたあたりで、引き戻されたらしい。

 手足をばたつかせて抵抗をしてきた。

 だから、俺はメルテルの両手を片手で簡単にまとめあげた。

 メルテルの足の上に自分の足を重ね、重みにした。

 とても綺麗な肌は、すべすべしていた。

 傷一つついていない肌に吸い付き、メルテルが俺に汚されるのを楽しんだ。

 叫び声なんて、心地良いものだ。

 俺の耳にだけずっと聞こえてくるメルテルの声。

 何度も何度も穢し、何度も何度も嗤った。







 メルテルは無表情で天井を見つめ、乾いた涙は足跡をつくっていた。

 そして俺は、街へと向かった。

 「メルテル!?どうしたんだい!?」

 薬草摘みから帰ってきたサンディは、ベッドで放心状態のメルテルを見つけた。

 破れた服に、汚れた身体。

 それだけで、メルテルの身に何が起こったのか理解した。

 そして、ベッドの横に落ちていた、メルテルが作ったあのお守り。

 そのお守りをぎゅっと握りしめると、サンディはメルテルを抱きしめた。

 「アンディ、なんか今日は御機嫌ね?」

 「ああ?そうか?」

 「ええ。良いことでもあったの?」

 「まあな」

 一生をかけても手に入らないと思っていたものが、今日手に入った。

 酒をたらふく飲んだ俺は、今日から住むところを見つけないといけなかった。

 「ちょっと、飲みすぎたな」

 ふらふらと千鳥足で歩いていると、急に風が強く吹いた。

 その風に身を任せるように足を進めて行く。

 「おっとっと」

 上機嫌で風に誘拐されていくと、ふと、違和感を覚える。

 「ん?」



 ドシャ・・・・・・



 気付いたときには遅かった。

 俺は、足下を良く見ていなくて、崖から真っ逆さまに落ちてしまったんだ。

 頭を強く打って死んだのだけれど、なぜか俺の身体が見つかったとき、身体が八つ裂きにされていたようだ。

 街じゃあ、魔女の仕業だとか、そんな噂がひっきりなしに広まっていた。

 昔の俺だったら、そんなものあまり信じようとはしなかったが、今回ばかりはそれを信じる。

 なぜか。

 それは、俺は見たんだ。

 俺が崖から落ちたとき、銀色の髪をひとつに結った、あの婆さんがいたことを。

 そして、死んで意識のなかった俺に意識を持たせて、俺の身体を八つ裂きにしたのを。

 ああ、きっとこれは罰だ。

 メルテルに寄せていた密かな想いを、閉まっておけばよかったのに、欲望のままに抱いてしまったから。

 だが、あの婆さんはきっと、知っていたんだ。

 メルテルの産んだ子の父親が、メルテルの兄であることを。

 だからサブワロールが生まれたとき、その赤い目を見て、夜な夜な祈っていたんだ。

 サブワロールは幾つになったんだろう。

 きっと素敵な女性になっているんだろう。

 俺は死んだはずなのに、夢を見ることがある。

 それは、赤い目をした銀髪の少女が、俺をじーっと見つめている夢。

 まるで破滅を誘うかのように、ただ、見てくる夢。




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