What’s your pet’s name?
文字数 1,997文字
友人がペットとして動物を飼い始めた。
自慢したいなんて言われ、写真を見せてもらうことになった。
「ほらこれっ。ウチの猫ちゃん可愛いだろ~」
「……」
「どうした? まさか可愛くないとか言うんじゃねーだろうな!ウチの猫ちゃんのこと」
「……」
「何だよ、俺の猫ちゃんに文句あるのか?」
「……」
「いや犬やん。猫ちゃうし、犬やん!」
友人から見せられた写真に映っていたのはポメラニアン。猫ではない、ポメラニアンは犬だ。ボケにしてはしょうもない。
ツッコむのもめんどくさかったが、おそらくこのツッコミを待ってたんだろう。ツッコむまでこのやりとりは 終わらないような気がした。
「何言ってんの?この子は猫だから」
「は? だから、犬やんって。そのボケいつまでやんねん!」
「は? ボケてないわ!」
「何度も言ってるやろ。だからこの子は猫ちゃんやって」
「……」
「お前が見せてくれたのポメラニアンやろ?」
「そうや、ポメラニアンや……」
「は? だからポメラニアンは犬だろって、
ポメラニアンは犬の品種であって猫の品種ではありません。お前 犬 知らんのか?」
「知ってるわ。 馬鹿にすんな! 柴犬から柴をとったものそれが犬や!」
「お前こそさっきからしつこいなー。俺が言った話理解できてるか?」
「だから、名前が猫なの。分かるか?」
「は? 待て待て待て……」
「お前はポメラニアンに猫って名前付けてるわけ?」
「そうだよ。だから、何度もそう言ってるだろ?」
「いやいやいや、犬に猫って名前付けてんじゃねーよ!」
「は? 何でだよ? 可愛らしい名前じゃねーかよ!」
「猫、既にいる。猫って既にいるんだよ」
「は? いたら名前付けたらいけねーのかよ? じゃあさ、1人の人がポチって名前付けたらそれ以降の人は、ポチって名前付けたらいけねーわけ?」
「違う違う。そういうことを言ってるんじゃなくてな。犬には犬、猫には猫に適した名前ってのがあるわけ」
「わかりやすく説明すると、お前がやってるのは、『ごぼう天うどん』ってメニューに書いて置きながら、実際には『塩ラーメン』を出しているようなもんやで」
「ごぼう天うどんを頼んで、塩ラーメンが出てきたらどうする?」
「さ、詐欺だろ……それは立派な詐欺だ」
「そうだな。それと同じことをお前はやってるんだよ」
「猫飼ってるんです~って言われると、こちらは猫だと構えるわけよ。それで犬を見せられてもリアクションしづらい」
「『あれっ? この人大丈夫?』とか『私が変な物に見えてるのかな?』なんてことになって、純粋に可愛いって感想が言えないわけよ」
「そうなのか……」
「だけど、既に猫って名前に決めたってSNSで報告もしたんだ。今から変更するわけにはいかねーだろ?」
「待って、まだ間に合う可能性はある。報告したのはいつ?」
「いつって……?」
「朝起きてすぐだから3時間前くらいだけど」
「……セーフ。ギリギリセーフ」
「3時間ならまだ間に合う。1度ペットに名前をつけたとしても、『やっぱり他の名前にしました~』っていうのは、12時間以内なら許される! 僕の好きな女優が言ってた」
「何だそれ? そんな理由でいいのかよ?」
「大丈夫。彼女の言葉は信用できる」
「分かった、分かったよ……仮に、猫ちゃんを改名するとして、お前だったら名前はなんてつけるわけ? 文句言ってくるくらいだから、それ相応の名前、考えているんだろうな?」
「……う~ん? じゃあチビとかどうだ?」
「見た感じ小さくて可愛らしかったからチビなんていいんじゃないか?」
「チビ、小さくて可愛らしいからチビって付けたってことね……悪くはない」
「じゃ、半年後チビは、チュウって名前になるな」
「は? チュウ? 何でだよ?」
「だってさ、 チビは半年後にはきっと大きくなる。そしたらチビは小さくて可愛いの『小さくて』の部分がなくなってるから、適した名前って点をクリアしていない」
「いや、それはいいんだよ。名前を付けた時点でチビって要素があれば、チビって付けてもOKです!」
「よくないだろ!」
「その半年後、さらに大きくなったら、『中くらい』すら適しなくなるからデカだな」
「屁理屈! かなりの屁理屈!」
「まあ分かったよ、分かった。じゃあチビはやめていい!」
「謝ってくださ~い」
「は? 何を?」
「それ相応の名前を考えていなかった件について、謝罪をしてください」
「何でだよ!」
「悪いことをしたら謝る。そう教えられなかったか~?」
「はいはい、すみませんでした」
「もっと……感情込めて!」
「本当に申し訳ございませんでした」
「いいよ許す。それに今ので新しい名前決めたから」
「名前 決まった? まじで? 何にするの?」
「コウジ」
「俺にとって大切な人の名前だから、そんな名前を付けさせてもらった」
「いや、俺の名前!」
「だけど、理由が素敵だから許す……」
「え? 俺の好きな俳優の名前だけど?」
「いや、俺じゃないんかーい!」
自慢したいなんて言われ、写真を見せてもらうことになった。
「ほらこれっ。ウチの猫ちゃん可愛いだろ~」
「……」
「どうした? まさか可愛くないとか言うんじゃねーだろうな!ウチの猫ちゃんのこと」
「……」
「何だよ、俺の猫ちゃんに文句あるのか?」
「……」
「いや犬やん。猫ちゃうし、犬やん!」
友人から見せられた写真に映っていたのはポメラニアン。猫ではない、ポメラニアンは犬だ。ボケにしてはしょうもない。
ツッコむのもめんどくさかったが、おそらくこのツッコミを待ってたんだろう。ツッコむまでこのやりとりは 終わらないような気がした。
「何言ってんの?この子は猫だから」
「は? だから、犬やんって。そのボケいつまでやんねん!」
「は? ボケてないわ!」
「何度も言ってるやろ。だからこの子は猫ちゃんやって」
「……」
「お前が見せてくれたのポメラニアンやろ?」
「そうや、ポメラニアンや……」
「は? だからポメラニアンは犬だろって、
ポメラニアンは犬の品種であって猫の品種ではありません。お前 犬 知らんのか?」
「知ってるわ。 馬鹿にすんな! 柴犬から柴をとったものそれが犬や!」
「お前こそさっきからしつこいなー。俺が言った話理解できてるか?」
「だから、名前が猫なの。分かるか?」
「は? 待て待て待て……」
「お前はポメラニアンに猫って名前付けてるわけ?」
「そうだよ。だから、何度もそう言ってるだろ?」
「いやいやいや、犬に猫って名前付けてんじゃねーよ!」
「は? 何でだよ? 可愛らしい名前じゃねーかよ!」
「猫、既にいる。猫って既にいるんだよ」
「は? いたら名前付けたらいけねーのかよ? じゃあさ、1人の人がポチって名前付けたらそれ以降の人は、ポチって名前付けたらいけねーわけ?」
「違う違う。そういうことを言ってるんじゃなくてな。犬には犬、猫には猫に適した名前ってのがあるわけ」
「わかりやすく説明すると、お前がやってるのは、『ごぼう天うどん』ってメニューに書いて置きながら、実際には『塩ラーメン』を出しているようなもんやで」
「ごぼう天うどんを頼んで、塩ラーメンが出てきたらどうする?」
「さ、詐欺だろ……それは立派な詐欺だ」
「そうだな。それと同じことをお前はやってるんだよ」
「猫飼ってるんです~って言われると、こちらは猫だと構えるわけよ。それで犬を見せられてもリアクションしづらい」
「『あれっ? この人大丈夫?』とか『私が変な物に見えてるのかな?』なんてことになって、純粋に可愛いって感想が言えないわけよ」
「そうなのか……」
「だけど、既に猫って名前に決めたってSNSで報告もしたんだ。今から変更するわけにはいかねーだろ?」
「待って、まだ間に合う可能性はある。報告したのはいつ?」
「いつって……?」
「朝起きてすぐだから3時間前くらいだけど」
「……セーフ。ギリギリセーフ」
「3時間ならまだ間に合う。1度ペットに名前をつけたとしても、『やっぱり他の名前にしました~』っていうのは、12時間以内なら許される! 僕の好きな女優が言ってた」
「何だそれ? そんな理由でいいのかよ?」
「大丈夫。彼女の言葉は信用できる」
「分かった、分かったよ……仮に、猫ちゃんを改名するとして、お前だったら名前はなんてつけるわけ? 文句言ってくるくらいだから、それ相応の名前、考えているんだろうな?」
「……う~ん? じゃあチビとかどうだ?」
「見た感じ小さくて可愛らしかったからチビなんていいんじゃないか?」
「チビ、小さくて可愛らしいからチビって付けたってことね……悪くはない」
「じゃ、半年後チビは、チュウって名前になるな」
「は? チュウ? 何でだよ?」
「だってさ、 チビは半年後にはきっと大きくなる。そしたらチビは小さくて可愛いの『小さくて』の部分がなくなってるから、適した名前って点をクリアしていない」
「いや、それはいいんだよ。名前を付けた時点でチビって要素があれば、チビって付けてもOKです!」
「よくないだろ!」
「その半年後、さらに大きくなったら、『中くらい』すら適しなくなるからデカだな」
「屁理屈! かなりの屁理屈!」
「まあ分かったよ、分かった。じゃあチビはやめていい!」
「謝ってくださ~い」
「は? 何を?」
「それ相応の名前を考えていなかった件について、謝罪をしてください」
「何でだよ!」
「悪いことをしたら謝る。そう教えられなかったか~?」
「はいはい、すみませんでした」
「もっと……感情込めて!」
「本当に申し訳ございませんでした」
「いいよ許す。それに今ので新しい名前決めたから」
「名前 決まった? まじで? 何にするの?」
「コウジ」
「俺にとって大切な人の名前だから、そんな名前を付けさせてもらった」
「いや、俺の名前!」
「だけど、理由が素敵だから許す……」
「え? 俺の好きな俳優の名前だけど?」
「いや、俺じゃないんかーい!」