第1話

文字数 1,709文字

僕は今、目の前の光景が信じられなかった
嘘であって欲しいと願った
それでも嘘ではなかったことに気付く
体中の血の気が引いていく
僕の妹は 刺されている。
その包丁を持っているのは知らないおじさんだ
いやそれはおじさんじゃないんだけど青年
とも言いがたいぐらい老けている
もし僕がいなかったら彼女は
僕をかばって刺されることはなかったはずなのに
彼女は悶え苦しむどころかおじさんに向けて
敵意を向けている
『あんたがやろうとしてることは誰の復讐でも何でもない自己満足にしか過ぎないのに』
彼女はいつもより、全身がよだつような
低い声で僕を離さない。
彼女は僕に 向けて言ってるわけではないがなぜか自分のようなことに感じた。
「何を言っている…
そこにいるガキの命も守れないくせに」
おじさんは彼女に対してさらに強く押し込む
僕は動けずにずっと固まるしかなかった
耳元に苦しむ声が流れ込む
そしてだんだん体温が下がっていくような感じがする
冷たい腕が 冷たい手が 僕の肌に触れる
『 あーミスった…
あんたは死なないでね 私の命あげるんだから
感謝しなよ』
彼女は自分の胸をまさぐって
宝石みたいな綺麗な飴玉を出してきた
『ほら口開けてばれないように』
意識が遠のいてたかわからないが彼女は
かすれた声になっていた
僕はゆっくりと口を開けその飴玉を飲み込んだ 噛めなかった
それに気づいたおっさんは発狂したように彼女に向けてもう一度振り下ろした
しかし彼女はもう跡形もなくいなくなっていた
おっさんは俺に気づいて何かをしようとしたが
俺はいつのまに外にいた。
確かに逃げたはずだ 足の裏がいたいが
足からは黄色の血が流れていた
よく見ると黄金のような色をしているが
人間からそんな血が流れるはずがない
俺はここで悟った自分がもう人間ではないことに
それに頭の中にもう一つ思考があるような感じた
とても頭の回転が速い、彼女のだ
全て流れ込んでくる彼女が持っていた記憶
なぜおっさんが襲ってきたのか理解ができた
彼女はとんでもない秘密を知ってしまったのだ
この世界には人間の他に 超能力者がいる
しかしその間には異能者 という存在がいた
俺の妹は超能力者だった 隠していたみたいだ
超能力者は人々を助けるためにいる
そんな存在のようだ
しかし彼女はその中の一員であって、
好奇心が旺盛で何かと頭を突っ込んでた
彼女の能力は超推理で様々な怪事件を
解決していた 名探偵超能力者だったそうだ
しかし彼女は超能力者をまとめる会社の
秘密を知ってしまった。
それは超能力者殺してその死体を人間に
食べさせる
異能者の存在を知った彼女は
会社のトップである神風に見つかってしまった
その中で俺が出くわしてしまった。
大まかな経緯はこうだった
薄々気づいていたのかわからないが彼女には
確信というものがあった
俺はこの秘密を抱えて
突きつけなければいけないんだろう
しかし顔がばれている
上に俺の能力が分からない
それに俺は 異能者の可能性が高い

俺はおっさんに見つからないように物陰に隠れる

そして 俺に何ができるんだろうか
きっと今までのは解決した事件異能者によるものだった 。
つまり、異能者と超能力者は敵対関係にある
まあ警察と殺人犯の関係と思えばいい
そんな俺が万が一超能力者に 見つかった場合
俺は殺される可能性が高い。
それにこのこと訴えかけても 異能者の狂言
と言われかねない。

考えた結果人間のふりをするに至った。

俺は神風が通らないか見た後 ちょっと作戦のために地面に図を描く

その時、物が出現してしまった
コップが出た
は ?
ビックリして尻もちをついてしまった
さっきまでの緊張感が嘘のように物が出てくる
もしかして もしかして俺はものが出せる?
試しに銃を描いてみる
しかしものを出なかった
水を書いてみると 水が出てきた
チョコチップクッキーを描いてみる。
なるほど僕は魔法使いではないみたいだ
しかし、水や、チョコチップクッキーが
出てきたのは内容を知っているから。
銃のように内容を知らないものは出せない。
つまり
物の構成を覚えれば銃も出せてしまう。
が代わりに対価があるはず。
俺はその考えに入ってくる前に目の前が真っ暗になってしまった。
全身 地面に音を立て
動かなくなってしまった
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み