陽炎のような出来事~Maboroshi~
文字数 2,000文字
世の中は、真夏真っ盛り。
炎天下の中、小生はバイト先へ向かうのでゴザる。
自慢ではゴザらんが、毎朝腕立て伏せを10回やるほどの健康志向の好漢であるからして。
この程度の気温ではどうということにはならないのでゴザる。
先日なんかは……
小生の才能が怖くて早めに叩こうという算段なのが見え見えでゴザる。
将来、小生の出世によって立場が危ぶまれるという危機を感じているのでゴザろう。
な、なんでゴザるか!?
急に目の前が真っ白になるでゴザる!
こ、ここはどこでゴザる?
誰でゴザる?
このような
ん、何か喋ろうにも変に顔が引きつってうまく喋れないでゴザる……。
小生の顔の一部と言っても過言ではない、眼鏡ではゴザらんか!
女子から受け取った眼鏡を装着する小生。
女子が手鏡を見せてくる。
だ、誰でゴザる!?
小生の顔が変わってしまっているでゴザらんか!!
なんのことでゴザろうか。
小生、熱中症になどなった覚えはないでゴザる。
小生の心配ではないのでゴザるな。
あぁ、何か顔が引きつってうまく表情が作れないでゴザる。
これが噂に聞くぷち整形というやつでゴザろうか。
やはり小生としっかりとした会話をするには、
いんてりじぇんすが足りないと見えるでゴザる。
マズイでゴザる。
この女子が言う事が真実であったなら、小生はバイト先に向かっている最中。
無断欠勤をしている扱いになっているのではゴザらんか?
ケチくせーでゴザる!!
電話くらい貸してくれてもいいと思うでゴザるが!
モグリの医者ということでゴザるなら、
もはや突っ込んだ話をせずさっさと去るに限るでゴザる。
住所を書き、目隠しをされて車に乗せられたでゴザる。
体感にして1時間くらいで車外に出されたでゴザる。
白々しいでゴザる。
この上司め、小生を小馬鹿にしているのではゴザらんか?
この雰囲気は、ウソをついている感じには受け取れないでゴザる。
にわかには信じがたい、陽炎のような出来事でゴザった。