登場人物 総合一覧 (※ネタバレ閲覧注意!!)

文字数 9,288文字



公開エピソードまでの、<登場人物 総合一覧>です。


※盛大にネタバレまくり! ですので、自己責任で閲覧をお願いいたします。

※こちらの内容は、「各章の人物たち」よりも、もっと突っ込んだ紹介になります。作者の時間のなさにより、現在の章の連載が滞っており、作者が大好きな物語のように、人物設定やエピソード紹介でニヤニヤできるような世界観が作れればいいなと、掲載いたします。とりあえず、各章で出てくる出来事からの紹介ですが、他の章で登場すれば追記することもあります。

※完全な人物紹介とまではさすがにできませんが、お話の中には出てきていない設定などを掲載することがありますので、完結まで設定は読みたくないという方はご注意ください。(完全版は完結してからかな。完結・・・するのかな)

※世界観の項目類に当たりますが、この世界は基本的に姓がある家柄は多くはありません。

  大国貴族=姓というよりは、名プラス領地名や役職に与えられた呼称

  一般人=名のみ
      名だけではわかりにくい場合は誰々の子と付け加えることもある

  〇〇○・△△△=元々の名に加えて、貴人から本人のみの名を与えられたケース。ミリアルグ国関係者はこちらの該当が多い。

  ○・△=ル・イースのように、点の前後は続けて呼ばないで切り離して発音するケース。

  また、貴人の中には、名以外に公表されていないミドルネームのようなものを隠し名としてプライベートで使っている場合がある。こういうケースは死後公表が多い。マンダルバ歴代領主は皆隠し名を持っている。

(人物以外の、国・地域紹介や時系列等はいつか別途掲載できればと思ってます。)

※呼び名がいっぱいあるややこしい人を語るときは、その人物が呼ぶ名を使っています。




 2022/2/23 邂逅の章から主要人物を掲載しました。 ◆表記
(主要人物以外と、宿世の章からは、また後日)


<剣と鞘のつくりかた・人物一覧>五十音順

◆ アーノルト
マンダルバ前領主夫人アラヴィの弟
数代前のマンダルバ領主の血筋に連なる家を継いでいる。(マンダルバのこういう家柄は“姓”というより役職名を歴代使っていて、おそらく彼が家の役目を放棄すればその名称は使えなくなる。マンダルバでは個人名以外はそういった役目を持っている。マンダルバではそういうお家は貴族ではなく高家と呼んでいる。物語内では役職名を書いても話の内容には関係がないため割愛。)
体格がよく長身。自分を演出したがる自意識の強い男。典型的なマンダルバ男性の外見をしている。
仕事はできる男で、遊んでもいるが責任感もあるため、多少のやんちゃは見逃されてきた。ただし、プライベートなことでは小悪党的な行動はよくしているので彼を嫌いな者も多い。彼をよく見ている者は彼の歪さに勘づいており、問題ごとが起これば裏を見通すようにしてきたが、なかなかボロは出さずに攻めあぐねていた。
取り巻きたちには気前よく恩恵を与えてきたので、アーノルトを慕って集まる男たちは多くいる。マンダルバ内には妻と子もいるが、マンダルバで二分する女性を大事にする男とは逆の女性とたくさん遊ぶ男に属する。(マンダルバの男は結構両極端。)




◆ アラヴィ
マンダルバ前領主ザグゼスタの妻
弟にアーノルト。子供のころに家柄によりザグゼスタの許嫁として認められていて、自然とザグゼスタへの恋愛感情を育んでいった。
結婚後ザグゼスタとの間に生まれた子を幼くして亡くし、その後は悲しみから抜け出すことができずに、夫との関係はぎこちなくなってしまう。子孫を残すための第二夫人や妾を認められているマンダルバで、本妻として夫の遊びは黙認していた。


◆ ヴィイ
ヤトゥ商会、警護部責任者
セリュフの相棒的存在。長身、卓越した肉体の持ち主。黒髪に赤味がかった瞳。野外での仕事が多く日焼けはしているので、人種が分かりづらい。ヤトゥ商会内では一番長身の部類。美形じゃないけど、体型が抜群にいいので、雰囲気カッコイイ。
セリュフとは他愛ない口喧嘩が多い。ヤトゥ商会を作ってからは純粋な戦闘からは離れているためで、全力で戦えないことへのストレス発散にセリュフにちょっかいを出しているだけ。
できれば責任のあることはしたくないが、リーヴの下に生半可な人物を置くわけにはいかないので、仕方なく皆を率いている。名もなき戦力内では、単独の戦闘力としてはヴィイが筆頭であることも、一癖も二癖もある仲間たちが彼についていく理由。


◆ エヴァンス
ヤトゥ商会でセリュフの下で情報収集係をしている自称苦労人
おしゃれ好きな伊達男。柔らかな物腰で、人当たりのよさを全面に出して人の懐に入り込んで情報収集をする。元々は裏社会で生きてきたので、裏町でやさぐれた雰囲気を出して対象に近づくこともある、演技力の高い人物。
少しくすんだ色の金髪、薄青の瞳。女性ぽくはないけど、男臭さも少ない、美系イケメン。年齢はまだ若いため、年齢はぼかして誤魔化し侮られないようにしている。
仲間たちのこともよく見ていて、人のフォローに回るのがうまい。自称じゃなく、商会内では一番動いているかもしれない人。
剣技も優れているが、警護部で常に働くほど鍛えているわけではないので、得物は重くない細身の剣を愛用している。
手が空いたときは“リーブのうちの子供たち”の相手をよくしている。以前は子供は嫌いでむしろ敬遠していたほうだが、あの子たちと出逢ってからは、不憫で可愛くて、全員大人になるまで俺が面倒見る! くらいには思っている。そういう感情はヤトゥの男たちはみんなが持っているが。
リーヴのことは、畏れつつも尊敬していて、彼の役に立つために手を汚すことは厭わない。リーヴが懐に入れたレナンのことを非常に気にかけている。


◆カルトーリ
マンダルバ前領主ザグゼスタの息子
ザグゼスタが妻以外に愛した女性がマンダルバ領外で産んだ子。ザグゼスタが病没し、彼の遺言によりカルトーリを探すための捜索が行われた。マンダルバ管財官の下、ムトンに近い商業都市スーザにて大々的なカルトーリ真偽審査が実施される。


◆ クイン・グレッド
マンダルバ領の資産すべてを管理する管財官
マンダルバ前領主ザグゼスタの遺言により、領主後継者捜索の指揮をとる。
仕事に妥協はしないので大国宰相より忙しい。
世界の中でもとても優秀な頭脳の持ち主。強い精神力を持ち、彼が動揺するのを見た者がない。精神力が強いというよりも、彼には恐れるものがない。
茶髪茶眼のマンダルバ人の特徴を持つが、色合いは濃いめ。
大国ミリアルグ国立司法院高等学部主席卒業。(地球世界でのあらゆる学問の国立大学・大学院・企業研究室をまとめたようなところ。初等部はなく、中等学部は学力が高い高校専修学校に該当)
マンダルバ管財官となるのは自分の責務と思ってきた。が、他にやってくれる優秀な人材がいるなら、本当は好きなことをしたいタイプ。これから大きくなっていくだろう名もなき戦力には大きな関心を寄せている。


◆ ザグゼスタ・ライン
マンダルバ前領主
現代でいう癌が全身に転移し、まだ働き盛りの年齢で病没。
許嫁から結婚した妻アラヴィとの間には、若い頃に子が生まれたが、病弱さが改善されず幼くして亡くなる。その後はアラヴィとの仲はぎこちなく、気持ちの安らぎを求めるとどうしても他の者へとなった。男友達と遊ぶことがあれば、女性と過ごすことも多々あり、浮気というほどでもない遊びは繰り返してきた。
ただしアラヴィのことは哀れと思っているために、子孫を残さねばならない立場であったが、子供を作るためだけの第二の女性をそばに置く話は親族から多々受けていたが誤魔化して蹴っていた。アラヴィもそれを知っていたので、遊びは黙認していた様子。
あるとき出逢った一人の女性と心を通わせ合うことになるとは本人も思っておらず、幾度も会ううちに互いに惹かれ合うようになってしまう。その女性とは、理由がわからぬまま黙って去られてしまうが、諦めきれずに捜索。その捜索中に子供が生まれたことを知ると、自分の死期が近いと悟ったときにはその子を後継とするよう遺言を残す。
体格のいいマンダルバ人の血をひき、屈強な肉体の男前だった。領主でなければもっと女性にモテていたはず。人懐っこい性格で、たくさんの人に好かれ慕われていた。少年の頃はわんぱくで奔放であったが、母が女性の身でありながら責任を持ち職務を果たしてきたのを見て育ち、自然と領主としての責任感を持つようになった。ただし自分の子には好きなように生きてほしいとは思っていて、もし彼が領主となることを選んだ際には力になってくれるようにとクイン・グレッドに死の床で懇願した。


◆ シスレイン・フレア
マンダルバ前領主ザグゼスタの母
ザグゼスタの前にマンダルバ領主を務めた。少し歳の離れた姉ユーリィンが領主の継承を放棄したことで、姉の幸せのためとまだ少女の頃に決意し領主後継者となる。聡明な女性でミリアルグ留学も無事に過ごす。
領主となってからは、日々の責務を果たしてきたが、女性の身で小国並みの領を治めるには体力に不安があり、早期に政略結婚にて後継ザグゼスタを授かる。夫とは仕事の面でもパートナーであり、共に静かな愛情を育んだ。


◆ ジョーイ・ハーラット
マンダルバ領管財官補佐
クイン・グレッドのミリアルグ留学時の同期であり現在の右腕。クイン・グレッドよりは若干歳上。(ミリアルグ国立司法院高等学部は受験資格に年齢の幅がある。クインは希少な最年少合格者、ジョーイは平均的年齢受験。)
いろいろな面を持った愉快な男。表情豊かで飄々として見えるが、根は真面目なのはクインもよく知っていて、自分が不在時に仕事を任せられる唯一の人材とこき使っている。多忙であっても適度にペース配分をしている器用な人。物事の段取りや計画立案が得意でクインのよき補佐。
肌色は白めで濃茶の髪、整えたあご髭。瞳の色は決めてなかったな……ブルーグレイに濃い青の虹彩に決定。
大国ミリアルグの有力貴族出身。嫡男ではなかったのでマンダルバ行きが許された。まだ学んでいた頃の自己評価は、自分くらいの者は腐るほどいるだろうから立身出世は難しいだろう、というもの。それが、慇懃無礼的で周りの者をほとんど気に掛けないクインとは根本的に性格は合わないと反発しながらも、切磋琢磨するうちに能力を伸ばしてしまった上位成績者の一人になった。


◆ シン
マンダルバ領主後継候補の一人
活発そうな強い瞳の少年。一人で自身の将来に関わる場に挑んだ。
マンダルバ人の特徴の茶髪茶眼。外見はまだ少年らしさが残っているが、中身は結構な男前。
育ちはマンダルバ孤児院。マンダルバでは福祉が他国よりも整っていて、孤児は教育を受ける権利があり、どんな道へ進むも多くの選択肢がある。マンダルバは共産主義というより、能力主義的ワンマン経営大企業のようなものなので、領主が力を入れたい分野には金を惜しまない。子供は資産と考えるマンダルバなので、子供は多くの者が関わって育てていく。
シンはそういう施設で育ち、親のいない寂しさはあるが、恵まれた環境にいると感じていて、将来自分の力がマンダルバのためになることを望んでいる。
孤児院を出たあとの育ての親には大きな恩があり、その恩人が事件と思われる火災で亡くなってしまったため、その真相を見出すためになんでもする覚悟でいる。


◆ セリュフ
ヤトゥ商会、商売部門の責任者
無精髭面、傲岸不遜な大男。外見は、どう見ても肉体戦闘族。退屈を嫌う傭兵もどき。戦闘力は相当高いが、戦闘力よりも実力を発揮し存在感を示すのは、知略的・戦略的・あらゆる情報分析に関わる分野。“名もなき戦力”の頭脳。
頭領が気分屋のため、実質上のナンバー2であるセリュフが組織を運営している。そのため、いろいろと秘密が多い組織内では、セリュフが頭領だと思っている者もいたりする。それを逆手にとって、リーヴはほとんどをセリュフに任せっぱなしで各地を放浪している。
気まぐれな人格で、一つ所に執着を見せたことはなかったが、リーヴとの出会いで、彼が巻き起こすものを見てみたいと、人生観を変えることになった。
悪人ではないが、善人でもない。名もなき戦力ができる前、“傭兵”を諦めることになったあとは結構荒れていて、用心棒のようなものをいろんなところでやっていた。ヴィイとはそんな頃に出会う。
リーヴのことは、神の気まぐれか運命のようなものだと思っている。彼を必要以上には恐れてはおらず、彼に臆せず意見を言い、スキンシップもためらわず、むしろ遠慮をしない。リーヴもそんなセリュフには一目置いていて、セリュフがどのように組織を動かしても全く気にしていない。
元々リーヴはさほど組織に執着はなく、セリュフのほうがリーヴと組織を結びつけようとしている。組織をどこまで大きくすることができるか挑んでいるところ。マイペースに野心を実現していく。
髪は濃茶、瞳は琥珀。白人系。


◆ キース
傭兵にしてカドル、雹雲のキスリング
戦場で数々の名を馳せてきた。いまはフィジと共にいる。女性であれば彼に見惚れない者はいないだろうというくらいの色男。金に近い薄色の髪、濃い蒼の瞳。
傭兵の中でも長身で、体格もそれに見合って均整が取れているので、普通の戦士から比べれば格段に身体能力が高い。得物は身長に合った並より長めの長剣。それを戦場で振り回せばどういうことになるのか想像しやすく、戦士仲間うちでは戦闘中にはキスリングに近寄るなと忠告しあっている。
笑みをたたえている事が多く、人当たりもいいが、やはり彼の持つ戦士としての雰囲気に気圧されて近寄れる人間は少ない。
男女共に憧れの的で、遠巻きにきゃあきゃあ言われるような人。フィジと出逢うまではいろんな女性と浮名を流してきたらしい。いまもきっといろんな人と関係を持とうと思えばそれができるが、心がフィジを求めているので彼女にしかその気になれない。
素のままが一番美しい男なので、あまりおしゃれをすることがない。フィジもキースを着飾らせる趣味はないので、二人して質素な装いだったり、旅をよくしているので地味な旅装のまんまだったりする。それでも目立つ二人。


◆キルリク
「リク」の項目に詳しい


◆ ケイレグ・ヴィンス
ミリアルグ国執政官
クイン・グレッドやジョーイ・ハーラットのミリアルグ国立司法院高等学部同期学友。この世代はクイン・グレッド筆頭に切磋琢磨していたため、歴代よりも特に優れた人材ばかり。
ミリアルグ国王より信を得て、若くして官僚のトップにあたる執政官(行政権と司法権を兼有する)の一人として任命される。主席卒業のクイン・グレッドと、上位成績者でミリアルグ有力家出身のジョーイ・ハーラットがミリアルグを離れたため、二人以外の国立司法院同期組の上位成績者は王から囲い込みを受けることとなった。あまり職務の自由が利かなかった彼らは、クイン・グレッドには学生時代も含めて恨み言や愚痴がたんとあるが、ライバル心と仲間意識とプライドが入り混じる彼らの世代はなんだかんだと結局は仲がいい。


◆ ナオ
邂逅の章 主人公の一人
リクと出逢った記憶喪失だった少年。マンダルバ領主後継問題の際にはリクに利用され、後継者候補として名乗りを上げさせられる。自分に記憶がないことに混乱していたが、徐々に思い出してきてからは、いまの状況から逃げることなく、その場その場で状況を受け入れていく。
“ナオ”は、本人が思い起こした呼称だったが、のちにはリクしか呼ばなくなる名。これからの呼び名は、ナオからすれば借り物。
ナオの外見は肉体年齢よりも未熟で、栄養失調のため熱も出やすいくらいに病弱。リクと出会ってからは周りがせっせと食べさせて成長を促している。
成長しても戦闘力は皆無に等しく、立場的に挑戦はしてみたが周りが即座にやめさせたくらいにひ弱で、本人は残念には思っているがしょうがないなと諦めている。その代わりのように感性が高く、特に耳から聴いたものの記憶力は高い。自主的に動けなかった現在の体と片割れの魂の経験による。ただ、覚えはよいが、言葉の発音は未熟で舌ったらずなときがある。これも体があまりにも未経験だったため。視力での読み取り能力も低いので頭が悪いと思われがちだが、体が慣れていないだけで記憶力は高く、ナオを侮った者はいろいろとしっぺ返しを食らうことになる。
典型的なマンダルバ人の特徴である、淡い褐色の肌、茶色の髪、茶色の瞳。色合いに特に個性はないが、リクに初対面で女の子に見られるくらいの外見はしている。
もう一つの別れていた魂のときの記憶と元の自分の記憶により、たまに寝覚めに涙していることがあるが、どちらの記憶も噛み締めるように大切にしている。
ナオが“剣の鞘”であることは、あのとき共にいた者と、マンダルバの重要人物、ヤトゥ中心人物しか知らない。


◆ フィジ
魔法士にして術者の女性
まだ若くしていろいろな仕事を請け負い、それを完遂させてきた。この時代では傑出した精霊の使い手。
善でも悪でもないと自称しているが、“人”というものを愛していて、人が巻き起こすものを見ていきたいと思っているだけ。
男性ならば彼女に見惚れない者はいないだろうというくらいの美女。色素の薄い金の髪、分厚い氷のような薄青の瞳。女性らしい肉体ではなく、小柄で頭が小さく手足も細く、体型はスラリとした少年のよう。
能力の高い術者で、術者組合からの依頼で仕事をこなすこともある。裏の仕事も請け負うので悪評も高い。


◆ フレイクス
ザグゼスタの父方の叔父の孫
ザグゼスタとは少し歳は離れていたが、信用のおける親戚筋のために友人として顔合わせをすることになり、気も合ったのでそのまま仲のよい友人となる。マンダルバ領主の血統ではないため領内の重要な職務にはついていないが、精神面やプライベートでザグゼスタを支えていた。領主親族からの信頼も高く、ユーリィンには特に可愛がられている。


◆ ユーリィン
マンダルバ前領主ザグゼスタの伯母
父ユグレイサスが領主であった頃に嫡子であったが、結婚したい男が領外の者であったため、妹のシスレインが後継となった。夫と死別後マンダルバに戻る。
ザグゼスタの息子であるカルトーリを気にかけている。己が放棄してしまったマンダルバ領主という地位を守ってくれる者を後押しするのを責務であると感じている。そのため、ザグゼスタの妻であるアラヴィには厳しく接していた。心が弱くマンダルバ領主の妻の責務を果たしていなかったアラヴィを認めるわけにはいかず、責務を負えないならば妻の座を降りるように言っていたが、子を亡くした負い目のあるザグゼスタが妻を放任していたため、実力行使することは控えていた。自分が厳しく言うことで親族の矛先をアラヴィから逸らすように行動していたが、アラヴィ側に理解されず、アラヴィの弟アーノルトからは陰険ババアと嫌われている。本人はまったく気にしていないが。
大国ミリアルグ国王に謁見を許される地位にいた夫に嫁いだときに、ミリアルグ方式の礼儀作法を完璧に身につけた、上品なおばあさん。


◆ ユグレイサス
マンダルバ前領主ザグゼスタの祖父
シスレインの父。三代前のマンダルバ領主。


◆ ユナム
マンダルバ領主後継者候補の一人
優しげな雰囲気の少年。付添人は、コーグ、サット、クラフ。
容姿はよく、凛々しさよりも可愛らしさがまだ優っている。マンダルバ人の特徴、茶髪茶眼。
実際の彼は、領主後継者争いに加わる道を進むと決断するに至った過去に魂賭けて誓約する、並々ならぬ精神力の強さを持つ。


◆リーヴ
「リク」の項目に詳しい


◆リク
邂逅の章 主人公の一人
(通り名)=リーヴ
(仲間内の呼称)=キルリク
「名もなき戦力」の頭領。キルリクとは古代語で扇動者の意。名もなき戦力は、やがて世界に影響を及ぼす“名のある”戦力になっていく。
ナオと出逢ったときには十代半ば。リクとは、ただ一人にしか呼ばせていない。大きな理由はないが、他の者にその名を呼ばれたときにはものすごく不機嫌になる。違和感があって気分がよくないのだろう。名がいくつもあるややこしい人物。
少年の頃から整った容姿で、プライドが高そうな女性たちからの視線が特に熱い。淡い褐色の肌、緩やかな癖のある薄茶色の髪、瞳は特徴的で、いろいろな色と金茶が入り混じった虎目石のよう。明かりで照らされると金色に輝いて見える。
彼を慕う子供達にも気を許すが、一番リラックスして自然にいられるのはナオと共にいるとき。ナオは彼を恐れながらも、自分を守る者だということを本能的に知っていて、両者共に甘やかし合っている。精神的に共依存なところはあるが、リクはナオのことは切り捨てようと思えばできる。が、結局は甘やかしてしまい、ため息を吐くことはある。ナオから見れば結構突き放されてると感じていても、普段の“キルリク”を知っている仲間内から見ればダダ甘い。
ナオや子供たち以外からの評価は、人によって様々。冷酷とも、仲間に篤いとも見えているが、根本的には孤独感が滲み出ていて、近寄り難い人物。剣技での戦闘力は並とは桁違い。鍛錬には手練れの者でないと務まらないので、ほとんど一緒にいることが多いル・イースが相手をしている。
幼少時から寂れたムトン地域で母親と共に拠点を転々と暮らしてきた。母親が基礎教育を幼いころから施してきたため頭はよく、成長期は読書を好まないにしても必要なこととやってきたので、年齢に対して知識力は高い。頭の回転がよく、物事の決断は早い。能力的にも性格的にも組織のトップ向き。
(戦闘力以外の能力については掲載しません。エピソードで読み取りください。)

◆ ル・イース
リクの忠実なる部下
リクが呼ぶようになったル・イースという呼称を名としている。リクに同伴することが多い。黒づくめの印象が暗い青年。黒髪。瞳は灰色だが、彼と面と向かって顔を合わせる人が少ないので、それを知っている人はごく稀。
美青年というほどではないけど、顔はそれなりに整っている。だけどとにかく暗い人。表情は乏しく、彼の行動には暗い陰りが漂うよう。鋭く俊敏な身のこなしで戦闘力は高い。暗器も得意で隠密行動に向いている。声を出すことがほとんどない。火精を持っており、戦闘時にはその力を発揮するが、リクが共にいるときだけ。
リクが母親と死別したときに傘下に入ったヤトゥ初期メンバーの一人。他にはセリュフとヴィイがいる。

◆ ルマ
マンダルバ領主後継者カルトーリの母
マンダルバ前領主ザグゼスタが妻以外に愛した女性。彼の子を身籠もり、身を引いてマンダルバを出て行ったが、十歳過ぎの子を残して盗賊に命を奪われる。
明るい性格で、ザグゼスタとは初めから気が合った。彼は彼女のおかげで癒され満たされる。普通に出逢っていれば似合の夫婦となれただろう。




***
追記は気まぐれにしていきますので、またお暇つぶしに見にきてやってください。



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