鈴鹿歌音

文字数 2,140文字

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はぁぁぁ……俺はもうスキーが出来ないのか……
俺から、スキーを忘れさせてくれ……
何でもするから……。俺の好きなストロベリーの香りのする女の子と出会えたら俺の全てが変わるのに……
    目の前に女の子が現れるのは、ふとした拍子だ。    

    しかし、俺はスキーで失敗した。大怪我を負い、もうスキーが出来ない身体になった。

    今は、まだ歩くのが困難な為車椅子生活を余儀なくされている。

    俺の能力は、『片すトロフィ』

    トロフィーを全て片付けてしまえばこの世界が終焉を迎えることになる。

    だから、その前に俺はスキーを忘れさせてくれる女の子に出会う為に……

clanon213

くっそー……。車椅子生活なんてやりたくない……。こんな坂道登れるはずがない
お手伝いしましょうか?
あぁ……申し訳ないが頼む……
はい、分かりましたわ♪
    こんなにも恋をしたいと思ったのは初めてだった。だから、俺は彼女に恋に落ちてしまったのかもしれない。車椅子を押してくれる彼女からは、ストロベリーの香りがした。

    これが恋の香りだ。恋の香りがする。

    『好き』ってこんな香りがするんだ。

    この時、俺は思い知らされる。

    俺の身体がこんな感じでも彼女は俺の事を捨てないだろうか。

    これで俺が捨てられたら全てのトロフィーを捨てて、世界に終焉を迎えさせよう。

clanon213

本当に申し訳ないね。この街には坂が多過ぎて、俺には住みにくい街だね……
どうしてあなたはそんなに暗いの?    あなた元スキー選手の滑山さんですよね。あなたは、怪我をしてスキー選手としての幕を下ろした。それでもあなたは生きている。だから、私にあなたを頂戴
あんた、色々と言うねぇ
そうなんだよね。ねぇ、私とキスしたらスキーの事忘れられるかもよ♥️
お嬢ちゃん、そんな事あるのか?    キスってお嬢ちゃんの口から出るのは凄いことだ
私だって大学院生よ!!    恋愛心理学専攻!!    キスは最高のLOVEのエッセンスって事ぐらい知ってるわ!!
じゃあ、そのラブのエッセンスでスキーを忘れさせてくれよ
分かったわ。この寂しい暗いあなたの世界を一度終わらせてあげるね
あぁ、お嬢ちゃんのキスで全てを忘れられるなら俺は……
    そういえば、俺はお嬢ちゃんの名前を聞いていなかった気がする。お嬢ちゃんとはどこかであった記憶がある。

    でも、お嬢ちゃんの名前を覚えていなかった。

clanon213

ところでお嬢ちゃんの名前は何て言うの?
私の名前は、愛川日和よ
ほら、俺たち初めて会う訳じゃないじゃないか
私もよ。初恋は、滑山さんだったんだから
そこに公園がある。そこで少しお話とかしようか?
そうだね。滑山さんのお話とか聞いてみたいなぁ
    俺は、お嬢ちゃんと一緒に公園で過ごすことにした。俺は、お嬢ちゃんの為に温かいミルクティーを買う。お嬢ちゃんは、俺のために温かいコーヒーを買ってくれていた。

    それが俺にとったらすごく嬉しい。こんなにも俺の事を分かってくれている人がスキーの事を忘れさせてくれるなら二人だけの世界を作りたい、とさえ思えてしまう。

    今は、車椅子生活の俺だけどお嬢ちゃんは俺の事を捨てないと思われる。

    きっとそうだ!!

clanon213

お嬢ちゃん、ちょっとお願いがあるんだ。いいかな?
良いですよ♪    何でも聞きますから♪
お嬢ちゃん、俺の大好きなストロベリーの香りがしているね
そうですよ♪    だって私の能力ですから♪
だったら、お嬢ちゃんのキスもストロベリーの香りがするのかな?    なんて冗談だよ。今のは、忘れてくれ
じゃあ、確認してみます?    私も最初で最期の恋ですから。最期ぐらいは大胆に……
最期の恋ってどういう事なんだよ……お嬢ちゃん
お見合い結婚させられるんです。愛もない結婚なんて嫌なの。だから、あなたとの出会いを最期にしたくない。このまま一緒にいたいの!!
俺だってお嬢ちゃんにそんな顔をさせる家族や野郎にお嬢ちゃんを渡したくねぇよ!!    それなら俺と結婚してくれ!!    それでお嬢ちゃんが救済されるなら俺は何でもやる!!
嬉しいわ……。滑山さんと一緒になれるなら私は何でもするわ
じゃあ、俺とキスしてくれ。俺だってお嬢ちゃんを手放したくない。手放してしまったらもう会えないかもしれない。そう思ってしまう
良いですよ♪
あっ、俺まだリハビリ中で立てないからお嬢ちゃんからキスしてくれないかな?
分かりましたわ♪
    お嬢ちゃんが俺の両頬に手を添える。そして、だんだんと俺に近づいてくる。はっきり言ってエロい。俺の大事な所が反応してしまいそうだ。距離も近づく。

    お嬢ちゃんも緊張しているのか顔が真っ赤に染まっている。

    そして、俺の唇に触れるだけのキスを落としたのであった。

clanon213

えへへ、恥ずかしいね。これで滑山さんとは仲良くやっていけそうです
デートとか手を繋ぐとか色々とぶっ飛ばしてるけどな……。俺が元気になったらまた俺からキスさせてもらうからな♪
それは楽しみですわ。連絡先聞いても良いですか?
もちろんだ
    これが俺たちの出会いの話。

clanon213

そこまでです!!
♥️終わり♥️

clanon213

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登場人物紹介

愛川 日和あいかわひより

性別:女

年齢:23歳

職業:大学院生


特徴:恋愛心理学を研究している大学院生。他人の恋愛には過剰に反応するが、自分の事になると何故か冷めてしまっている。年下でも年上でも良いので新しい恋がしたい、と思っている。

お見合い結婚を目論む父との間の確執があり、早く本命の人と恋人になり、ランデブーしたいと思っている。


能力:ラブラブ♥️ストロベリー☆KISS

本命の人とキスをするとストロベリーのような甘酸っぱい香りがする能力。本命の人とじゃないといけないのが難点であり、今まで何回かキスをしたことはあるが、ストロベリーの香りがしたことがない。今回がこの能力を発揮する最期のチャンスだと思っている。


作成者:鈴鹿歌音

滑山 英雪(なめらやま ひでゆき)

 

性別:男性

 

27歳。

学生時代、非魔人スキーヤーとして国内では有名な選手であった。

しかし初のオリンピック出場を目前に、競技中の事故で足に大怪我を負う。

その後、歩けるくらいには回復したものの、医師からもう一生スキーはできないという宣告を受ける。

魔人能力はこの一番絶望していた時期に身に着けたものである。

現在は精神的に安定しているが、スキーに対する未練は残っているらしく、スポーツショップとロッジの運営を生業としている。

 

能力名:片すトロフィ

彼が棚に飾ってある過去のスキー大会のトロフィの数々。

これを押し入れに片付けてしまうと、その瞬間世界が終わる

 

恋したい理由:「俺に……スキーを忘れさせてくれ……」

 

作者:qaz

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