第１話

①ハルナの場合
　好きだ。
　私は幼馴染みのアキラのことが、あらゆる意味で好きだ。
　愛しているといっても過言ではない。
　世界中の誰よりも、彼のことが好きだし愛している。
　出来ることなら今すぐ一緒に暮らして、結婚して、子供もたくさん欲しい。
　私とアキラなら、きっと幸せな家庭を作ることができると思う。
　だが、ナツカとフユミには気をつけねば。きっとあいつらもアキラのことを狙っている。
　あの性悪女どもが、アキラをたぶらかさないように見張っておかないと。
　絶対に負けるわけにはいかない。
　私こそが彼に一番相応しい相手なのだから。

②ナツカの場合
　好きだ。
　私は幼馴染みのアキラのことが、あらゆる意味で好きだ。
　愛しているといっても過言ではない。
　世界中の誰よりも、彼のことが好きだし愛している。
　出来ることなら今すぐ一緒に暮らして、結婚して、子供もたくさん欲しい。
　私とアキラなら、きっと幸せな家庭を作ることができると思う。
　だが、ハルナとフユミには気をつけねば。きっとあいつらもアキラのことを狙っている。
　あの性悪女どもが、アキラをたぶらかさないように見張っておかないと。
　絶対に負けるわけにはいかない。
　私こそが彼に一番相応しい相手なのだから。

③フユミの場合
　好きだ。
　私は幼馴染みのアキラのことが、あらゆる意味で好きだ。
　愛しているといっても過言ではない。
　世界中の誰よりも、彼のことが好きだし愛している。
　出来ることなら今すぐ一緒に暮らして、結婚して、子供もたくさん欲しい。
　私とアキラなら、きっと幸せな家庭を作ることができると思う。
　だが、ハルナとナツカには気をつけねば。きっとあいつらもアキラのことを狙っている。
　あの性悪女どもが、アキラをたぶらかさないように見張っておかないと。
　絶対に負けるわけにはいかない。
　私こそが彼に一番相応しい相手なのだから。

④アキラの場合
　好きだ。
　俺は幼馴染みの彼女のことが、あらゆる意味で好きだ。
　愛しているといっても過言ではない。
　世界中の誰よりも、彼女のことが好きだし愛している。
　出来ることなら今すぐ一緒に暮らして、結婚して、子供もたくさん欲しい。
　俺と彼女なら、きっと幸せな家庭を作ることができると思う。
　
　ハルナ。
　ナツカ。
　フユミ。

　本当に全員好きだし、愛している。
　一つの体に複数の心。多重人格の彼女は、内面の人格同士でお互いを嫌っているのが多少の悩みの種ではあるのだけど。
　それすらも愛おしく思う。