第1話

文字数 1,236文字

近くの公園で珍しいのに乗っている子どもを見た。
キックボード。
でも足をのっける台が一つじゃない。左右にそれぞれある。

そういえばいつからか、筏のオールを想起させるようなスケボーも目にするようになった。

ローラー付きの乗り物。
って、いつの時代も流行ってるのでは? そう思った。
(以下は私の推測や憶測のみで書き進めていきます)

自分が知っている範囲では、ローラー付き玩具の変遷はこんな感じになる。
①ローラースケート
②ローラーブレード
③スケボー
④キックボード
⑤ローラー付きシューズ

③~⑤が様々にカタチを変えながら、現在に至っている。
初めてローラー付きシューズを履いた子どもを見たときは新鮮だった。向かいから来た子どもが、急にアスファルトを滑走し始める。『ストリートファイターⅡ』のベガのような足並み。

どうしてローラー付き玩具は常に流行っているのだろうか?
3つの理由を思いついた。

①背伸びした感覚
②道具を使いこなす喜び
③スピード感

この3つが、いつの時代もローラー付き玩具が流行る理由だと思う。

①背伸びした感覚
ローラーが付いた台に乗る。
それはつまり、ローラーの分だけ背が高くなるということ。

普段、自分の足で立つ・歩く数センチ上から見る景色。
たかがローラーの分だけ、かもしれない。
それでも、乗るだけでローラーの分が上がった世界が見られるなら、多くの人がそれを見たいと望むだろう。普段から大人を見上げている子どもなら尚更。

②道具を使いこなす喜び
どのローラー付き玩具も、いきなり上手く乗れる子どもは少ない。
たくさん練習してたくさん転んで、ようやく上手く乗れるようになる。

自転車、竹馬、ホッピング、一輪車でも同じ。
乗れるようになると嬉しい。

乗れない(挫折)
 ↓
練習する(訓練)
 ↓
乗れた!(成功)

こうした流れを経験するのは、子どもにとって大いに役立つ。
(でも成功後の万能感ばかり味わうのは、もしかしたらあまり良くないのかもしれない。とも思う)

③スピード感
ローラー付き玩具は、手軽に速さを味わえる。
風を切って進む爽快感は、子どもでなくても気持ちがいい。

でも、スピード感にはもう一つある。
子どもの時間と大人の時間。
時間が過ぎる感覚が異なるとよく聞く。
聞くだけじゃなく、年々、時間が過ぎる早さを身をもって感じている。

子どもの時間(感覚)は大人に比べて長い。
6倍も長い。などとも言われている。

少しだけ高い景色を見て、上手く乗れるようになった子どもたち。
子どもたちは身体中で風を受けながら、遅すぎる時間の流れに抗っているのかもしれない。
そんな風に思った。

★☆★
ローラー付きの玩具を、私は持ったことがない。
(友だちのキックボードとかを少し借りて乗ったことはあるが。)

進化したキックボードやスケボーに乗ってみたい!
公園で遊ぶ子どもたちを羨みながら見てしまう。
すぐに乗れるものなのだろうか…。

でも私が乗ったら、いま以上にスピード感を得てしまうのか。
それは、少し避けたい。
地に足をつけたまま、歩いていくことにしよう。
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