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文字数 832文字

「地球に連絡しろ」
 
と俺がケイに言うと。

「しました。サンプルが欲しいとの事です」

「了解って、お前さんが船外活動するの?」

「まさか、マニピュレータで取りますよ」

「はぁ?時速何千キロだと思っているんだ?
しかも・・・、ハイハイ任せるよ」

「あなたがやるのです。大丈夫、相対速度を
合わせれば、止まっている様なものです」

と俺は、何故か外に出された網。
そう、虫取り網で飛来物を捕獲した。
 光っていてよく分からなかった。それを船内に取り込むと、研究室的な所で二人で調べた。
見た目はガラスだった。ふーん、てな感じだ。
雲母かな?水晶?と思っていると。ケイが、

「炭素ですね」

「炭素か・・・単結晶か?」

「そうです、硬いですね」

「おう、硬そうだな」

「ダイヤモンドですね」

「ダイヤモンドだよな」

 『え〜〜っ!!』

「ダ、ダイヤモンド!これが」

 そうなのだ、その大きさはラグビーボール位あった。一体何カラットなのだ?!

「じゃさ、衛星軌道を回っているのは、
全て・・・」

「ダイヤモンドですね」

「えええ〜!!億万長者だ。いや待て。
ダイヤモンドの価格が大暴落する。これじゃ、子供のオモチャも全て、ダイヤモンド製に出来る量じゃないか?!」

「はい、やりましたね船長!お宝です!」

「アホ!どうしたもんか・・・」

と俺が、報告すべきか悩んでいると。

「キャプテン、地球から連絡が入りました。
可能な限り、持ち帰れとの事です」

「ああ〜、お前連絡したの〜。あのねぇ馬鹿な連中が大挙してやって来るよ。戦争になるかもよ〜」

と言うと。

「はぁ、もっと最悪な報告がありますよ」

「何だ?」

「地表は、金で覆われてます」

 終わった・・・全て終わったな・・・。
俺は金持ちでは無いので。つまらん心配は止めて。地球への帰路に入った。
地表の金は90気圧では、とても取りに行けないので諦めた。
 そして後に、金星大開発時代を迎えるのは
記憶に新しい。

「やっぱり、宇宙の海にはお宝が眠っていたのだな」

とケイが、したり顔で言った。

 ハイハイ・・・。

終わり。
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