「ハピネス・キッチン」プロット

文字数 1,474文字

●第一章「母の日のフラワーゼリー」

 中学一年生の二階堂愛(にかいどう あい)、通称ラブは人気お料理ユーチューバー。
 動画の撮影と編集は、グルメライターの父と、ちょっと不良っぽいイケメンの幼なじみ凌牙(りょうが)が担当。とある国の宮廷料理人をしている母に、料理をする姿を見てもらいたいと動画の配信を始めたが、ラブの作るキラキラかわいい料理が十代女子を中心に大人気。モットーは「料理でみんなを幸せに!」
 ある日、母の日にちなんだスイーツを考えていると、園芸部のすみれと会う。花が好きなすみれは入院している母にお見舞いの花を持っていくが、病院で生花を断られ、がっかりしていた。
 そこでラブは、エディブルフラワー(食用のお花)を閉じ込めたゼリーを思いつく。動画の撮影にすみれを呼び、作り方を教える。
 花がたくさん入った綺麗なゼリーに、すみれは感激。すみれのお母さんも喜んでくれたと聞き、うれしくなる。ラブも遠くに住む母に届けようと動画をアップすると、すぐに母からコメントが来たのだった。


●第二章「キレイになりたい! ビューティー・ジュース」

 最近、ラブの動画に心ないコメントが届く。ラブを溺愛し、自称ボディガードの凌牙がいつも削除しているが、うっかり消し忘れたものをラブが見てしまう。ラブは気にしていないが、凌牙はラブの周りに目を光らせる。
 犯人は隣のクラスの麻衣。(麻衣の親友、咲良が暴露した。)麻衣は美容系の動画配信をしていたが、数字が伸びず、辛辣なコメントまで届いてやめた。ラブをやっかんで悪いコメントを送ったのだ。
 ラブは怒ることなく、「動画を続けるって大変だよね」と共感すると、麻衣はラブに謝る。ラブは次の動画撮影に麻衣を誘う。
 ラブは配信仲間として麻衣を紹介し、美容にいい野菜やフルーツのジュースを一緒に作る。その後、麻衣はラブに簡単ヘアアレンジを施し、その様子も流した。
 「動画は数字も大事だけど、一番大事なことは、自分が楽しんで番組を作ることじゃないかな」ラブの言葉に、はっとなる麻衣。その後、麻衣は配信を再開、徐々に数字が伸びていき、よきユーチューバー仲間となった。

●第三章「幸せのクロカンブッシュ」

 いとこの翔平の結婚式に来たラブたち。しかし式の前にウェディングケーキが何者かに傷つけられ、ケーキカットが中止に。
 ラブは機転をきかせ、式場のホテルのスイーツビュッフェにあったプチシューで、クロカンブッシュ(注1)を作り、見事結婚式を成功させる。
 凌牙とラブは犯人を捜す。犯人はケーキを作って運んだパティシエ、野上。
 野上は新婦、茜の元恋人。茜を忘れられなかった野上は、偶然にも自分が作ったウェディングケーキが茜のものだったと知り、やりきれずにケーキに傷を付けて帰ったのだ。
 「スイーツは人を不幸にするものじゃなくて、幸せを与えるものであってほしい」というラブの言葉に、涙を浮かべる野上。
 茜はシュークリームが大好きで、『シュークリームで店の善し悪しがわかる』が口癖だったとラブが言うと、「それは僕が茜に教えたことだ」と野上。茜の心に、少しでも自分が残っていることに心満たされた野上は、もう一度夫婦のためにケーキを焼くことをラブ達に約束した。
 大人の恋愛を見て、いつか自分も、と憧れるラブ。凌牙にも好きな人がいると聞き、なんだか気になってしまうラブだった。

(注1)クロカンブッシュ
プチシュークリームを糖衣で固めて、ツリーのように積み上げたもの。フランスではウェディングケーキとして使われ、二人で持った木槌で割りながら分けて、参列客に配る。
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