11/19 ローマ郊外(北西部)

文字数 1,049文字


今日もトレニタリア鉄道でローマ郊外へ。
都市部にはもう飽きたから空気の良いところへ行きたいのだよ。

それにしてもテルミニ駅にはチップ目当てで近付いてくる輩が多い。チケットを買おうとすると必ずといっていいほどやってくる。先進国とは思えぬ治安の悪さ。

それはともかくとして、乗客の少ない列車でのんびり一時間程。
油断して目的の駅を乗り過ごしてしまったが、折り返すのも面倒なので次の駅で降りてみる。

そこは、名も知れぬ海岸沿いの街だった。
ビーチがあるのでリゾート地だろう。高級住宅地もあった。
海が透き通っていて神秘的なまでに綺麗だった。
こんな綺麗な海を直に見るのは初めてだった。
気温15℃であるにも拘わらず、泳いでいる強者もいた。
犬も泳いでいた。

海岸から駅を挟んで反対側は住宅街やスーパーマーケットがあるだけだ。
おおよそ観光客が来るような場所ではない。
東洋人は一人も見かけなかった。
しかし、このような街をワケも分からず当てもなく歩くことこそ我が旅の真骨頂とも言える。
食事ができそうな店がなかったので、スーパーで3個80セントのロールパンを買って食べた。工場製品だが、これはこれでおいしい。

そうして、知らぬ街を堪能した後、テルミニ駅へ帰還。
まだ時間があったので駅周辺を改めて散策する。
テルミニ駅東部は店が少なく、それほど騒がしい場所ではなかった。
駅西部には店が多く、ホテルがある位置は特に騒がしい場所だった。
東部にあるホテルにすれば良かった。地図を見ただけでは分からなかったのでどうしよもない。

クイリナーレの丘方面は人も車も多く、ひどい空気だった。
肺に有害物質が大量に突き刺さった。気持ち悪い。

ファミリーレストランのような店でカルボナーラを食べた。
塩気が少ない代わりに油気が多かった。
おいしいことはおいしいが少々胃にもたれた。
リーズナブルな店なので贅沢は言えない。

レストランからホテルに戻る途中、移民らしき若者が「你好、你好」と声をかけてきた。筆者を中国人と思ったのだろう。まあそれはいいとして、えらく友好的な感じだったので戸惑った。金目当てなのか友達になろうとしているのか区別が付かない。
結局、「No Japanese」とだけ返して早足で歩き去った。長旅で疲労が蓄積している上、食後で動きが鈍いということもあり、いざという場合を考えるとそうするしかなかった。もしかしたら良き友を得る千載一遇のチャンスを棒に振ってしまったかと思うと惜しい。
チャンスとリスクは表裏一体。
何かを得るには何かを失う覚悟が必要ということか。
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