プロローグ2

文字数 4,344文字


僕の名前は更屋敷潤(さらやしきじゅん) 日本本土で一人暮らしをしていたんだけど…おばあちゃんに八名島に来るよう言われて船に揺られながら向かっている最中だった。
「 八名島か… 懐かしいな… 何年ぶりに行くのだろうか…? うーん? 思い出せないな。」
( おばあちゃんの急な呼び出しなんてろくなことが無いからな。不安ではあるけどもう船に乗っちゃったしな。さて、どうなるのか… )


「 潤くーん おーい もしもし、聞こえていますか!! 」
目の前で手を振っているのは日本の最高神であり、創造神でもある天之御中主神様(あまのみなかぬしのかみ)と天の創造神である高御産巣日神様(たかみむすひのかみ)、地の創造神である神産巣日神様(かみむすひのかみ)の3名である。
( 全く何を考えているんだか…あいつは… まぁ、察しはつくけどな。)


「 ねぇねぇ 潤しゃーん 見えてるよね? ⊂グスン 」
僕以外の人には声も姿も聞こえず、見えないらしい…おばあちゃんもマギサズの妹二人でさえも、見えないのだと言うが触れたり、音をワザとたてれば分かるみたいだ。
天之御中主神様(あまのみなかぬしのかみ)には魔法量の違いと性別の違いなどが関係しているそうだとか
( 確かに アメお姉しゃまの言う通りです。男のマギサズなどがいるなど知られたらWDGTO( 世界亡命政府条約機構)や各国の旧軍が誘拐や兵器利用などを企てるかもしれないのに⊂グスン )


「 返事がありませんね。これはつんつんしないと治らないのかもしれません。」
( ありえる話だ。だが、私たちが居る限り、大丈夫だ。 )


「 あっ ごめんね。ちょっと考え事をしていたんだ。それにちゃんと3人の事見えてるし、会話も聞こえてるから大丈夫だよ。 」
( えー!? だって、つんつんしたいだもん。僕らの可愛い存在なんだよ? )


「 あっ…そっか。八名島に行くのもおばあちゃんや妹ちゃん達に会うのも久しぶりだから緊張してる?
それとも何も聞かされずに潤くんのお母さん、お父さんが創った島に行くのが不安なの? 」
( つんつん病なのですか? ムスお姉しゃま? それとも変態しゃんですか? )


「 両方かな? 不安もあるけどおばあちゃんと妹二人に会えることも楽しみではあるよ。」
( カミちゃんは気にしなくていいのよ。あの子はあぁ言う性格なのよ。ある意味では変態的ではあるけどね。)


「 そうなんですね。それは安心しましたよ。潤しゃん にひひ また、つんつんさせてくれるかな?? 」
( えー!! 何それ!? お姉さま、私がおかしい子みたいじゃん。ムゥーー!! )


「 ふふ それはどうだろうね。もう、中学2年生だから難しいかもよ。心配してくれてありがとう。さて、そろそろ寒くなってきたし、部屋に戻ろうか。」
( アハハ、冗談なのに… でも、周りに不審な人影がいないかは常に確認しておかないといけない。)


「 うん、戻ろう。そして、明日に備えて早く寝るようか。」
( 全く、お姉様の言葉は冗談に聞こえなかったよ… 色々と )
そうしてデッキから僕たちは部屋へと戻って行くことに でも、これから前途多難な日々が待ち受けていることをこの時は未だ知らずにいた。
部屋に着くと3人はバスルームのお風呂に 潤は大浴場でのんびりっと入り、部屋に戻った時には3人共、寝ていたので潤もそのまま眠りについた。


翌日、目が覚めると机の上に「 おはよう。潤くん 私とムスちゃんは最後の船から見る景色を堪能しにデッキに居るから安心してね。byアメ 追伸 カミお姉しゃま、昨晩から悪夢を見ているようなので冷やしたお水を飲ませあげてください。byムス」という置手紙があり、本当に悪夢を見てる様子で少し心配になったので見守ることにした潤であった。


部屋に着くとURO( ディザード対策研究機構 )統括本部から僕宛てにRyleが届いていた。
「 あれ? おかしいな? URO( ディザード対策研究機構 )統括本部の副本部長二人に伝えるよう言った気がするんだけど…佐々結子(ささゆうこ)首席秘書官にも言うように言ったよね? 高御産巣日神様(たかみむすひのかみ)さん? 」
( あれ? URO( ディザード対策研究機構 )統括本部に伝えたかな? そういえば、結子に伝えてなかったような? ムスちゃん? )


「 あっ…!! 伝えるの忘れたかもしれないです…潤くん… 」
( 確か、潤くんに言われたような気がする… もしかして、潤くん 怒ってる? )


「 ハァ… 全く高御産巣日神様(たかみむすひのかみ)さん、ちゃんと佐々結子首席秘書官だけは絶対に心配するから伝えておいてねって言ったのに… 」
( さぁね? 怒ってるのか呆れられてるのか分からないよ。ただ、この失敗は痛いだろうね。)


「 えっ… えーーーー!! ちょっと…待っ…て… 」
( 自業自得ですよ。カミお姉様…?? いや… こんなのお姉様でも何でもないゴミですね。)
妹からの容赦ない言葉をかけられたところで目を覚ますっともう、八名島(八名共和国)に到着していたのであった。
ただの夢かと安堵しつつも先に起きていた潤が冷たいお水を持ってやって来た。


「 大丈夫? カミちゃん、悪夢でも見てたの? ずーっと、うなされてて心配したよ。」
優しい笑顔で冷たい水をサッと差し出す潤 それを無言で受け取り、一気に飲みほしたカミちゃん
そしてうなされていたことの原因を潤に話した。


「 うん、嫌な悪夢見てしまいました。ですが、潤くんが迎えに来てくれたので… 安心しました。にひ 私が寝てる間に八名島に到着していたんですね。」
( 大丈夫 大丈夫 大丈夫です。お姉様たちはどこにいるのでしょう? )


「 うん、到着したよ。あの2人ならまだデッキにいるんじゃないかな? もうじき、出入国検査があるから 最後に船からの景色を見るんだってさ。少ししたら一緒に行く?? 」
 ムスちゃんは少し起き上がったものの「 残念ですが…まだデッキに行けるような状態ではないのでエヘヘゞ ごめんなさい。」と答えた。
( 私のバカ バカ バカ  なんで断っちゃうんですか… ハァ… )


「 こちらこそごめんね。配慮が足りなくて…ゞ それにそんなに汗かいてる状態では色々と…見えてしまうし… ちょっと待ってて 」
慌てて部屋にあるバスルームに向かって行った時にこれはあの2人のちょっとしたイタズラだと察した潤 何で慌ててバスルームに向かったのか理解出来ていないカミちゃんはきょとんっとしていたが…自分の着ているワッフルガウンが物凄い汗で下着やベットが濡れていた。
それに気づいたカミちゃんはこれはあの2人のイタズラだなっと確信し、あの2人を呼び出した。
( さっさっとお2人とも戻って来なさい。あぁ、言っておきますけど逃げようなど考えない方がいいですからね?♯ )


それから5分後、2人は観念したかのように部屋へと戻って来た。
「 まず、これはどういうことなんですかね? 何故、ワッフルガウンごと下着も濡れているのか聞かせて貰いましょうか?♯ あと、このベットシーツのシミは何ですかねぇ?♯ 」
( これは…ヤバいよね…? マジギレのカミちゃんだよー!! どうする? ムスちゃん )


「 ごめんなさい。アメお姉しゃまが…提案した…ものです。」
( ほぅ お姉様が…ねぇ?♯ どうしてくれようか?♯ )


「 いやー あのー…ねぇ? てへっ 」
( あっ… これは死んだな )と思うムス それに気付かないアメ それを見たムスはカチッときたのだろう。アメを無言で首根っこ掴んでそのまま天地開闢(てんちかいびゃく)の世界に連れていった。
そのすぐ後に潤がカミを呼びにベットルームに戻った時にはムス一人が部屋に戻って来ていたため、なんとなく察して何も聞かなかった。


「 ムスちゃん、おかえり なんとなく察したからカミちゃんとアメちゃんがいない間はどうしようか? 多分、戻って来る前には荷物検査のために保安検査場に向かわないといけないけど… 」
( まぁ、すぐには戻って来る訳無い… 待ってるしかないか… )
天地開闢(てんちかいびゃく)の世界に無言で首根っこ掴まれて連れて来られたアメはかなり怒ってることは理解出来た。
ここで何をされるかも理解しているアメはカミに対して必死に謝るも無言で着々と準備が行われていく。


「 マジでごめんってー!!! 本当にごめんって!!! もうしないからねぇ?  ねぇ、ねぇってばさぁー!! 聞いてよー!!! 」
( 早くお仕置きを終えて戻って来てくださいね。潤しゃん、困ってるので…ね? )
カミはお仕置きの準備を整え、ムスから送られて来た通信を独り言かのように伝えた。


「 分かりました。5分で1万回のフルスイングおしりペンペンが終わったらそちらに戻るとお伝えください。さて、やりますかねぇ?♯ 」
( わかりました。カミお姉しゃま では… 頑張ってくださいね。アメお姉様!! )


「 ヒィィィ それだけは… 勘弁をぉぉぉぉ!!! 」カミは大きいバット一瞬で創造してそれを両手で持ってヒュン ヒュンっという音がする素振りを近づいて来る。
「 さぁー 始めましょうか? 」 「 いやぁぁぁ!!! それはマジで洒落に… アァァァ!!!x 」そして5分間で1万回のフルスイングおしりペンペンが始まったその頃、潤とムスは自分たちの部屋を片付けてからアイランドパトロール隊員が荷物検査をしている保安検査場にひとまず向かうことにした。


「 とりあえず、僕の服とや下着類などは大きいカバンにしまっておくとして… 問題はAK-78M、9mm拳銃改、M12バヨネット、UMSC MarkⅥ、神装 夜叉羅刹(やしゃらせつ)だな。一応、全部入るし持ってるけど… 荷物検査には引っ掛かるだろう。さて、どうするかだな。」  
( 一応、念の為に持って来たアイランドパトロール最高幹部専用装備一式はムスちゃんに持って貰うかな。うーん でも、女の子だし持たせるのは良くないよな。)


袖を少し引っ張るように握って「 潤しゃん 潤しゃん 」っと呼びかけるムス すると天地開闢(てんちかいびゃく)の世界からお尻が赤く腫れているアメと何だかスッキリっとした顔をしているカミが戻って来た。
「 おかえり 2人共、カミちゃんはそのままお風呂入ってね。アメちゃんはお尻 氷水で冷やそうか。」
( 結構、早かったな。今回は… 相当、怒っていたと思うけど… )


「 はい。そうですね。このまま放置もありだと思いましたが、すっごくくっきりっとバットの跡が残っているので是非、見てあげてくださいね。にひひ 」
こういうすったもんだがありながらも、無事、八名島(八名共和国)第一ターミナルの保安検査場を通過し、入国することが出来たのである。
それから僕たちはおばあちゃんが迎えに来る予定の海が一望出来る公園に向かった。
これから始まる前途多難の日々を予感させる出来る事が起こるとはこの時の僕は知らないのまま…

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