第1話

文字数 3,616文字

何が悪いねん? 2

ヒロとの性交を終えて、モト子はそそくさと服に着替えてる。なんかせせこましい。
ヒロ「お前何あわててんねん?」
モ「やることやったでしょ。あんたも早く着かえや。」
ヒ「しかし、どうもわからんな。小泉さん(ミコの旦那)と喋ってるだけでなんであんなに慌てる?おまえ他にまずい事あるんちゃうんか?」
モ「別にないよ。」
ヒ「あるな。他の男の人と二人だけで夜遅く残業して話してるとまずい人がいる!それが誰か当てたろか?」
モ「だからいないってば!」
ヒ「じゃあ言ってやろう。大川さんだろ?」
モ「えええ?」
ヒ「どうだ図星だろ?」
モ「なんでよ?」
ヒ「おまえ、だって、こないだ一緒に車に乗る時に『え?大川さんこの車知ってるの?』って一瞬焦ったやんけ。なんで焦るねん?結局、大川さんに他の男の人と夜残業して世間話してるのがばれるのが怖いだけや。」
モ「うーん、、、黙っとって。」
ヒ「よし、じゃあ、条件がある。週1回は俺と一緒に寝る。場所はここホテル南球場だ。」
しかし、よっぽどバレたら怖い理由がありそうやな。」
モ「きかんとって。あんたの言う通りするから。」
ヒ「よっし、いいぞ。」
モ「なあ、私とセックスするのそんなにいい?」
ヒ「ええな。タイプやで。長身フェチにはたまらん。」
こうしてヒロはモトコと週1で性交することになった。勿論そんな事をミコは知らない。でも、ミコはやはり元の彼氏のマー君と性的関係を保っていた。そうなったらもうただの浮気ではない。不倫そのものだ。ヒロとはまだ性的なところまで行っていない。だからヒロが他の女と性的関係になったのも無理はないのだ。
前編でふれた梅田女子のワクちゃんがいつも言ってる「ヒロ君はなんでそんなに悩むのん?男と女はなるようにしかならへんで。」て言うのが納得する。そうだよ、別に悩まなくてもいい。男と女はその自由な関係を構築すればいいのだ。
仮にそうしたとしてもだ、何が悪いねん??
ミコの旦那の民男だって他の女と関係ありそうだし、旦那がそうならミコだってそうなる。それって別に誰も悪くない。
マー君って知らないな。彼もミコ以外に彼女いるのかな?
帰りの車で、モトコを送った後、4車線の交差点で信号待ちしてたら、一番向こうの車線にやはり待ってる車がある。笑ながら喋っている。よく見るとテンちゃんと他の男だ。
やっぱり紛れもなく彼氏がいるのだ。向こうは気が付いて挨拶してきたが、ヒロは急に不機嫌になって、知らんふりして車を急発進させた。「くっそー」内情が分かってても実際に目の当たりにするとすごく不愉快になる。ヒロは、どんどん車を西へ走らせた。
一方のテンちゃんの車は
テ「あれ?何であんなに怒ってるのやろう?」
テンちゃんの彼氏「不機嫌そうだね。あの人がヒロさん。」
テ「そうよ。いつも楽しそうなのに。」
彼氏「なんだかこっちの事怒ってるようだね。」
テ「そうかなあ?」
一方ヒロは無性に車を走らせていた。実際にテンちゃんの彼氏を見ると、気が静まらなかった。
しかし、、「男と女はなるようにしかならへんで」、これだ!もうもがいても仕方がない。それに、自分だって他の女と寝てるし、人の事をとやかく言えた立場ではない。ヒロは気を静めて家に帰った。
「まあいいや。今後モトコとセックスできるからな。性格とかどうでもええねん。気持ちよかったらええねん。足の裏が綺麗やったらええねん。『身体がなきゃ、誰がお前を~(BOOWY)』
ーーー
後日、ミコはマー君と会った。やっぱり会ってたのだ。
ミコ「ヒロ君が私らの事疑ってるのよ。」
マ「へー、何て?」
ミ「おまえらする事してるんのやろ?って」
マ「それはヒロ君も僕も同じじゃないか。人妻とは性的関係持たない。だから不倫の関係じゃないんだって。そう言ってるんだろ?」
ミ「こないだも、あの子にあんたの名前呼んで、誤解されてるのよ。」
マ「ぷふっ、それはミコちゃんの大ミステークやな。笑」
ミ「どうしよう。誤解といてくれるかな?」
マ「そんなんどうしようもないで。ほっといたらええやん。」
ミ「ほだって、、、」
マ「結局ヒロ君に会いたいんやろ?会うたらええやん。」
ミ「機嫌なおってるかなあ?」
マ「僕のこと殴るって言ってるんやろ?関わりたくないわ。一ぬけた!」
ミ「ね、私の旦那が構ってくれないから仕方なく二又かけたって言ったら許してくれるかな?」
マ「どうやろ。やってごらんよ。僕もそれに賛同してるからこうやって会ってるんやし。」
さて、ミコの旦那民男はどう考えてるんだろう?不倫してるのだろうか?でも、こないだモトコとの夜の会話では悪びれるとこも無かった。じゃあどうなんだ?奥さんの事愛してないのか?
かと言って、ミコの旦那に直接事情を訊くわけにはいかない。下手すると、ミコとの関係がばれる。向こうが上司だから会社にいられなくなる。
でも、自分の家を継がなければならない。だから不倫なんかしてられない。そんな事すれば自分の立場を失う。じゃあやっぱり奥さんを蔑ろにはできないはずだ。
結局ミコは「性格の不一致」を嘆いてるのではないか?そう、離婚の原因トップだった「性格の不一致」だ。思ったほど深刻ではないと思われる。じゃあ、何が悪いねん?「考え方の違い」ただそれだけのことだ。それで旦那に内緒でドライブ行かなきゃならんのか?ヒロの爺ちゃんは「お前ごっつい目に逢わされるぞ。殺されるぞ。」て言ってた。死んでも人妻、かつての彼女と付き合うのか?ヒロはそれらの事を考えると、当分はミコにも会わなくていい。モトコとセックスしてる方が気持ちいい。そう思うようになった。だって誰からも責められないしな。会社の上司にもクビにさせられない。モトコの足の裏が綺麗だから、舐めまくろう。そうしたとして、何が悪いねん?
さあて、ヒロは今日は久しぶりに梅田女子のワクちゃんに会おうと、箕面まで出かけた。でもヒロにとってはワクちゃんは背が小柄だ。だからあんまり勃たないんだ。性的にももひとつだ。だけど、恋愛についてはヒロよりも熟知している。いろいろ教えてもらおうじゃないの。
ヒロ「ねえ、ワクちゃんの大学ってさー、男づきあい盛んだったの?」
ワク「なんで?」
ヒ「色々詳しいからさ。」
ワ「醒めてるだけよ。ヒロ君やミコさんが血の気が盛んなだけよね。」
ヒ「へー、それどういう意味?」
ワ「もっとクールに考えたらええのよ。何かある度に頭に血が上るやん。あれあかんで。恋愛で失敗するだけ。」
ヒ「ミコもそうか?」
ワ「うーん、そうやなあ。旦那さんの事も深刻になりすぎやわ。夫婦だって所詮は他人なんやし、他人だって割り切ればもっとスムーズにいくわ。」
ヒ「彼女時々泣いたりするやん。よう解らへんねん。おいらに対する見せつけか?何らかのヘルプを求めてるのか?」
ワ「ほらそない思うやろ?そやからあかんねん。女の涙に弱いって、下手すると致命的よ。」
ヒ「そうか。何もなかったようにすればいいねんな?」
ワ「まあでも、何のかんの言うてヒロ君もミコさんのこと好きなんやろ。私が出る幕違うわ。」
二人は千里でパフェとか食べた。

その頃、モトコは大川さんと会ってた。会社休みだからな。昔から同じ職場にいるのでよく知ってるのだ。しかも、奥さんとも馴染だ。
モ「ヒロ君が、私と大川さんの仲を勘ぐってるのよ。」
大「ヒステリックやからな、ヒロ君は。」
モ「どうしよう?」
大「ほっときゃいいじゃん。」
モ「でも性的な関係を迫って来るし。」
大「モトコちゃんがOKなら続ければ?」
モ「うーん、そうねえ。周りの友達から男性との接点を持った方がいいってよく言われるから。。。」

その日の晩にヒロはモトコとホテル南球場に行って、モトコの足の裏を舐めた。「美味しい」とか「塩っぱい」などと言いながら必死で舐めている。
「馬鹿じゃないのこの男?」とモトコは思った。でもフェチってこうなのよね。そう思いながらも一方で段々感じてくるモトコなのであった。
モ「右足の甲も舐めて」
ヒ「うん。」
モトコは右足の甲を舐められながら、左足でヒロの頭を撫でた。さぞ気持ちいいんだろうと思ってるかのようで、実は馬鹿らしくてヒロの頭蹴っ飛ばしたくなる程だった。
モ「ホンマにこんなん毎週やるのん?」
ヒ「嫌か?」
モ「嫌っていうより馬鹿らしい。あんたこんなんで気持ちいいの」
ヒ「うん。」
モ「あ、、左様か。(ため息)」
ヒ「そういえば、あの人死んだな。。。」
モ「えへ??誰よ?突然・・・」
ヒ「そやそや、あんたと同じ女子大やった人や。ええ人やってん。めっちゃ別嬪やったわー。何かお前とこうやって寝てんのあほらしなってきたわ。帰るわ。金は払うとくからな。ほな。」
モ「何??ヒロってホンマにアホやな!?」
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