第１話

私はダイエットを決意した。
これで何回目か、もうわからない。
ダイエットにチャレンジすることは簡単にできるが、三日と続いたことがない。
そんな私に、三日坊主のあなたにも、履くだけ簡単ダイエット「ダイエットシューズ」の文字が目に飛び込んできた。
これはいいかもと思い、早速購入しウキウキしながらダイエットシューズを手にすると、踵の部分に目標体重を設定するダイヤルがあった。
私は５０.０と設定し履いてみた。

履き心地は素晴らしい、自然と姿勢が良くなり体幹が鍛えられそうだ。クッション性は抜群で弾むように、足が前に出る。
その瞬間「デブ」「デブ、デブ、デブ」
着地と同時にダイエットシューズが私を罵るように喋りだす。
「失礼じゃないの！確かにぽっちゃりはしてるけど、誰にもデブなんて言われたことなんてないわよ」
「デブデブデブデブデブデブ…」
歩くたびに聞こえてくる。
「くやしー、絶対に痩せてやる」