第1話

文字数 1,012文字

 皆さんは「おまけ」が好きですか?
 わたしは好きです。おまけを目当てに雑誌などを買うことがよくあります。
 ムーミンの手帳とか、スナフキンのトートバッグとか、リトルミイの万年筆とか。
 いやそれ、おまけが好きというよりムーミングッズが好きなんじゃないかというツッコミは受け付けておりません。はい。
 そんなわたしですが、お世話になっている牧師が、その方の恩師の「新約聖書は旧約聖書のおまけです」という言葉を紹介したときには正直びっくりしました。そんなこと言ってもいいの? と。
 まあ、分量からしたら、まるでおまけのようにも見えますよね、新約。聖書を手に取ったら、ほぼ三分の一くらいしかありませんもの。
 でもそれだけじゃないかも。おまけって、子どもが喜びます。神さまの子どもとして、素直な気持ちで受け止められる聖書が新約ということ? でもでも、新約聖書ばかり読んでいたら信仰者として大人になれない、ということでもあるかもしれません。
 おまけがめあてで買った雑誌の内容が、なかなか役立つということもあるものです。たとえば昨年、ムーミンファミリーのレンゲセットつきだった雑誌のダイエット特集で、わたしは二キロ減量できました。
 と、いうようなことを話していたら、語学が堪能なお友達に、「おまけは英語でBonus、語源はラテン語の《良い》なのよ。フランス語のボンジュールのボンと同じ」と教えてもらいました。わあ! と思いました。新約聖書の福音書は「GOOD NEWS」=「良い知らせ」ですから、まさに、ですよね。
 旧約聖書と新約聖書といえば、前述の牧師がこんなことも言っていました。「旧約聖書が問題集だとすると、新約聖書が解答集といえるかもしれません」。うーん。これもじわじわ深い。問題と解答、どちらが欠けても成り立たないですよね。問題を自分の力で解こうとしないで解答集を写したら、やっぱり大人になれないような気がします。
 わたしが大切にしている聖書は、通っていた教会学校からのプレゼントです。見返しに旧約聖書の言葉が記されています。「あなたの御言葉は、わたしの道の光 わたしの歩みを照らす灯。ー詩編119:105ー」と。その聖書の手擦れしているところは新約聖書と、詩編です。もっと旧約聖書を読みこんでいきたいなあ、と思っています。
 おまけもいいけど、本体もだいじ。
 解答集に頼るばかりではなく、問題集にもじっくり取り組む。
 そんなふうに。
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