プロット

文字数 1,277文字

起)奨学金で私立・湊中学校に通う二年生の大沢 芹那。校内でも一番派手で人気のあるグループに入ってリア充生活を送っているが、じつはみんなには知られてはいけない秘密が2つあった。
 1つは、小学校時代、おせっかいで世話好きな性格のせいで鬱陶しがられてぼっち生活を送っていたこと。2つめは、シングルマザーのため経済的に苦しく、街では怪談アパートとウワサされる鞍月荘に住んでいるということ(実際、怪奇現象が多発していて、住んでいるのは芹那たちだけ)。
 しかし突然、そのアパートに三人のスーパーイケメン中学生が引越してきた。同じクラスになり、校内でもすぐに人気者になる三人。しかしどこか世間ずれしている……と不思議に思っていたら、なんと三人の真の正体は妖怪だった。カラス天狗の黒杉 天、妖狐の白藤 百、猫又の市川 陽。たった1人正体を知ってしまった芹那。3人から「もしバラしたら……」とおどされてしまい、命をかけて秘密を守ることになる。

承)天たちを、リア充グループの美香たち三人が好きになってしまい猛アタックを始める。正体を妖怪だとは言えない芹那はそれぞれの恋を応援する羽目になり、目前に迫っている京都の修学旅行も同じグループになってしまう。天たちが妖怪だとバレてはいけないと思い、『人間らしくふるまうためのレッスン』という名の修学旅行のシュミレーションを始める。一緒にご飯を食べたり、寝泊まりしたり……レッスンを通して三人と急激に距離が縮まっていく。「あれ? もしかしてわたしも好きになり始めてる……⁈」と意識し出す。けれど、そのレッスンのことが美香たちにバレてしまい、「抜け駆け最悪。グループから抜けて」と言われ、旅行前日にぼっちになってしまう。

転)修学旅行当日、1人で過ごす芹那。事情を知らない天たちは何かとかまってきて、美香たちの機嫌はさらに悪化。彼女たちに嫌われたくない芹那はつい、天たちに「もうわたしに関わらないで!」と突き放してしまう。
 グループ行動の日、あれだけ機嫌が悪かった美香たちから「一緒に回ろう」と笑顔で誘われる。許してくれた!と大喜びする芹那。しかし、みんなの様子がいつもとおかしい。天たちも一緒におらず、計画していたルートも無視してどんどん人気のない山奥に誘導される。大きな土のトンネルの前まで来ると、その中から巨大な蜘蛛=妖怪・土蜘蛛から現れる。芹那を見て「うまそうだな」と大きな口を開き、食べようとする。

結)トンネルまで連れてきた美香たちは、土蜘蛛の手下の妖狸が化けたものだった。土蜘蛛の餌としておびきだされてしまった芹那。「わたし、こんなところで1人で死んじゃうの?」とあきらめていると、間一髪のところで天たちに助けられる。じつはずっと心配して捜してくれていたらしい3人。
「関わらないでって言ったのに…何で助けに来てくれたの?」
「芹那がいなくなったら、おれたちがこの世界で生きていけないから」
 たとえぼっちになってもいい。美香たちとの無理な付き合いをやめて、本当に自分を必要としてくれる天たち妖怪と一緒にいることを、芹那は決意する。
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