実家から追放されました
文字数 1,315文字
「こんな日が来るとは思っていたんだよなぁ······」
僕、シュア・ロイスト17歳は、住み慣れた故郷から離れた森の中をさ迷っていた。
「手切れ金さえも出してくれないなんて······、まぁ実験台にされて死ぬよりも絶縁された方がマシか······」
荷物が入った袋を背負いながら僕はただブツブツと呟いていた。
ついさっき僕は父上から絶縁、追放を言い渡された。
理由は簡単、『落ちこぼれ』だからだ。
僕が落ちこぼれになったのは五歳の時からだ。
僕の実家、あぁ元実家は先祖代々魔法使いのエリート一族である。
先祖が大昔に魔王を倒し世界統一を果たした英雄の仲間だった、という事もあり生まれながらに魔力量が高くオールマイティーに魔法を使える事が出来るので幼い頃から英才教育を受けさせ優秀な魔法使いを育て上げた。
僕も小さい頃は先祖に憧れ『僕も優秀な魔法使いになるんだっ!』と期待を持っていた。
が、生まれた時から僕の人生は底辺が決まっていた。
兄弟姉妹と違い僕は圧倒的に魔力が少なかったのだ。
原因は分からないがたまにあるらしい。
この時点で僕は両親から期待される事は無くなった。
しかし、少ない魔力でも適正が良い魔法があるだろう、と思っていた。
······ありましたよ、『罠魔法』という魔法使いの中でもっとも嫌われている魔法が。
罠魔法とは要は罠を仕掛ける事が出来る、という単純明快な魔法だ。
あってもなくてもどうでも良い、それが魔法使いの共通の認識だ。
おかげで家族でのカーストは最底辺でまず家には入れず外の物置小屋で生活していた。
そして、兄弟姉妹からは実験台として容赦ない苛めを受けた。
何度死ぬかと思ったか、よく今まで生きてこれたよ······。
あの頃は毎日がサバイバルだった。
当然、食事なんて与えられず自分で自給自足していた。
そんな僕でも15歳になり魔術学院に通う事になった。
······まぁ、そこでも同級生から苛めは受けたけどね。
村な地獄な毎日を過ごし卒業して実家に帰ってきたら絶縁追放ですよ。
本当にやってられない、と同時に地獄の様な日々から解放される!と思った瞬間、『ありがとうございましたぁっ!!』と礼を言ってダッシュで荷物を纏めて出ていきました。
当然、故郷にも良い思い出なんて無いので出ていって現在に至る。
なんで森の中を歩いているのか、と問われればとにかく人が寄り付かない場所に行きたいからだ。
この森は滅多に人が来ない事で有名なので逆に良い場所だと思う。
暫く歩くと森の奥にたどり着いた。
「ここら辺が行き止まりかぁ、人が住めるような洞窟があれば良いんだけど······」
僕は岩の壁づたいを歩いた。
「あっ! あった!」
丁度ポッカリと穴が空いているのを発見した。
「流石に獣の巣じゃないよな、『ファイア』」
爪先にボッと小さな炎が付き、僕は持ってきたランプに炎を移し中を覗いた。
どうやら巣では無いし誰かが住んでいた形跡は無い。
「よし、ここを僕の住み処にしよう」
家を追い出されて数時間も経たない内に住み処をゲットした。
僕、シュア・ロイスト17歳は、住み慣れた故郷から離れた森の中をさ迷っていた。
「手切れ金さえも出してくれないなんて······、まぁ実験台にされて死ぬよりも絶縁された方がマシか······」
荷物が入った袋を背負いながら僕はただブツブツと呟いていた。
ついさっき僕は父上から絶縁、追放を言い渡された。
理由は簡単、『落ちこぼれ』だからだ。
僕が落ちこぼれになったのは五歳の時からだ。
僕の実家、あぁ元実家は先祖代々魔法使いのエリート一族である。
先祖が大昔に魔王を倒し世界統一を果たした英雄の仲間だった、という事もあり生まれながらに魔力量が高くオールマイティーに魔法を使える事が出来るので幼い頃から英才教育を受けさせ優秀な魔法使いを育て上げた。
僕も小さい頃は先祖に憧れ『僕も優秀な魔法使いになるんだっ!』と期待を持っていた。
が、生まれた時から僕の人生は底辺が決まっていた。
兄弟姉妹と違い僕は圧倒的に魔力が少なかったのだ。
原因は分からないがたまにあるらしい。
この時点で僕は両親から期待される事は無くなった。
しかし、少ない魔力でも適正が良い魔法があるだろう、と思っていた。
······ありましたよ、『罠魔法』という魔法使いの中でもっとも嫌われている魔法が。
罠魔法とは要は罠を仕掛ける事が出来る、という単純明快な魔法だ。
あってもなくてもどうでも良い、それが魔法使いの共通の認識だ。
おかげで家族でのカーストは最底辺でまず家には入れず外の物置小屋で生活していた。
そして、兄弟姉妹からは実験台として容赦ない苛めを受けた。
何度死ぬかと思ったか、よく今まで生きてこれたよ······。
あの頃は毎日がサバイバルだった。
当然、食事なんて与えられず自分で自給自足していた。
そんな僕でも15歳になり魔術学院に通う事になった。
······まぁ、そこでも同級生から苛めは受けたけどね。
村な地獄な毎日を過ごし卒業して実家に帰ってきたら絶縁追放ですよ。
本当にやってられない、と同時に地獄の様な日々から解放される!と思った瞬間、『ありがとうございましたぁっ!!』と礼を言ってダッシュで荷物を纏めて出ていきました。
当然、故郷にも良い思い出なんて無いので出ていって現在に至る。
なんで森の中を歩いているのか、と問われればとにかく人が寄り付かない場所に行きたいからだ。
この森は滅多に人が来ない事で有名なので逆に良い場所だと思う。
暫く歩くと森の奥にたどり着いた。
「ここら辺が行き止まりかぁ、人が住めるような洞窟があれば良いんだけど······」
僕は岩の壁づたいを歩いた。
「あっ! あった!」
丁度ポッカリと穴が空いているのを発見した。
「流石に獣の巣じゃないよな、『ファイア』」
爪先にボッと小さな炎が付き、僕は持ってきたランプに炎を移し中を覗いた。
どうやら巣では無いし誰かが住んでいた形跡は無い。
「よし、ここを僕の住み処にしよう」
家を追い出されて数時間も経たない内に住み処をゲットした。