破壊絶叫パンダーズ

文字数 890文字

【アーティスト名】
 破壊絶叫パンダーズ

【概要】
 モフモフパンダが組んだバンド。本人達は過激路線を目指すもキュートな風貌から可愛いとの声が殺到し、それが本人達には納得がいっていない様子。

【メンバー】
・モッフー(♂)
 ボーカル
・モッタリーナ(♀)
 ギター
・モッフィアン(♀)
 キーボード
・モリツィン(♂)
 ベース
・モリゾー(♂)
 ドラム

【代表曲】
「破壊絶叫」「ロック夜露死苦」「舐めるなキケン」

【とある日常】
 ダダダダダッダン~ベベン♪(演奏終了)
「決まったっ……」
 モッフー、フッと笑いサングラスの下から目をキラリ~ン☆。だが、観客の反応は過激路線を取る本人達の願いとは全く異なるものだった。
「キャ~、カワイイ♡」
「キュートっ!」
 目をハートにして叫ぶ観客達の人気はそうそうたるものであるが、モッフー達は伝わらない自分達の音楽に賭ける過激なソウルにしくじたる思いでステージを去る。
 その後、控室で楽器を床に叩きつけて憤るモッフー。
「違うんだ。俺達が目指すのは、そうじゃない。この世を破壊しつく程の熱きメロディと狂おしい程の過激なメッセージの筈だ。それがなんだ。あいつらのあの反応は!。俺達は客寄せパンダじゃないっ!」
 そんなモッフーの横で溜息をつき頭を抱えるモッタリーナ。
「もうダメだ……何をやってもムダなんだよ」
「そう、すべてはこの風貌のせいさ。このモフモフ姿のせいで男共にはバカにされ、女共にはマスコット扱い……」
 自虐気味にモッフィアンも合わせ、モリツィンも横でうなずく。だが、モッフーは諦めない。手を拳にして叫ぶ。
「ダメだダメだ、こんなんじゃダメなんだ。このままじゃ俺達は永遠に可愛いぬいぐるみ扱いで終わってしまう。もっと過激に狂おしいほど暴れるんだ」

 もっと過激にーー

 こうして作戦会議を開いてますます過激路線を目指すものの、その頑張り過ぎ感がかえって観客達のキュートさを求める心を射抜いてしまい、その人気はますますうなぎのぼり。
 モッフー達の思いとは、うらはらに悪循環に陥っていくのだった。
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