プロット

文字数 1,143文字

起)
 真面目な石倉 杏奈はうそをつこうとするとくしゃみが止まらなくなる特異体質の持ち主で、中学入学と同時に弁護部に入部する。弁護部は『学園の生徒を守る最後の砦』として依頼者に起こったトラブルや事件を解決すること。学園六法を手に、日々トラブル解決に奔走している。
 しかし、同級生で共同弁護人である金城 みかどは「少しうそをついても、依頼者を守れればいい」と、飄々とした性格。それでいて、成績優秀で弁護士としても器用に立ち回れる才能を持っており、杏奈はつねにライバル意識を抱いていた。

承)
 学園の創立記念日パーティー後のある日、みかどの兄で生徒会長の金城 王都が「カンニングによる不正行為」で疑われる大事件が発生し、弁護部にやって来る。「カンニングが認められれば進学校の推薦枠が取り消されてしまう」という大ピンチ! 弁護部の顧問で社会科教師・鴎外 利光は、この案件は杏奈とみかどに任せると言い、二人は学内裁判で無実を証明するために捜査を開始する。
 しかし、調べても、王都にとって不利な証拠しかない。さらに、犯行当日に杏奈は王都のあやしい動きを目撃している。会長を守りたい気持ちもあるが、「わたしはうそをつけない体質だから、会長の弁護はできない」と、みかどに本音を打ち明けて大ケンカ。
 検察部も、杏奈の特異体質と目撃情報をつかんで、裁判で証言するように持ち掛けてくる。

転)
 弁護部にとって圧倒的不利な状況で、裁判の日は近づく。そんな中、無罪を主張し続けていた会長が「ぼくはカンニングをした」と認める事態に発展! 学内裁判も中止になり、会長は学園での居場所を失う。「自分のせいだ。うそをつけない体質のせいで依頼人を守れないなら、弁護士には向いてない。みかどの方が優秀なんだから……」と落ち込んだ杏奈は退部しようとする。
 しかし、弁護部を最初に創部した校長先生に「任された案件は最後までやりなさい。真実も依頼人も守りなさい。あなたならできる」とはげまされる。
 杏奈は、最後にこの案件だけはやり遂げようと決める。そして、自分の目撃情報を逆手にとって会長の無実を晴らせる手段を思いつく。

結)
 会長は濡れ衣を着せられていて、真犯人は弁護部顧問の鴎外先生だった。会長と同級生で同じ進学校の推薦を争っていた自分の子どものために、会長に罪を着せたという。杏奈とみかどの二人に弁護を任せたのも、わざと失敗させるためだった。
 鴎外先生は学校を去り、事件は無事に解決。真実も依頼人も守ることができた杏奈は、みかどから感謝され、「おれ、パートナーがいなくなるのは困るんだけど」と退部を引き止められる。
 自分が必要とされていることを知った杏奈。退部は取り消し、これからも弁護部でみかどと一緒に生徒を守ることを約束する。
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