第1話

文字数 465文字

少し変わった友達。

何かの話をしていて
「そういえば野宿したんです。神戸で」

何故?と聞くと
「暇だったんで」
「海外研修から帰ってきて暇だなーと思って。それで神戸行こうと思ったんです」

よくわからない。暇なら野宿をするのか?

野宿する理由、例えば「自分を成長させるため」とか「何かを挑戦したくて」とか、就職活動のガクチカに書けるような理由ならまだ理解できた。だけど彼はさも世間話のように話をした。
「職質されましたよ。危ないからやめときな、って。適当に答えました。枕持ってるのでほとんどキャンプなんですけどね」
「あ、星はすごく綺麗でした」

彼とは大学の海外研修(短期の留学)で出会った。お互い一人行動が好きで意気投合して今に至る。


最近「今ここにいます」と連絡を受けた。九州だった。
もはや何も驚かない。つい先日まで本州最北端にいたのにいつの間にか九州に移動していた。まあ彼なら不思議ではない。

次連絡をした時、彼はどこにいるのだろうか。もしかしたら国内ではないかもしれない。
楽しみだ。

人一倍行動力があって、でもそれが当たり前な彼を、私は尊敬している。
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