パンクする! 音楽について
文字数 2,605文字
いやいや、あれはヘヴィメタル。どっちもファックとかアスホールとかいう単語は大好きだけど、ヘヴィメタは歌詞の攻撃性が強くて宗教的禁忌をぶん殴るような音楽で、パンクは権威主義への反抗と我が道を行くみたいなメッセージが強いかな。まあ『パンク』っていう言葉はチンピラとか不良みたいな俗語だから、推して知るべしだね
ベースはギタリストのスティーヴ・ジョーンズがシドの代わりに弾いてたみたいだよ。でもそれは録音に限っての話で、ライブでは流石のシドもベースを持たされたみたいんなんだけど穏やかなフォークソングですらパンクに変えてしまうくらい劣悪な下手さ加減だったらしいね。やっぱりパンクだなぁ
挑発された腹いせに自分の腕にナイフを突き刺しながらステーキ食べたり、没後に作られたナンシーとの馴れ初めを描いた「シド・アンド・ナンシー」っていう映画タイトルが彼自身薬中だったせいでパッと見「シド・アンド・シンナー」にしか見えなかったり、母親が転んだ拍子にシド遺灰がヒースロー空港にばら撒かれたせいでパンクなことに世界で最悪な空港No.1に選ばれたり
それだけ圧倒的なカリスマ性があったってことだよ。実際、彼がピストルズとしてバンド活動をしていた時期は一年だけなんだ。齢21で没するまでの短い生涯にも関わらずここまで神格化されるだけのモノを彼は確実に持っていたんだね。荒廃した彼はソレをヤクと交換していくうちに衰弱し、やがて歌を一曲歌い終えることもできない体になった