第2話 大学教育の無償化

文字数 564文字

 大学を出るや早々にはじまって、10年近くも奨学金の返済に苦しむ者が多いという。そういう条件の者が結婚すれば二人合わせて1,000万円の借金を抱えるということだから、そうすることは現実的でないと云われる。

 とすれば、そもそも大学教育など大したものではないのである。卒業して学問を身につけたところで、500万円や1,000万円の問題に長年苦悩させられてしまうというのだから。
 大学に入る者も、その99%は才に恵まれていないし、教育を施す側も大学の給料で口を糊するのが精一杯の輩がほとんどであるから救いというものがない。たとえ有能な教授なりがいたとして、そのビジネススキルに限らずスキルの伝達は才(センス)ある者に対してのみ可能なことだ。
 卒業した者は、まずは安月給で独立生活を営むわけで、これは奨学金返済の負担たるやキツいのなんの、ノイローゼにもなろう。

 よく云われることに、「世界の富の99%は世界の人口の富裕者1%が所有している」。
 ここに資産10兆円の家庭を思い描いてみよう。この家族の富を奪って貧しい家庭に配ったならどれだけの者が幸せになれよう? 
 
 太宰治が云う「家庭の幸福こそ諸悪のもと」。
 この言葉に貧富は関係しない。
「この家族の富を奪って貧しい家庭に配ったならどれだけの者が幸せになれよう?」という思念のある限り。
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